2012年6月18日月曜日

初夏の公園を歩く



  本格的な梅雨に入る前の晴れ間、いつもとコースを変えて、山遊びの公園をウォーキング。たまには、山に入って山仕事をせず、園内を散策して楽しむこともあるのです。

ビオトープの池には、前回訪れたときは、「シュレーゲル・アオガエル」の卵塊であったが、今回は、ビオトープに覆いかぶさるように立っている「ヤマボウシ」の枝に「モリアオガエル」の大きな卵塊が、まるで何か巨大なフルーツのように垂れ下がっている。半月ほど前に際立った声で鳴いていたが、求愛に成功したのだ。しかも4つもの卵塊である。しばらく経てば、この卵塊から小さな「オタマジャクシ」が、ポトリポトリと池に落ちてゆく。毎年毎年くりかえされるが、不思議で感動的な光景。

 そして、この公園に何本も生えていて、つい最近まで、主役の花の一つだったのは「エゴノキ」。その下向きに咲く花びらがすべて散ったあと、残った「萼片(がくへん)」と「花柄(かへい)」がちょっと面白い光景を作り出していた。ほら、まるで小さなテルテル坊主の集団行進のようでしょう。ちょうど、この梅雨に入る前の晴れ間を願ったような ・・・。また、可憐な花に似合わず、その果皮に魚毒性があるサポニンを多く含んでいるので、昔の悪ガキどもは、木の実をすりつぶして流し、川で魚を獲ったものである。



  「ホウノキ」、「ヒトツバタゴ」、「エゴノキ」、「ヤマボウシ」と白い花がつづく中で、散策路にこの時期一際目立つ鮮やかな黄色の花は、「ビョウヤナギ(未央柳)」。「ビョウヤナギ」は、中国原産の半落葉性の低木。古くから庭園花木として植栽されていたが、鮮やかでよく目立つためか、最近はよく似ている花、「キンシバイ(金糸梅)」とともに近辺の道路の路側帯などに植栽されているのを、よく見かける。「美容柳」などの字を当てることもあるが、語源は不明。花が美しく葉が柳に似るためかなどと資料には書かれている。

 それと、ポプリ、ハーブティー、アロマセラピー、観賞用などによく利用される、おなじみの「ラベンダー/Lavender」が、散策路の際に植えられている。かっては、べつの花を植えていたが、ことごとくシカの食害にあってしまい、やっと「ラベンダー」にたどり着いたと公園の管理者は言っていた。鎮痛や精神安定、防虫、殺菌などに効果があるとされるから、確証はもちろんなく勝手な想像だが、「ラベンダー」は、シカが苦手とする植物なのかもしれない。
  
  
  

2012年6月4日月曜日

遊びの山は初夏モードに



 この一か月の間に、山はすっかり「初夏のモード」へと変わっています。

花木の主役は、「エゴノキ」から「ヤマボウシ(山法師、山帽子)」へ。あの花びらの先がとがった特徴ある純白の花が、梅雨の雨中にひときわ映える季節になったのである。ビオトープの小さな池のほとりには、、散りかけの「エゴノキ」と咲き始めの「ヤマボウシ」が並び、主役交代を告げている。


そして水辺には、「モリアオガエル」によく似ている小ぶりのカエル、「シュレーゲル・アオガエル」の卵も見ることができる。このカエルは、白い泡で包まれた10cmほどの白い卵塊を産卵するというが、見たものはかなり大きく20㎝くらいあったと思う。そして、一際際目立って聞こえるのは、「モリアオガエル(森青蛙)」の求愛の鳴き声。もうすぐ池に突き出ている「ヤマボウシ」の枝先に真っ白な泡状の球形の卵塊を産卵するのも近い。

「ウスタビガ(薄手火蛾、薄足袋蛾)」の幼虫も、活発に「クヌギ(椚)」や「コナラ(小楢)」の葉を食べている。「ウスタビガ」の幼虫を突っついたり、つまんで苛めると、ネズミの様な声で鳴くと聞いたので、ちょっとかわいそうだが苛めてみた。確かにかすかな声で「チュウチュウ」と鳴いた。

 近隣からは、「ゲンジボタル(源氏蛍)」や「ヒメボタル(姫蛍)」の便りも聞かれるようになった。見に行ってみようかとも思う。そんな中で、われわれ爺さんたちは、鰯缶を使って、固形燃料で走る蒸気船を作って子供たちと遊び、このあたりの地区に伝わる伝統的な郷土料理である「粽(ちまき)」づくりの手伝いをしたり、不恰好で不揃いではあるが、My「手打ちうどん」をつくって喰う。いやいや、爺の遊びは尽きないのである。