2014年3月28日金曜日

続・遊びの山にも春が溢れ出す ・・・


 だいぶ膨らんできた「クロモジ(黒文字)」の蕾 ・・・。顔を近づけると「クロモジ」独特の爽やかな薫りが感じられる。2週間連続して雨だったため、山の手入れができず、少し欲求不満気味。やっと晴れたので、待ちかねたように集まってきた仲間たちと山頂まで登る。

 山に入るとすぐに漂ってくるのが、「ヒサカキ(非榊)」の花の独特の匂い。私はそうは感じないが、「駐車場に匂うラーメンのような匂い」の正体として、かって「探偵ナイトスクープ」で取り上げられたこともある。満開とまではいかないが、もうびっしりとちいさな花をつけ、匂いを撒き散らしてている。繁殖力が強い、常緑広葉樹 で、我々が伐採する対象のメインの木である。(写真はNETより拝借)

 そして、前回気がかりだったのが、芽吹く前に黄色い小さな花を無数に付ける「ダンコウバイ(檀香梅)」と淡いピンク色で、小さなラッパ型の花をつける「ウグイスカグラ(鶯神楽)」。これらも、いつもの年の通り咲き始めた。

 「ヒサカキ」と「クロモジ」の匂いを嗅ぎ、「ダンコウバイ」の可憐な黄色と「ウグイスカグラ」の淡いピンクを見ると、「ああ、今年もおなじように春は巡ってきた」と実感し、ほっと安心するのである。
  
 そして、空に高く枝を張る「シデコブシ(幣辛夷、四手拳)」。「モクレン(木蓮)」と同じ「マグノリア」であるが、本州中部に限られた範囲に分布する日本の固有種。白い綺麗な花が咲くが、大きく蕾を膨らましてはいるが、 もう一息である。
  

  

2014年3月26日水曜日

遊びの山にも春が溢れ出す ・・・


 遊びの山にも春が来た。木々の花が一気に咲きだしたのだ。「梅」、「ミツマタ(三叉)」、「サンシュユ(山茱萸)」、「トサミズキ(土佐水木)」 ・・・。森からは鶯の初鳴きも聞こえてくる。さて、活動日はここ何週間か雨続きで中止。山頂付近の「ダンコウバイ(檀香梅)」、「ウグイスカグラ(鶯神楽)」の様子はどうなっているでしょうか? 今週お天気だったら、上がってみましょう。 

 あとは この山では一番最初に咲く桜、「エドヒガンザクラ(江戸彼岸桜)」の開花を待つばかり ・・・。

 良く晴れた暖かい一日。訪れた多くの子供達と、今年初めて、ペットボトル・ロケットを飛ばした。

2014年3月22日土曜日

積み重ねる ・・・


 遊びの山、炭焼き窯の前にクヌギの薪が積み上がった。来年の炭焼きに備えて十分に乾燥した薪を準備するためである。薪による火力が充分得られないと、炭の出来が悪くなるのである。伐採したが、太すぎて炭材としては適さない直径30cm以上もあるような太いクヌギの玉木を、斧やマサカリ(鉞)、クサビ(楔)を使って、八つに割るのである。これも太すぎて、手持ちの電動薪割り機では割れないので、人力に頼らざるを得ないのである。こうして大変な作業を経て、得られた薪がやっと積み上がったのである。この美しく積み上がった薪を眺めていると、木の存在感を強く感じる。

 そして、全て形が違う一つ一つの薪を、崩れないようにしっかりと、よく乾くように風とおしよく、そして美しく積み上げるのには、そこそこのコツもまた必要なのである。なにか人生を積み重ねることと共通点を感じると言ったら、センチメンタルに過ぎようか ・・・。
  
  

2014年3月9日日曜日

共生を考えるセミナーで鹿肉を喰う

(写真は有馬富士公園 NETより拝借)
 

 受けてきたのは里山講座。今回はオプションで「鹿と共生できる森を考える」というセミナー。三田市にある「県立有馬富士公園」内にある「共生センター」がその会場。我が家から車で40分程の距離である。この公園、有馬富士の周辺に広がる175ヘクタールもの広大な公園である。「有馬富士」、標高374m程のちいさな山であるが、その富士山にも似た秀麗さから、「有馬富士」と呼ばれている。


さて、その「有馬富士」を見晴らす絶好の山の中腹に、西国三十三ヶ所・番外「花山院菩提寺」がある。寛和元年(985)にわずか19歳で即位し、藤原氏との政争に破れ、たった2年で退位した後、剃髪して法皇となり、仏道の修行なかでこの地で終焉を迎えた「花山天皇」に由来している寺である。さて、この花山院であるが、晩秋から初冬の晴れた朝に麓一面に沸いた霧のなかに、小島のように浮かんだ「有馬富士」を見ることができる。かって早朝車を飛ばしてその景色に感激したことがある。

 そんな絶景を詠んだ「花山法皇」の御歌。

  「有馬富士 麓の霧は 海に似て 波かと聞けば 小野の松風」 (花山法皇)
  「山はみな離れ小島となりにけり  しばし海なす朝霧の上に」   (花山法皇)


 さて、セミナーであるが、意外にも女性が多い。中には子供連れも何組かいる。まずは、「森林動物研究センター」の講師の先生による「野生動物による被害の実態と取り組みについて」というお話。野生動物による農業被害の51%が鹿によるものでダントツ1位だそうだ。ついで猪。その歴史的経緯や被害の実態をわかりやすく解説してくれた。ここまで被害が拡大するようになったため、人間側の論理であるが、もう共生は限界と考え、国や県は保護から積極的捕獲へと政策を変更したという。今までは増加の一途だったが、シミュレーションの結果、年間3万頭を超える鹿の捕獲が実施できれば、総数は減少に転ずることができるという。そして、鹿肉の臭いという誤解を解き、猪肉と同じように市場への流通を図っていきたいということであった。

 私も何回か鹿肉を食べたことがあるが、確かに柔らかく、低カロリー。ヨーロッパ、特にフランスでは、「ジビエ」の一つとして、高級食材になっているという。セミナーの後半は、地元のフレンチ・レストランのシェフが用意してくれた「鹿肉カレー」と「焼肉」、「スペアリブ」を焼きながら、舌鼓を打つ。たしかにイケる食材である。女性の参加者の多さ、どうもこっちがメインのイベントであったようだ。鹿との共生を考えるセミナーで鹿肉を喰うというちょっとした矛盾 ・・・・。
  
  




 
 
 
 
 





2014年3月7日金曜日

遊びの山は冬に逆戻り


 先日までの暖かさが一転して、冬に逆戻りである。遊びの山も、雪化粧。「モチツツジ(黐躑躅)」の上に積もった雪が、まるで綿帽子が咲いたようで美しい。この山で、「アセビ(馬酔木)」についで咲き出す「ダンコウバイ(檀香梅)」も、先日見たときは、蕾がほころび始めていたが、この寒さで、再び固く閉じてしまったようである。


 時折降りしきる雪の中、今季の炭焼きのために伐採した「クヌギ(椚、櫟)」林の林床整備を行った。これが一連の「炭焼き」の最後の作業である。伐採後、斜面を厚く覆っている枯葉や枝などを片付けて、陽が地面まで届くようにする。伐採した切り株からは新しい芽が出て、いわゆる「台場クヌギ」として再生し、8~10年後に、炭材として手頃な太さに育つ。それまで、地道な手入れがスタートするのである。しかしながら、その頃の私は78歳。まだ炭焼きをすることができているだろうか?