2015年12月21日月曜日

クリスマス・リースとミニ門松をつくる



 
 今日は我がクラブが主催する今年最後のイベントの日である。「ミニ門松とクリスマス・リースをつくり、竹パンを焼こう」。天気も上々、10家族、30人近い家族連れが集まってくれた。去年まではクリスマス・リースだけであったが、ことしは、門松も加えた。山にある竹、松、蔓、松ぼっくりなどを材料とし、それに100円ショップで買ってきた鉢、縁起物、飾り物などでつくるのである。作り方はいたって簡単。子供でも簡単にできる。そして、竹パンも。参加者大満足のようであった。
   
 

2015年12月18日金曜日

風に舞う木の葉


 「クヌギ(椚、櫟)」の伐採を終えた。北から2015年11月寒波と強風を押し寄せたこの日、空を見上げると、青空に溶け込むように、ひらひらと舞う木の葉が美しい。あぁ、なんて気持ちがいいんだろう。
 
 

2015年12月14日月曜日

パネル・ディスカッションに参加して



 「ナツツバキ(夏椿、沙羅)」の花である。(写真は神戸新聞より拝借) もちろん今の時期に咲くはずもなく、初夏にツバキに似た白い花を咲かせる。「ナツツバキ」は、ツバキ科ナツツバキ属の落葉高木で、別名は「シャラノキ(娑羅樹)」。仏教の聖樹、フタバガキ科の「娑羅樹(さらのき)」、「沙羅双樹」に擬せられるため、この名がついたといわれるが、それとは別のものである。

 兵庫県三田市にある「有馬富士公園」内に生育している「ナツツバキ」の群落を市指定の天然記念物にしようと、公園管理事務所などが申請の準備を進めている。「ナツツバキ」そのものは珍しくないが、有馬富士公園のように、照葉樹林帯に群生する例はほとんどないという。我が公園にも自生のものはない。そんな「ナツツバキ」に関心を持ってもらおうと、「阪神北地域における天然記念物連携シンポジウム ~有馬富士公園におけるナツツバキ個体群などの天然記念物指定に向けて~」と題して、シンポジウムが開かれた。

 今年9月には、我々が活動する一庫公園のエドヒガンが川西市の天然記念物に指定されたということもあって、識者の基調講演につづく、パネル・ディスカッションに市民ボランティア側のパネラーとして参加をした。天然記念物指定の意義や公園の活性化、ボランティアの高齢化、環境保全活動への関心の惹起の仕方など、参加した公園やボランティア団体が抱える現状や様々な課題について話し合った。高齢化、活性化、鹿の食害 ・・・、やはり同じような悩みや課題を抱えているのである。すぐに有効な解決策はないにせよ、公園や団体が交流の第一歩を踏み出すことは意義あることと思う。
  
  

2015年12月2日水曜日

晩秋の公園を楽しむ


 特徴のある角ばった実は、「マユミ(檀、真弓)」。我が家の庭にもあるが、それと比べ、公園の「マユミ」は実もびっしりと多く付いているし、なんといっても色づいたピンクが、比べ物にならないほど鮮やかである。もうしばらくすると熟し、果皮が4つに割れ、鮮烈な赤い種子が4つ現れる。そんなことから、秋に果実と種子の色を楽しむ庭木として親しまれている。


 先日のお茶会に趣を添えたのが、「サネカズラ(実葛)」。その名の通り、「キイチゴ/木苺 」を大きくしたような真っ赤な実を楽しむが、その昔、つるから粘液をとって整髪料に使ったことから別名、「ビナンカズラ(美男葛)」とも呼ばれている。この山にも生えているが、この日飾った茶席の白壁に映え、浮かぶその影とのコントラストが美しい。


 公園のセンターの薪ストーブに火が入った。芯まで体があったまるし、なんといってもその炎が美しい。そしてやはり紅葉でしょう。ここ一週間が見頃。手入れをした甲斐あって、谷のもみじがひときわ映えるようになった。


