2012年9月17日月曜日

六十の手習い


 定年後の爺さんたちが集まって、ボランティア活動として里山公園の森の手入れを行っていることは、このブログでもずっと書いてきた。しかし、この爺さんたち、森の手入れに関して何か筋道の立った学習をしたことはない。ましてや、専門的な教育も受けたことももちろんない。先達の手ほどきで、いわば見よう見まねでやってきたというのが実態に近いのだろう。したがって、この公園森の在り方についてそれぞれが様々な価値観やらイメージを持っている。新しくボランティア・クラブをスタートさせるにあたって、この森を、「こういう森にしたい」という目標、動機づけをはっきりさせて活動したい、あるいは新しいクラブ員も含め、私たちが手入れを行っている森に関して実際の管理作業の基準や手順のよりどころなどをまとめた、マニュアルを作りたい。こんな爺さんたちの要望から、マニュアルづくりをスタートさせるために、管理事務所が主催する、森の管理の専門家による調査・管理のセミナーを受けた。


 12月に行われる1日と合わせて2日間のコース、1日目の午前中は里山の基礎について学び、午後は植生調査の実習であった。「Nature/自然」という言葉の定義や意味に関する欧米と日本の違いや、いままでも個人個人がバラバラに持っていた森や里山に対する知識を改めて正しく共有できたとともに、ボランティアなど市民参加型の森の手入れ活動を行い、放置された里山の再利用を図っていくといういわゆる「兵庫方式」についても理解と認識ができた。久しぶりの座学であったが、眠る人もなく、爺さんたちの向学心、ますます旺盛というところ ・・・。午後からは、「植生調査」の実習。植生を数値化することにより、この森のプロフィールが改めて明らかになるとともに、今我々が進めている手入の方向性についても、そう大きく間違っていないということで、自信を持つこともできた。

 専門家にきちっと講義してもらっての勉強と実習、「六十の手習い」ではあるが、なかなか心地よいものであった。もちろん、「好きこそものの ・・・・」のたとえもありますが ・・・ 。
  
  

2012年9月1日土曜日

真夏の蝶


 いつもの遊びの山。伐採作業をしていると、美しい一匹(一頭)の黒い蝶がひらひらと優雅に現われた。そんなに人を怖がる風でもなく、切り株や木の枝にとまって遊んでいる。早速、カメラを持ち出し撮ってはみたものの、上のように、いいアングルで、蝶の特長をつかんだ写真が撮れなかった。帰ってから、記憶をもとに調べてみたら、その特徴からして、どうも「モンキアゲハ(紋黄揚羽)」のようである。多分いままでにも無意識には見ていたかもしれないが、はじめてこの山で出会ったような気がした。

(写真はネットより無断拝借)

  「モンキアゲハ(紋黄揚羽)」は、「オオゴマダラ(大胡麻斑)」や「ナガサキアゲハ(長崎揚羽)」と並ぶ、日本では最大級のアゲハチョウ科の蝶。翅は大きくて幅広く、開張時で110 - 140mmほどになるというが、私が見た蝶も、優に100㎜以上はあった。私の写真でもかすかに窺えるが、後翅に黄白色の大きな斑紋があるのが特徴で、また尾状突起があるので「ナガサキアゲハ」と区別できる。日本では、成虫が見られるのは4-10月頃で、その間に2-3回発生するが、特に夏型は春型に比べて大型になるという。関東以西に分布し、南方系の種類として位置づけられ、大阪あたりの都市部で見ることは珍しいらしいが、平地や低山地の森林の周辺でよく見かけられる普通種である。日中の暑い時間帯にも活発に飛び、ユリ類、クサギ、ヒガンバナ、人家の庭先の園芸種など各種の花に訪れるという。(Wikipedia参照)

 今、この山で多く咲いているのは「クサギ(臭木)」の花。きっと、この花の蜜を吸いにやって来たのであろう。こうして初めての蝶や生き物に出会ったり、その名前を覚えることがあると、なにかものすごく得をした感じで、この上なくハッピーな気分になれる。山作業の手を止め、皆であれこれの蝶談義。