2017年7月28日金曜日

いずれは「森ガール」になって



 今日も猛暑の中を山作業。森に入ると冷やりと束の間、涼を覚える。甘酸っぱい香りが漂っている。ナラ(楢)系の樹木からでる樹液の匂い。夜になればきっと、たくさんの「カブトムシ(甲虫、兜虫)」や「クワガタムシ(鍬形虫)」が集まっていることだろう。

 今日の作業は、枯死した「ヤマザクラ(山桜)」の伐採。観察路の脇にあるため、台風の季節の前に伐採しなくてはならない。また、フェンスのすぐ脇にあるので、フェンスを壊さないような方向に倒さねばならない。じっとしているだけでも暑いが、チェーンソーとロープを交代で担いで山頂まで登る。作業の準備をしていると、3,4歳の女の子がお父さんと通りかかった。けっこうな急登を頑張って登ってきたのだ。我々の作業にいたく興味があるようで、引き倒す作業を手伝ってもらった。いずれは「森ガール」になってくれれば ・・・。

 本日見かけた「キノコ(茸)」。松の切り株に発生していることからすると、「マツオウジ(松旺子)」であろうと、先達は言う。傘は白色から淡褐色で、初めは半球形、やがてほぼ平らに開くという。

 

2017年7月25日火曜日

ああ、夏休み




 夏休みが始まって最初の休み。山の公園には「丘の流れ」という水遊びができる格好の場所があるので、開園と同時に朝から多くの子供たちが水遊びをしている。林の中には、カブトやクワガタ狙いの捕虫網を持った多くの子も。我々はといえば、別のグループが主催する公園の人気イベントの一つ、ペットボトル・ロケットの製作と試射のイベントのお手伝い。一時降った雨も上がり、子供たちだけでなく親の歓声も響く。これからが、この公園が一番賑わう季節、夏休み。

 

2017年7月21日金曜日

この風の心地よさがたまらない





 梅雨明けの猛暑。全く逃げようともしない鹿の親子を横目で見ながら、伐採作業のため、山頂近くまで上がる。

 この日は、チェーンソーを使って、「アラカシ(粗樫)」など常緑広葉樹の高木を伐採。10数本伐採しただけで、見違えるように森が明るくなり、麓からの上昇気流が、さあっと抜けるようになる。うれしいのは、この風である。木漏れ日の心地よさと癒しの風。暑さも疲れもいっぺんに吹き飛ぶ。

 熱中症を避けるため、早めに山をくだり、エアコンの効いた部屋で、メンバーが家庭菜園で採れたという「ミニトマト」と「黒豆」、同じ公園で活動するアウトドア料理のグループが差し入れくれた「鹿肉の燻製」を頂く。ほっとするコーヒー・タイムである。
  

2017年7月9日日曜日

人間様にも動じることなく


 山作業中に出くわした親子連れの鹿。脅かしても全く動じることもなく、じっとこっちを見て動こうともしない。天敵ながら、ある種の風格というか、神々しさすら感じるから不思議である。鹿除けのために設置したツリー・シェルターにより、4月に植樹したクヌギ苗は守られているので一安心。ひとしきり草を喰んだあとは、ゆっくりと森に消えていった。

 

2017年7月6日木曜日

子供達とヤマモモを採る




 今年もまた、公園の「ヤマモモ(山桃)」を採集する。例年だと6月の下旬が、熟れ頃、採り頃なのであるが、今年は1、2週間遅く、そして実もちょっと小振りである。しかし鮮やかな暗赤色、実に美味しそうに熟れている。

 口に含んでみる。酸味と甘さが程良く調和している。週末に「食育」として、ヤマモモ・ジュース、ヤマモモ・ジャム、ヤマモモ・ピザをつくるグループの子供たちと一緒に採集したが、我が家でも、きっと美味しいジャムができそう。

 

2017年7月1日土曜日

やっかいな羽化の季節



 6月初旬、「カシノンガキクイムシ」(以下、カシナガ)のもたらす「ナラ枯れ」への対策を急いで終えたばかり。

 しかし、「コナラ」の根元に大量のフロス発見。対策漏れの被害木から、「カシナガ」が羽化し、飛び立ったのである。

 「カシナガ」は、大群で、健全な「ミズナラ(水楢)」、「コナラ(小楢)」、「カシ(樫、橿、櫧)」類を中心とした木に飛来し、集団で穿入する。そして穿入した木の中で、卵を産み、越冬する。その時に、「ナラ枯れ」の原因となる「ナラ菌」を伝搬し、その繁殖により、樹幹の水分通道機能が悪化し、ひどければ急激に枯死にいたる。

 羽化して成虫となった数千匹の「カシナガ」は、翌年7月になると、また飛び立ち、付近の健全な「ナラ」類に飛来し穿入する。それを繰り返すという厄介な虫である。我々の対策は、羽化し、新しい被害木を求めて飛び立つ前に捕獲するために、前年に見つけた被害木に専用の粘着テープを被害木に巻くという方法を採っている。しかし、この広い公園で全ての被害木に対策をするのは、時間的にも予算的にも無理であるが、この方法を続けることにより、確実に被害木を減らしてゆくことができると考えている。

 被害木が発見された2013年の翌年、2014年から対策を続けているが、定点観測エリアでは、8本、20本、45本、25本と一昨年をピークに被害木が減少し始めている。効果が出てきたと期待したい。しかし、気を緩めることなく、まだまだ、虫との戦いが続く。

 こんな里山林の保全や炭焼きなど、森林ボランティアとしての地道な活動が評価されたのか、今年の6月10日、「みどりの愛護」のつどいで国土交通大臣表彰を頂いた。