2015年11月30日月曜日

喫茶去  ~ 一庫炭物語の完結 ~


 急に寒くなり、山の紅葉も鮮やかに色づき、見頃を迎えた今日は、我がクラブが主催する、「お茶会」。活動拠点の一庫公園」内にある「エドヒガン」桜の群生地が、市の天然記念物に指定されたのがきっかけとなって、公園では「北摂里山キャンペーン」を実施している。お茶会は、紅葉とお茶を楽しんでもらうというその一環のイベントである。





 茶席に掲げた「喫茶去」の軸。私は茶の湯のことはさっぱりであるが、「きっさこ」と読み、中国唐時代の禅僧、「趙州和尚」の言葉だそうで、「まあ、お茶でも一服召し上がれ」という意味であるという。シンプルな、いい言葉である。

クヌギの伐採、窯木作り、自然体験学習のサポートなどの山遊びに加え、病院、帰省などの私事も重なり、この11月は、現役時代と同じくらいめっぽう忙しかった。されど忙中閑あり、まさに「喫茶去」、主催者である私もゆったりとした気分でお点前を楽しむことだできた。

センター内に設えてある囲炉裏を使って茶席に設え、地元中学校の茶道部の生徒さんにお願いしてのお点前。厳密な作法にのっとっているかどうかはわかないが、そこは「一庫流」、楽しんでもらうことが最優先。

 静けさ、湯の沸く音。子供たちも多く参加したが、その静粛な雰囲気を感じてか、履物も揃え、無作法に騒ぐ子は一人もいない。場が躾けるのである。花生けには、公園に今を盛りと咲く一挿しの「サザンカ(山茶花)」。壁には、これも園内で見られる「サネカズラ(実葛)」。その昔、つるから粘液をとって整髪料に使ったことからn別名、「ビナンカズラ(美男葛)」とも呼ばれている。そして、和菓子は地元猪名川町の老舗「うませ」の「冬もみじ」。

 台場クヌギを前の伐採から8年、10年かけて育成し、そしてまた伐採を繰り返して窯木を作り、炭焼きをする。そんなことが日常だった、かっての里山を保ち、菊炭・炭焼きを伝承していくという一連の我々のボランティア活動。もう炭を使う機会がほとんどなくなった今、ここに我々が綴ってきた「一庫(ひとくら)炭物語」が完結した。

2015年11月26日木曜日

ノコギリは少し難しかったかな



 台場クヌギと伐採した炭焼きの窯木を見ている子供達。里山自然体験学習のウォーク・ラリーで学んでいる小学校3年生たちである。春に、秋にと、年間何校もの小学生たちが体験学習に訪れるが、今年はこの子達が最後の組である。近隣の街I市から、なんと178名もの子供たち。今年最多。I市は阪神間にあって、大型のマンションの建設が急速に進んだベッドタウン。どこもかしこも少子化の昨今にあって、この学校だけはびっくりするほど子供が多い。

 今日のメニューは、ウォーク・ラリー、木のコースター作り、ノコギリ体験であったが、一番難しかったのが、のこぎり体験のようである。とにかくノコギリを使った経験のある子は皆無。まず挽く姿勢が悪いのは言うまでもないが、力も握力もない。直径4、5cmほどの枝を伐るのに5分以上もかかる。私の子供時代には、勝手に親父ののこぎりを持ち出し、自分の遊び道具を作っていたのだが ・・・。こんなところにも、体力低下、遊びへの適応力のなさが垣間見られる。178名の鋸体験。時間がなく多分全員はできなかったが、サポートしてあげただけで、爺さんたちはもうぐったり疲れてしまった。

 ウォーク・ラリー、今日の花の名前を探す問題は、「サザンカ(山茶花)」。椿に劣らない美しい大輪の山茶花が、今豪華に咲いている。

  

2015年11月25日水曜日

手入れをすれば森は確実によみがえる



 今年も植生調査を行った。平成24年、続いて25年から森の中に、10m×10mの調査区域、2区域を設定し、その中にどのくらい種があるのかを調べるという、毎年続けている植生調査である。我々は遊びの山を、主に「ヒサカキ(姫榊、非榊)」、「アセビ(馬酔木)」、「ソヨゴ(冬青)」など常緑広葉樹を伐採する、いわゆる「兵庫方式」で、森の手入れを行っている。森を明るくしたら、どのくらいの種が増えてくるのか、どれだけ森の多様性が回復したのか、その効果をデータで実証するための植生調査、追跡調査である。

