2016年10月30日日曜日

木漏れ日のコントラストが美しい




 2週間ぶりに山頂まで登る。すっかり秋になったので、汗の出かたも少ない。空気もひんやりしている。太陽が南に傾いたためか、強くなったように感じる木漏れ日の陰影のコントラストが美しい。落ち葉とどんぐりの絨毯を踏みしめて登っていく。

 そんな落ち葉や灌木の間から、この時期に可憐な顔を出すのは、この山に多く自生する「コウヤボウキ(高野箒)」。白い筒状花が十数個房状にかたまった花。名前の由来は、高野山でこの枝を束ねて箒を作ったことからつけられたという。そしてこの山に自生する「カキ(柿)」の実の朱色が鮮やか。

2016年10月24日月曜日

どんぐり大豊作、子供たち大喜び



 今年は、「どんぐり(団栗)」が大豊作である。近年まれに見る大豊作。「リス(栗鼠)」を始め、山の動物たちは、今年の冬は食料の心配がなく、幸せな秋を迎えている。

 「森の幼稚園」で公園を訪れた子供たち。袋いっぱいに、いろいろな「どんぐり」、「ヤマグリ(山栗)」、山で一番大きな葉っぱ、「ホウノキ(朴の木)」の葉っぱなどを拾って、こちらも大喜び。


 一方、雑食の代表格である「イノシシ(猪)」は、冬に備えて食べ溜めでしょうか、ミミズや虫を探すため、苔の生えた地面や湿った地面のあちこちを掘りまくっている。その痕跡を見ると、毎年のことながら、「ああまた冬が来るんだな」と思う。

 秋晴れの空の下、園児たちは、この山に住んでいる動物たちのことを学んで、竈で炊いたご飯と豚汁をいっぱい食べて帰っていった。

2016年10月21日金曜日

秋のコントラスト、鮮やか




 「コブシ(辛夷)」の実の果皮が割れ、鮮やかなオレンジ色の種が出てきている。遠くからでもそのオレンジ色はよく目立つ。

 この公園でも、3月中旬から下旬の早春に、他の木々に先駆けて白い花を梢いっぱいに咲かせる。「田打ち」の頃に咲くから、別名「田打ち桜」。

 その果実は「さや」に入った集合果であり、そのデコボコの形状が、子どもの拳に似ているところから、「コブシ」の名前がついたといわれている。それが、秋になるとあざやかな紅色に染まり、さらに秋の深まりとともに、割れてきたのである。「さや」の紅色、「種」のオレンジ色、おなじひとつの木で、空の青さも加えて、鮮やかなコントラストである。

2016年10月20日木曜日

鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき


 私の所属するボランティア・グループは、公園で行う近隣の小学校3、4年生の自然体験学習をサポートしている。今日、そのカリキュラムの準備をするために、森へ入っていった時のことである。小学生がウォーク・ラリーを行う予定の散策路のすぐ近くで、その角をロープに絡め、取れなくなってもがいている一頭の牡鹿を見つけた。鹿は母系社会で、普通、牡(オス)と牝(メス)は別々の群れで生活するが、多分9月~11月の繁殖期を迎え、牡が牝鹿の生活圏に入り込んできて、災難にあったと思われる。われわれにとっては、鹿はクヌギの葉や芽を食べてしまう天敵ではあるが、放置すれば、間違いなく死んでしまうので、そのままにするわけにもいかず、ロープを切ると一目散に山の中へと消えていった。

『 奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき 』
                    猿丸太夫(5番) 『古今集』秋上・215




 静かである。ウォーク・ラリーをする小学生がやってくるまでは、森の中は本当に静かである。しかし、耳を澄ませると、時折、野鳥の囀り、虫の鳴き声が聞こえてくる。それに混じって、「コン」という音も。団栗(どんぐり)が落ちてきて、ウッドデッキに当たる音である。目を上げると、「ガマズミ(莢蒾)」の真っ赤な実が ・・・。そんな静けさを、ゆっくりと味わいたいと思ったのも束の間、地響きを立てて、小学生の一団がやってきた。
   

2016年10月19日水曜日

頑張れ! ど根性クヌギ



 つい先日、クヌギの再生林をチェックしているとき、うれしい発見をした。ずっと芽が出る気配がなかったから、根も露出し、もう朽ち果てて枯れてしまったと思っていたクヌギの株(台場)より新しい芽が出ているのである。しかも、周遊路のすぐ脇の斜面にあって、鹿の食害からクヌギを保護するために張ったネットの区域外の場所。おもわず、「ど根性クヌギ」と名付けてしまった。いや、クヌギの萌芽力は強いと聞いてはいたが、これほど強靭だとは思っていなかった。うれしい発見、無事「台場クヌギ」として大きく育ってほしい。頑張れ! 育ったら、「天晴れ」あげましょう。(下の写真は、鹿除けネットを貼った結果、萌芽し、順調に生育している台場クヌギ)