2014年12月28日日曜日

炭焼きの準備を終え、今年最後の山遊びを締める


 見事に積み上がった窯木。年明けから始める炭焼き(黒炭;菊炭)の材として、今年伐った10年ほどの「台場クヌギ」を積み上げたものである。11月から再生林で伐採を始め、玉伐りや枝処理をし、急斜面を下ろし、積み上げたもの。トータルでざっと1,000本近くありましょうか、積み上がった様は、美しいと思えるほど。ほぼ2ヶ月、延べ11日ほどかけてやっと材料の準備を終えることができた。メンバーに事故や怪我がなく、今年一年を締められることに感謝。後は年明けから始まる炭焼きの安全と成功を祈るばかり ・・・。


2014年12月22日月曜日

今年最後のイベントも子供達の笑顔がいっぱい



 昨日の雨は嘘のように晴れ上がり、気温は寒いが、陽の光が暖かい。我がクラブ、今年最後のイベントのひである。日頃は、山に入り森の手入れを行っているが、「我々だけ楽しんでは申し訳ない、なにか一般の人のも喜んでもらえる企画はないだろうか」ということで、そこで出た間伐材を使って子供たちに自由な木工細工と手作りの饂飩(うどん)、ピザなどを楽しんでもらうイベントで、概ね月1回行っている。

 結構ピザや饂飩が美味しいと、最近はリピーターが目立つようになり、すぐに予約が一杯になる日も多い。この日も9家族35人の家族連れが、朝からやってきてくれた。いつもはつくるものは自由であるが、12月とあって、この日の木工はクリスマス・リースがメイン。先日山で採取してきた「やまぶどう(山葡萄)」の蔓を使って、家族それぞれ思い思いのリースがいくつも出来上がった。そしてピザは、旬の野菜、サツマイモを載せたピザ。家族で生地延ばしとトッピングをしてもらい、手作りのピザ窯を使い、我々が炭焼きで焼いた炭を用いて焼き上げる。

 今年もまた子供たちのいっぱいの笑顔に囲まれた一年 ・・・。また来年もこのイベントを続けることになりそうだ。さて、今日は冬至。柚子湯にゆっくりと浸かるとしようか ・・・。
  
  

2014年12月20日土曜日

寒さにかじかむ手で窯木おろしを ・・・



 昨日は雪のため山遊びは中止。一夜明けた今日は、雪も風も止み、気温は2℃と寒いが、穏やかな天気。年明けから始める炭焼きまであまり時間がないので、伐採した「クヌギ」の窯木をおろす作業をただひたすらにする。有難いことに、都合が悪かった一人を除いて13人のメンバーが集まってくれた。感謝。

 朝のうちは前日の雪がまだ少し残っている再生林の滑りやすく足場の悪い急斜面で、指先がかじかむ手で、次々と窯木を下ろしてゆく。しかし、動けばすぐ体は暖かくなり、一枚脱がなくてはならないほど、汗ばんでくる。

 仲間が「クヌギ」の切り株に、野生の「ヒラタケ(平茸)」を見つけた。広葉樹の朽木や切り株に、いくつか重なり合って発生し、味にも香りにも癖がなく、汁物、鍋物、炊き込みご飯、天ぷら、うどんなどさまざまな料理に使われているという。早速、夜の食卓で ・・・。次の休みの木工細工のイベントで使うクリスマス・リースの材料となる蔓(つる)を採取して今日の作業を終える。
  
  

2014年12月16日火曜日

木耳を見つける


 「きくらげ(木耳)」である。伐採したクヌギの窯木の中から、山遊びの仲間が見つけた。中華料理では馴染みの茸が、こんなところに生えていた。「きくらげ」は、干した「クラゲ(水母、海月、水月)」に味が似ていることから、樹木に生える「クラゲ」の意味で名付けられたという。 漢字の「木耳」は中国からの用字で、形が人間の耳に似ていることから付いた名で、「木の耳(きのみみ)」という別名もあるという。たしかにそんな形をしている。「クヌギ」や「コナラ」などは、椎茸の原木栽培の「ホダギ(榾木)」としても用いられるから、「きくらげ」が生えても一向に不思議はない。山遊びは、こんな新しい発見もあるから面白い。そういえば、中国を出張で訪れていた頃、お土産に大量の「きくらげ」をもらい、どうしようかと苦慮したことを思い出した。
  