 さて、その結果であるが、H24年調査区域については、伐採時(調査開始時)は23種出会ったものが、27種(H25)、32種(H26)、38種(H27)と着実に増加し、H25年調査区域に至っては、22種(H25年開始時)⇒35種(H26)⇒47種(H27)と飛躍的に増加している。手入れをすれば森は確実によみがえるのである。

 下段の写真は、萌芽した「コバノガマズミ(小葉莢迷)」 、「クロモジ(黒文字)」のベイビーである。順調に育ってほしいと願うが、最大の問題は鹿の食害である。クヌギの再生林のようにスポット的にはネットなどで対策は打てるが、山全体となるととても不可能である。いまのところ打つ手はないのが実情である。
  
   

2015年11月23日月曜日

今年もクヌギ伐採を始める


 来年1月から始まる炭焼きに向けて、炭材となる「クヌギ(椚、櫟)」の伐採を始めた。なぜこの時期にクヌギを伐採するのか? それは、葉が枯れ、もう水分を上げなくなったこの時期が一番伐採に適しているからである。今回伐採を計画している区域は、平成18年に伐採した区域である。その後萌芽した枝が育ち、7年経つと炭材として使えるくらいの太さに育つ。台場クヌギを伐る位置は、古来より台場の株から「一寸」と言われており、其の位置にチェーンソーを入れて伐採する。伐採した幹は、枝を払い、我々の窯の大きさに合わせた約80cmの長さに玉切り(輪切り)する。これが、「窯木(かまぎ)」とよばれる炭の材料となる。我々の窯で、太さにもよるが、だいたい窯木が1回の炭焼きで400本ぐらい入るのである。今年は2囘の炭焼きを予定しているので、800本近くの窯木を準備しなくてはならない。


 払った枝はさらに細かく切り、50cmほどの長さにして束ね、柴木にする。これは「バイタ」と呼ばれ、窯木の炭焼きの初期の段階で、窯内の温度を上げ、熱の廻りをよくするために窯木の上に詰め込むものである。1回の炭焼きで80~100束ほど必要とする。

この伐採、窯木作りが、炭焼きの工程の中で、もっともキツイ作業である。我々は定年をとうに過ぎた爺さん婆さんのボランティア・グループ、体力的にも相当落ちてきているため、急斜面での伐採作、窯木降ろしは安全第一が最優先、そして長時間の作業はきつくなってきているため、どうしても小刻みで日数を要するようになってきている。去年から炭を焼く窯数も3窯から2窯に減らしたが、それでも伐採に4日間、窯木作り、窯木降ろしに6日間ほどを考えている。森の中で窯木を作る作業はたちまち汗ビッショリであるが、この上なく爽快で達成感もあるからやめられない。
  

  

2015年11月8日日曜日

炭焼きへ始動開始!


 早いもので一年があっという間に経ち、もう今年の炭焼きの準備を始める時期になった。今年度の炭焼きは2回を予定。第1回は平成28年1月16日から、第2回は1月30日からと決まっている。まず最初にすべきことは、菊炭の材料である台場クヌギの再生林を調査し、2回分の炭焼きの材料を確保するための、伐採するエリアを決めることである。この日は、平成18年、平成19年に皆伐したエリアを調査。写真のように切り株の脇から萌芽し、手頃な太さに育っている。1回の炭焼きで窯木は350本程度必要なので、700本の窯木が採れるかどうか見極めるための大事な調査である。さて、得られたデータを基に早急にエリアを決めなくてはならない。

それよりもっと大事なことは、炭窯が今年もまた炭焼きに使えるかどうかを点検しなくてはならない。それは炭焼きを生業としているプロにお願いしている。この山に多くあり、常緑で他の樹木の成長をさまたげているので、いつもは伐採の真っ先の対象木となる雑木、「ヒサカキ(非榊)」の実も宝石のように色づいた。


  

