2014年3月9日日曜日

共生を考えるセミナーで鹿肉を喰う

(写真は有馬富士公園 NETより拝借)
 

 受けてきたのは里山講座。今回はオプションで「鹿と共生できる森を考える」というセミナー。三田市にある「県立有馬富士公園」内にある「共生センター」がその会場。我が家から車で40分程の距離である。この公園、有馬富士の周辺に広がる175ヘクタールもの広大な公園である。「有馬富士」、標高374m程のちいさな山であるが、その富士山にも似た秀麗さから、「有馬富士」と呼ばれている。


さて、その「有馬富士」を見晴らす絶好の山の中腹に、西国三十三ヶ所・番外「花山院菩提寺」がある。寛和元年(985)にわずか19歳で即位し、藤原氏との政争に破れ、たった2年で退位した後、剃髪して法皇となり、仏道の修行なかでこの地で終焉を迎えた「花山天皇」に由来している寺である。さて、この花山院であるが、晩秋から初冬の晴れた朝に麓一面に沸いた霧のなかに、小島のように浮かんだ「有馬富士」を見ることができる。かって早朝車を飛ばしてその景色に感激したことがある。

 そんな絶景を詠んだ「花山法皇」の御歌。

  「有馬富士 麓の霧は 海に似て 波かと聞けば 小野の松風」 (花山法皇)
  「山はみな離れ小島となりにけり  しばし海なす朝霧の上に」   (花山法皇)


 さて、セミナーであるが、意外にも女性が多い。中には子供連れも何組かいる。まずは、「森林動物研究センター」の講師の先生による「野生動物による被害の実態と取り組みについて」というお話。野生動物による農業被害の51%が鹿によるものでダントツ1位だそうだ。ついで猪。その歴史的経緯や被害の実態をわかりやすく解説してくれた。ここまで被害が拡大するようになったため、人間側の論理であるが、もう共生は限界と考え、国や県は保護から積極的捕獲へと政策を変更したという。今までは増加の一途だったが、シミュレーションの結果、年間3万頭を超える鹿の捕獲が実施できれば、総数は減少に転ずることができるという。そして、鹿肉の臭いという誤解を解き、猪肉と同じように市場への流通を図っていきたいということであった。

 私も何回か鹿肉を食べたことがあるが、確かに柔らかく、低カロリー。ヨーロッパ、特にフランスでは、「ジビエ」の一つとして、高級食材になっているという。セミナーの後半は、地元のフレンチ・レストランのシェフが用意してくれた「鹿肉カレー」と「焼肉」、「スペアリブ」を焼きながら、舌鼓を打つ。たしかにイケる食材である。女性の参加者の多さ、どうもこっちがメインのイベントであったようだ。鹿との共生を考えるセミナーで鹿肉を喰うというちょっとした矛盾 ・・・・。
  
  




 
 
 
 
 





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