  

2014年12月7日日曜日

冷え切った体には豚汁が一番



 今日は里山に関心のある皆さんが、総勢45人ほど、「北摂里山バスツアー」ということで、我々が活動している公園に来園された。折しも寒波襲来、外気温は2℃、この時期にしては身を切るように寒い。サポートする我々の役目は、園内の散策の案内と説明、竈を使っての炊飯と豚汁づくりである。

 炭焼きの歴史から、台場クヌギの育成、伐採、炭焼きに至るまでのストーリーや手順を、炭焼き窯、クヌギ再生林などの現場を見てもらいながら説明をする。再生林は、ちょうど年明けから始まる炭焼きの窯木づくりをしている最中で、この地域の里山のかっての有り様が、よくわかっていただけたのではないだろうか。

 さらに、「エドヒガン(江戸彼岸)」桜の群生林、その実生からの育苗、この山のいたるところにある先人の残した「間歩(まぶ);手掘りの坑道」や炭窯跡、「ナラ枯れ」対策や森の手入れの実際など我々の活動を見てもらいながら、約2時間の散策を終える。冷え切った体に、竈を使っての炊いた野菜たっぷりの60人分の豚汁と古代米(黒米)入のご飯を振舞ってツアーのサポートを終える。
  
  

2014年12月3日水曜日

森の手入れ、その効果は ・・・



 この日の山遊びは「植生調査」。我々が行っている山の手入れ方法、ヒサカキ、リョウブ、ソヨゴ、アセビなどの常緑広葉樹を伐採して、山を明るくするという手入れの手法が、実際のところ植生の多様化にどの程度効果があるのかを調べるのが目的である。専門家の先生の指導を受けながら3年前から行っている調査である。森の中に、10m×10mの調査区域を設定し、その区域を覆っている常緑広葉樹の高木を伐採し、その後植生がどのように変化していくのかを調査している。今回は、午前中は講義、午後の半日をかけて、2箇所の区域の調査を行った。

 2012年に始めた時の最初の区域は、伐採前は23種類だった植物の種類が、昨年調べた時は27種類に、そしてこの日の調査では35種類に増えていた。そして、昨年比較的日当たりの良い別の場所に設定した区域では、伐採前22種類だったものが、1年後のこの日は39種類に増えていた。この結果をみると、我々の行っている手入れの方法(兵庫方式)が効果がありそうだということが実証できそうだ。冒頭の写真は、この日新たに芽生えが確認できた「アオツヅラフジ(青葛藤)」のベイビー。この蔓(つる)を昔は「つづら(葛籠)」の材料としたという。秋には藍黒色の丸い実が熟す。
  
 しかし、経験の浅い我々では数十種類に及ぶ新芽の名を特定することなど到底不可能である。先生の知識、眼力に頼らざるを得ないのであるが、この機会が名前を覚える格好のチャンスでもある。「アオツヅラフジ(青葛藤)」をはじめ、数種類の名を覚え、見分けることができるようになったのもこの日の収穫。

 日当たりが良くなれば、今までは生えなかった草花が芽を出し、虫や蝶が集まってくるし、それを狙う鳥なども集まってくるという森の活性化や多様化が期待できる。この日は調査区域で、今まで見たことがなかった「ヒメカマキリ(姫蟷螂)」を見つけることができた。体長3cmほどの小型のカマキリで、9~11月に発生し、山間部の樹木にいることが多いという。こんな発見でも手入れの効果が実感できると爺さんたちは、「さあ、また頑張ろう」という気になってしまう。