2015年10月28日水曜日

こんな実をつける木を探して名前を書いてください




 「こんな実をつける木を探して名前を書いてください」 兵庫県がカリキュラムに組み込み、推進している「自然(里山)体験学習」、わが遊びの山でも「自然(里山)体験学習」のために多くの子供たちがやって来る。今日の私たちはそのサポート。近隣の小学校から、今日も100名ほどの子供たちがやってきた。カリキュラムは、ウォークラリーと木のコースター作り。この公園での里山に関連した問題を解きながら、精一杯遊んで、学ぶ。子供たちは、楽しかったと口々に言いながら帰っていった。じいさんたちはそれだけで満足。

 さて、答えは上から、「クヌギ(椚、櫟)」、「ユズリハ(楪、交譲木または譲葉)」、「サンシュユ(山茱萸)」。

   

2015年10月12日月曜日

季節はずれですが、桜の話題です




 わが遊びの山に、絶滅危惧種の「エドヒガンザクラ(江戸彼岸桜)」が自生する群落がある。この群落とこの山を貫いて走る「多田銀銅鉱脈」の露天掘り跡、点在する「間歩(まぶ)」群が、今年の9月、川西市の天然記念物に指定された。「エドヒガン」としては、この地域では4例目の指定である。

 それを記念して、北摂里山のエドヒガンの魅力や、今回の天然記念物指定の経緯、今後の保全活動や他の群生地との連携等について考えるため、「エドヒガンシンポジウム&観察会」が開かれた。私も公園の活動団体を代表して、パネル・ディスカッションのパネラーの一人として出席した。

 我がクラブは、山の手入れ、ナラ枯れ対策、クヌギ再生林の保全と炭焼きなどに多くの時間を割き、「エドヒガン」に関しては、実の採集、発芽、育苗程度のことしか取り組んでこなかったのが実情。全体を通じて、先輩事例の話を聞くと、「まっ、大変だなあ」という印象が先に立ったが、天然記念物としての意義、先輩の事例、課題など今後の保全等のあり方を考える上で大変参考になった。が、立派な活動の先進事例を聞いて、大きなプレッシャーを感じたことも事実。今回の指定を受け、また一つ「エドヒガン」の保全という山遊びのテーマが増えそうだ。

 シンポジウムの後、観察会があったが、天然記念物に指定された「エドヒガン」の群落、今はこんな観察会でもないと訪れる人もなく、木漏れ日の中で来年の春が来るのをひっそりと待っている。家に帰ってから、昨年6月山で採集した「エドヒガン」の種を直播きし、この春発芽した苗を30株ほど、育苗ポットに植え替えた。いずれは山へ戻すつもりである。大層なことは考えずに、まずこんなことから積み重ねていこうか。


  

2015年9月30日水曜日

山のいたずら書き、犯人は誰?


 森の自然観察路に設けられたウッド・デッキに表面を擦ったような妙な模様のいたずら書き。さて、これは? 目撃者がいないので確証はないのだが、衆目の一致するところ、犯人は「イノシシ(猪)」。この山にも生息していますが、ほとんど昼間は姿を見せない。生態もよくわかっていないらしいが、基本的に何でも食べる雑食性で、枯葉が堆積した地面や腐った切り株を掘り返して、ミミズ、昆虫、ネズミ、ヘビなどの餌を漁った痕があちこちにあり、また、いわゆる「ヌタ場」、泥のある水たまりで、泥に体をこすりつけて転げ回る、いわゆる「ぬたうち」を行った痕跡があることで、何頭かのイノシシが生息しているがわかる。そんなイノシシ、嗅覚は犬並みに優れているらしく、あちこちを鼻をこすりつけて嗅ぎ回る習性もあるとか。虫などはいないだろうに、何を嗅ぎまわったかはわからないが、その痕であろう。まっ、遊びの山からの「ラブレター」とでも思っておきましょうか。
  
  

2015年9月25日金曜日

小雨の中で「カシノナガキクイムシ」を数える



 びっしりとシートにくっついているのは「カシノナガキクイムシ」である。今日の山遊び、我が森の天敵、「ナラ枯れ」の原因となる「カシノナガキクイムシ(以下カシナガ)」対策の検証ということで、小雨の中、粘着シート(写真右 アース製薬「カシナガホイホイ」)を剥ぎ、カシナガの数を数える。

