2017年5月26日金曜日

実生苗を育てるためにエドヒガンの実を拾う



 先日の日曜日はクラブ主催のイベントの日。朝から温度はぐんぐんと鰻のぼりで、もう真夏日の一歩手前まで。涼や憩いを求めてやってきた家族連れで、駐車場は午前中にはもう満車。いつもの様に、木工と手作りピザを楽しんでもらったが、私のもうひとつの目的は、「エドヒガン」の実の採集。実生苗を育て、大きくしてから山に返すプロジェクトの最初の一歩。

 ここ数日の高温続きで、果肉はもうすっかり干からびていたが、育ちそうな種をたくさん採集できた。きれいに洗って、発芽しやすいように果肉を削ぎ、播種して来年春の発芽を待つ。


 「エゴノキ」、「ヤマボウシ(山法師、山帽子)」など梅雨の季節の前に咲く花が一斉に咲きだした。もう初夏 ・・・。

2017年5月20日土曜日

今年も虫との戦いが始まる


 「ナンジャモンジャ」とも呼ばれている満開の「ヒトツバタゴ (一つ葉タゴ、一つ葉田子)」を見ながら、山頂へ向かう。今日の山作業は、全国的に広がりをみせ、近年、兵庫県でも問題となっている「ナラ枯れ」を引き起こす原因の、「カシノナガキクイムシ(以下、「カシナガ」という)」への対策。その戦いを始める時期が来たのである。鹿との戦いは依然継続中であるが、クヌギの苗にはツリーシェルターを、台場クヌギの新芽についたは、鹿除けネットを設置することで、被害を食い止め、なんとか小康状態を保っている。



 「カシナガ」は、主に7月に大群で、健全な「ミズナラ(水楢)」、「コナラ(小楢)」、「カシ(樫、橿、櫧)」類を中心とした木に飛来し、集団で穿入する。その時に、「ナラ菌」を伝搬し、「ナラ菌」の繁殖により、樹幹の水分通道機能が悪化し、急激に枯死にいたる。それを「ナラ枯れ」と呼び、その被害が全国的に広がりをみせている。そして穿入した木の中で、卵を産み、越冬する。

 羽化して成虫となった数千匹の「カシナガ」は、翌年7月になると、また飛び立ち、付近の健全な「ナラ」類に飛来し穿入する。それを繰り返すという厄介な虫である。我々の対策は、羽化し、新しい被害木を求めて飛び立つ前に、捕獲してしまうために、前年に見つけた被害木に専用の粘着テープで被害木を巻くという方法を採っている。

 「カシナガ」が急増した原因は、里山林が放置された結果、「カシナガ」が好むという太さに「カシ」類が成長したことだという。ここでも、自然と人とのバランスを崩したのは、「人」である。

 また、その幼虫が、桜や桃、梅などのバラ科の樹木を内部から食い尽くすため、全国の桜の名所で、枯れてしまうという被害が広がっている外来種の「クビアカツヤカミキリ」。被害を見つけたら報告して欲しいという要請も来てますが、こちらはまだ発見には至っていない。あたらしい敵が発生しなければいいが ・・・。

 木漏れ日が美しい陰影をつくる林の中で、黙々と作業を進める。
 

2017年5月12日金曜日

満開のモチツツジの中を

 

  「五月晴れ」と言うんでしょうね、こんな天気を。満開の「モチツツジ(黐躑躅)」が咲く中を頂上まで上がっていく。ダム湖から上がってくる少し冷ややかな風が心地よい。ああ、一番いい季節だ! 頂上付近で、常緑広葉樹の伐採作業を終え、再び、「モチツツジ」の道を下る。いつもながら、自然の作り出す「色」には敵わないと感じながら ・・・。