2024年1月5日金曜日

火口(ほぐち)を作って火熾しの準備をする

 

  
 さて明日からは第1回目の炭焼きが始まります。定員の15人に達する参加者の申し込みがありました。今日もそのための準備。気合が入ります。昨日に続いて炭窯の乾燥、道具の点検、煙突の補修などを行いました。

 参加者にいつも驚きの声が上がるのが、火打石と火打金による火熾しです。窯木を窯内に詰め込んだあと、予備乾燥の火は、古式に則り、火打石と火打金によって熾します。

 火花を受け、発火させる「火口(ほぐち)」の準備しました。晒し木綿を切って、缶に入れ、火で蒸し焼きにする、すなわち、晒し木綿の炭を作るわけです。



 「火打石」による発火の原理は、逆でもいいが、「火打石」を「火打ち金」に打ち付けることによって剥がれた鉄片が火花となり、それが「火口」に移り、発火を得るものです。まず「火打石」。材質としては玉髄、チャート、石英、ジャスパー、サヌカイト、黒曜石などが適しているという。市内の場所で採集してきた「チャート」を使います。その近くに「火打」という地名があるので、何か関係があるのかも知れない。
  
 「火打ち金」、焼の入った鋼鉄ならば何でもいいが、写真右の不要になった金鋸の歯を折って重ね、握りやすく使い勝手のいいように木で挟んで固定した自作の「火打ち金」を使います。左はNETで購入した「火打ち金」。伊勢神宮、熱田神宮などの門前でも手に入れらるようです。

 日本における「火打石」の歴史は古く、「古事記」において、「倭建命(やまとたけるのみこと)」が叔母の「倭媛(やまとひめ)」から授かった袋に入った火打道具を用いて、富士の裾野で襲い来る敵から難を逃れた話がよく知られ、また「養老律令軍防令」においては、兵士50人ごとに「火鑽(ひうち)」1具と「熟艾(やいぐさ)」と呼ばれるモグサなどで作った火口1斤の携帯を義務付けたという記述があるという。(Wikipediaによる)

 そんな故事に基づく発火、いつもその瞬間は歓声が上がります。






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