 今年5月末、「ナラ枯れ」対策として、被害木の「コナラ(小楢)」に巻いた粘着シートを、羽化が終わっているこの時期に剥ぎ、被害木の中で何匹くらいの「カシナガ」が孵化し、その飛散を止めることができたのか確認するための作業である。この日シートを剥いだら、体長約2~3mmの「カシナガ」が被害木あたり約1000匹くらい確認できた。この森は殺虫剤などを使うことはできないので、少し時間のかかる話であるが、これを繰り返していけば、被害の蔓延は防ぐことが出来るはず。そう思いつつ小雨の中、この小さな虫を数え、新たな被害木を探す。

 ところで話は変わるが、シルバー・ウィーク、天候に恵まれ、キャンプやBBQも盛んだったようで、少しもったいないが、クヌギの炭でのBBQは最高に美味かったと息子からの報告。そうでしょう、そうでしょう ・・・。
   
   

2015年9月21日月曜日

じっとこっちを窺うのは ・・・


 森の中からじっとこちらを窺うのは「タヌキ(狸)」。毎年行っている「森の幼稚園」のウォーク・ラリーのひとこま。今年は、二つの幼稚園の園児90名ほどが集まった。小学校3、4年生と行う「自然体験学習」の雰囲気とはまた違って、可愛らしいし、そして喧しい。我々のお手伝いは、この山に住むいろいろな動物探しと、どんぐりなど木の実の採集。とはいえ、実際の野生動物などにお目にかかることはなかなか難しいので、イラストの看板を森の中に置いて、それを探してもらうという趣向。それともう一つ大事な仕事は、約100人分のご飯と豚汁の用意である。幼稚園児とはいえ、その食欲たるや旺盛で、5kgづつ二つの釜で10kgも炊いたご飯、大鍋に用意した豚汁、全て完食であった。午後からは笹舟を作り、丘の流れで遊び、広い芝生の広場を駆け巡る。前日の土砂降りとうってかわった青空。子供たちの喜ぶ姿を見るのは楽しい。少子化の中での「財(たから)」。無事に育ってくれますように ・・・。

 広い芝生の中でひときわ目立つ美しい紫の実は、「サワフタギ(沢蓋木)」。こちらもこの時期、この山に実る美しい財(たから)のような木の実。


   

2015年9月19日土曜日

土砂降りの雨の中でエドヒガンを調査する


 我が遊びの山にある「エドヒガン(江戸彼岸)」桜の群落が川西市の天然記念物に指定された。それに伴い、「エドヒガン」群落の現状を把握し、基礎データとして整理し、今後の保全の在り方を検討するための資料を作成するために、「毎木調査」を専門家の指導で実施した。調査項目はGPSによる位置の確定、15mの測竿を使っての樹高測定、巻尺による地上1.2mでの胸高周囲測定などである。作業開始時は小雨であったが、ほどなく土砂降りに。測定と言っても、写真のような開けた緩斜面なら比較的容易であるが、この山の「エドヒガン」の多くは、急な谷筋にあり、樹木が生い茂って見通しの極めて悪い場所にある。しかも30mを超えるような樹高を持つものもあり、土砂降りの中で、足を取られないように気を付けながら、なんとか調査を終えることができた。

 結果は、16株、29本、Max樹高31m、Max胸高周囲176.5cm。最大のエドヒガンは樹齢80年ぐらいと推定される。

 本来ならゆっくりとコーヒーを飲んで過ごしている雨の午後のひととき。土砂降りの雨の中で皆、「しんどい、えらい」を連発しながら、急坂の山中、エドヒガンを調査する。これもまた達成感もあり、終えてみれば、楽しみの一つに数えられる。

2015年9月11日金曜日

急速に秋が深まりそうな感じがする



 しばらくの間続いた鬱陶しい長雨も台風18号の通過とともに一応終わったようだ。栃木の方では大変なことになっている。お見舞い申し上げます。さて、長雨のため、わが遊びの山はすっかり「きのこの山」と化している。いままでもこの山で見かけた鮮やかな色の茸や、変わった形の茸を紹介したが、今日見かけたのは、同心円状の縞模様が鮮やかで、その自然の造形の見事さが見てとれる、「カワラタケ(瓦茸)」。切り株などに多数群がって生えるが、肉質は非常に硬く、調理しても食べられないという。

 そして、木の実。この山で一番大きな葉を持つ「ホオノキ(朴の木)」。その葉と同じように、大きな実も目立つようになった。今年は急速に秋が深まっていきそうだ。
  
  

2015年9月4日金曜日

このクレーターは ・・・



 炭窯のドームにできた無数のクレーター。これは「ウスバカゲロウ(薄翅蜉蝣)」の幼虫、「アリジゴク(蟻地獄)」(幼虫の写真はNETより拝借)の巣である。炭窯ドームの上には屋根があるので雨風を避けることができ、また砂地のため、巣を作るには絶好の場所である。そして、厄介なことに、幼虫を狙ってか、イノシシがほじくり返した痕もあった。今まではこんなことはなかった。なにか異変でも起こっているのだろうか。いずれにせよ、ドームが崩れたら炭焼きはできなくなる。対策を考えねば ・・・。

 子供の頃、この巣を見かけたら、すり鉢の底を掘って、「アリジゴク」を捕まえ、瓶の中に入れ、アリなどの小虫をいれて捕虫の様子を観察し、夏休みの宿題のレポートとしたものである。子供の科学離れか、そんな小学生も少なくなったような気がする。もっとも、「アリジゴクは、羽化時まで糞だけでなく尿も排泄しない」という通説を覆す発見を、2010年に小学校4年生がしたことが大きな話題となったこともあった。やはり、興味や好奇心、疑問を持って自然向き合い、観察するということが大事なんだ。
  
  

2015年8月27日木曜日

特異な形が名前の由来



 夏も終わりに近づくと、山で目立つのは花よりも実。それも特徴のある形が目に付く。「形」というのは非常に大事で、その「種」の進化と密接な関係があるという。

 その実に握りこぶしに似たデコボコがあるのは、この山で春一番に咲く花で、「コブシ(辛夷)」。この果実の形状が、その名前の由来である。

 そして、やがてピンク色の立方体の実が割れて、オレンジ色の種子が出てくるのは、「マユミ(檀、真弓、檀弓)」。この様が綺麗なので、秋に果実と種子、紅葉を楽しむ庭木として親しまれている。こちらは形ではなく、材質が名前の由来。強い上によくしなる為、古来より弓の材料として知られ、名前の由来になった。
 
  

2015年8月14日金曜日

炎天の慈雨


 ちょうど家を出る頃に、天気予報通りに雨が降り出し、山についた頃にはもう本降りに。炎天の続く毎日、つかの間の雨。庭への水遣りの手間が省け、まさに「炎天の慈雨」である。山作業は早々と中止と決めたが、11時ころには小雨となり、晴れ間も見え、蝉も鳴き出した。せっかくだからと、立ち上る水蒸気で煙る森の中を山頂まで登る。雨上がりを察知した「ミンミンゼミ(ミンミン蝉)」、「アブラゼミ(油蟬、鳴蜩)」、少し早いが「ツクツクボウシ(つくつく法師、寒蝉)」の声が聞こえる。

 里では圧倒的な優勢を誇っている「クマゼミ(熊蝉)」であるが、この山では聞こえてこない。従来からの自然の生態系がまだ保たれているようだ。しかしそれも時間の問題であろう。湿度は高くても、やはり山は里よりはひんやりしている。盆の入りで参加人数も少なく、早めに山を下る。
  
   

2015年8月9日日曜日

今年は柿が豊作のようだ


 暑い ・・・。頂上へ登る間に、もう背中は汗でびっしょりである。とはいえ、もう習慣づいてしまった森の手入れ。一週間空くともう体がむずむずしてくる。なにかの都合で休んだり、雨で作業が中止になったりすると、その次はてきめんに頂上までの道が遠く感ずる。ほかの仲間も同じであろう。盆休みで家族が帰ってきている仲間や、入院している仲間などを除くと、ほとんどのメンバーがこの暑さの中でも集まってくる。有難いことである。とはいえ、この暑さとみなさんのお歳、早めに作業を切り上げる。  

 今年の猛暑、野菜や果物に影響が出始めているとも言われているが、この山に自生する「カキノキ(柿の木)」は、いっぱいの実をつけている。昨年はほとんど実をつけていなかったが、今年は豊作のようだ。里の「柿の木」も豊作と仲間が言っている。まあ、隔年ごとに、豊作、不作を繰り返すというが ・・・。野鳥、野生動物にとっては、恵みの秋冬になりそうだ。

 この暑さで、「クヌギ(櫟、椚、橡、栩)」は間違いなく、水をいっぱいに吸い上げている。 伐採するにしろ、炭焼きするにしろ、今度の炭焼きは少し手が掛かるかも知れない ・・・。
  
  

2015年7月27日月曜日

今年もビオトープで鰯缶舟を浮かべる


 今日は、子供たちと工作をして遊ぶイベントの日。例年7月は、鰯缶の空き缶でポンポン船をつくって遊ぶ。名づけて「ポニョの船」。夏休みに入り、公園は水遊びができる格好の場所があるので、親子連れの来園者で一杯である。

 船本体となる楕円形の鰯の缶詰の空き缶。これがエンジンとなるが、コイル状に巻いたアルミ・チューブ。そして火皿となるアルミのキャップ、固定用の針金、市販の固形燃料。材料は、基本的にはこれだけである。作り方はいたって簡単。船の後部となる缶に穴を開け、先端が水に沈むようにコイルを突き通し、針金で支える。そして、コイルの下に固形燃料を入れる火皿を作れば、基本的に完成。後は舵や旗などの思い思いの飾りをつけて船らしくする。

 早速できた船は、ビオトープに浮かべる。火皿に固形燃料を入れ、アルミ・チューブのコイル部分を熱すれば、しばらくたって鳴動を始め、ゆっくりと走りだす。波紋を描きながら、ゆっくりと進んでいく姿は、なんともレトロでアナログ。
 

 ビオトープの周辺には、今は産卵時期で、鮮やかな黄色で小型のとんぼ、「キイトトンボ(黄糸蜻蛉)」が集まっている。北海道・沖縄以外のほぼ日本全域の平地や丘陵地の挺水植物がよく繁茂した池沼や湿地に生息するという。鰯缶船の上には「シオカラトンボ(塩辛蜻蛉)」に混じって、多くの「キイトトンボ」が飛び交い、番(つが)い、水草に産卵する姿が観察できる。
  
   

2015年7月3日金曜日

今年のヤマモモの実は大きくて甘い



 さて、梅雨の晴れ間の定例の山遊び。今日は久しぶりに、「ヒサカキ(非榊)」の伐採を行った。炭焼きを終えてから、再生林の林床整備、桜の周辺の整備、カシノナガキクイムシ対策、外来種駆除などに追われ、間伐作業がほとんどできなかったため、仲間一同は、鋸を扱う感触が懐かしくなり始めていた。なんといっても山作業の醍醐味、達成感は伐採作業である。

 伐採に汗を流してからは、同じ公園で「食育」をテーマに活動している団体が、近々行う「ヤマモモ(山桃)のジュースやジャム作り」のイベントのための材料採集のお手伝い。公園に自生している真っ赤に熟れた実は格好の材料になっている。ブルーシートを敷き、枝を揺さぶるとバラバラと音を立てて落ちてくる。採集に来ていた子供たちも大はしゃぎで集めては頬張る。この公園の「ヤマモモ」の実は大粒で甘くて美味いのである。今年は一段と大きく甘いようだ。私もデザートにしようと持ち帰った。
  
   

2015年6月29日月曜日

梅雨空にロケットを飛ばす


 今日は公園の別の活動団体が、ペットボトル・ロケットをつくり飛ばすイベントのお手伝い。人気のイベントで予約がすぐにいっぱいになってしまう。とはいえ、このイベント、製作もそうであるが、発射して遊ぶための広場の安全確保や道具の運搬などにも人手が必要で、もともとの活動団体の人数が少ないため、いつもそれをを大幅に上回る我々グループのメンバーがお手伝い?をしている。この日も5組20人ほどの家族連れが参加。午前中いっぱいかかってロケットをつくり、午後は広い芝生広場で飛ばす。いつもの様に歓声があがる。

 広場の脇にある「ヤマモモ(山桃)」の木には、もうすぐ食べごろになる赤く熟れたはじめた実がいっぱい。鳥たちとの奪い合い?が始まりそうだ。