2012年4月17日火曜日

訪れる人々は ・・・

遊びの山の尾根筋に咲き出したコバノミツバツツジ(小葉の三葉躑躅)
いつも山遊びをしている公園。この公園を訪れる人たちはいろいろである。旦那さんの脳梗塞のリハビリのため、一年を通じて毎朝ウォーキングをしているお年寄りのご夫婦。いつも奥さんがしっかりと寄り添っている。
犬の散歩のためよく見かける何人かのご常連。バードウォッチングと鳥の写真を撮影するためか大きな口径のレンズのカメラを持ったこれもご常連。すっかり葉が落ち、自生している柿の実が熟れるころは、「いい写真が撮れた」といつも嬉しそう。
春、暖かく桜が満開になると近くの幼稚園児がお弁当を持ってやってくる。そして、老人施設から多くの車いすのお年寄りたちも ・・・。

 今日は、公園にやってきた障害者の支援ボランティア・グループのサポート。障害者とそのご家族、支援者、あわせて50人くらいであろうか。普通はできないが、公園の許可をもらって、グランド・ゴルフ、お花見、バーベキュー、バードコール作りなどを楽しんでもらった。上天気の日曜日。櫻は満開で、駐車場待ちの車列ができるくらいのいっぱいの来園者たち。色々な人々がやってくるこの公園が好きである。

2012年4月13日金曜日

天空のフーガ  ~櫻づくしの日が始まる~


 さあ、櫻の季節。去年までは、名物櫻を追いかけて、関西一円を走り回ったが、今年はあまり遠出はせずに、ご近所の櫻を楽しむことにした。冒頭の写真は、いつもの山遊びのフィールドで、まず最初に咲きだした「エドヒガン(江戸彼岸)」。小ぶりの花で、まるで霞がかかったように空を覆う。猪名川水系に属すこの公園の山には多くの「エドヒガン」が自生している。少し早めに山仕事を切り上げて、櫻づくしの鑑賞会と決め込む。同じ種類でも咲いている櫻、まだ咲いていない櫻。「エドヒガン」を追いかけて、これから次々と咲く櫻。「エドヒガン」を皮切りに、櫻の「フーガ(fuga、遁走曲)」が始まるのだ。



 この山で、2番目に咲くのは、ご存知、「ソメイヨシノ(染井吉野)。「オオシマザクラ(大島櫻)」と「エドヒガン」が合わさってできた櫻で、江戸・染井村(現在の東京都豊島区)の植木屋が品種改良したが、これが人気を呼び、広まったという。全国にある桜の70%はソメイヨシノであるといわれている。まず山への登り口にある「ソメイヨシノ」。公園の「ソメイヨシノ」の中では、これが真っ先に咲くが、低木で小ぶりあるにもかかわらず、満開になったときの美しさは素晴らしい。ただ一本だけで凛と咲くこの櫻が好きである。


 さて、その次に咲くのは、写真左の「ヤマザクラ(山櫻)」、右の「オオシマザクラ(大島櫻)」。まだ咲き始めであるが、いずれも葉と花がほぼ同時に開く。この若々しい緑が何とも鮮やかである。「ソメイヨシノ」の片親といわれる「オオシマザクラ」は、「ヤマザクラ」よりやや大きめの白い花をつける。そして櫻餅を包む櫻の葉の材料は、この「オオシマザクラ」の葉を塩漬けにしたものである。


 北摂地方の「エドヒガン」は、水はけのよい谷間を好んで自生するといわれる。そして「エドヒガン」の巨木の隣には、「ウワミズザクラ(上溝桜)」、「イヌザクラ(犬桜)」が隣り合って自生している。二つの花はよく似ていて、同じようなブラシのように見える形を持ち、サクラ類であるが、一見櫻のように見えないのでこの名がある。他の櫻が散った4月中旬から下旬に咲き始める。したがって、今はまだ蕾の状態であるが、その形はすでにブラシ状をしている。この三種類の櫻が同居している谷筋、写真は奥から「エドヒガン」、「イヌザクラ」、「ウワミズザクラ」である。そしてその蕾。Wikipediaから拝借した「ウワミズザクラ」の花の写真もあげておきましょう。

 華麗に始まった「天空のフーガ」。しばらくはわくわくして楽しめる櫻の季節。最後にもう一度、「天空のソナタ」と呼んでもいい「エドヒガン」を ・・・。

  

2012年4月7日土曜日

目に青葉


 「目に青葉、山ほととぎす、初がつお」とはよくぞ言ったものである。櫻の季節が終わって、山一面に若葉の色に覆われる。駐車場に植えられている櫻にちょっと似た中国原産の落葉小高木、「ハナカイドウ(花海棠)」の淡紅色とバックの山の明るい緑の組み合わせが鮮やかである。そして、夕食は「鰹のたたき」でビールというのが定番の季節になった。

 そして、山遊びに向かう尾根筋には、「コバノミツバツツジ(小葉の三つ葉躑躅)」に続いて、「モチツツジ(黐躑躅)」の蕾が大きく膨らみだしている。淡い紅紫色の花びらに美しい濃紅色の斑点をもつ花が開くまで、もうすぐのようだ。触ってみると、もう蕾がねばねばしている。その粘りが鳥もちなどに似ているところから、この名前の由来となっているようだ。食虫花ではないのだが、時々、昆虫がとらえられているのを見ることがある。
   
    
    

2012年4月6日金曜日

ひとくら森のクラブ、新たなる出発の日


 馬酔木、壇香梅、山茱萸、三叉に続いて遊びの山で春を告げる花は、ちいさな淡紅色の漏斗(ろうと)状の花を下垂する鶯神楽(ウグイスカグラ)。そして、ヒサカキ(非榊、姫榊など)、黒文字(クロモジ)。向かいの山には、他の木々に先駆けて辛夷(コブシ)が白い花を梢いっぱいに咲かせているが、我があそび場のコブシはいまだ蕾である。こんな春の訪れの変化を感じられるだけでも楽しくなる。

 話は変わるが浮世では、人が三人以上集まると必ず揉め事が生ずるのが常と言われる。楽しいことが一番のはずのシニア・ボランティアの世界も例外ではなかった。どこの社会にもいる「リーダー・シップ」と「専横」とを勘違いしているリーダーの存在。そんなことに嫌気がさし、仲間九人で、フラットな関係でフレンドリーで、「楽しむこと」を一番の目的とする新しいボランティア・グループを立ち上げた。活動のフィールドはいままでとまったく同じ山であるが、そのスタートである最初の山遊び、山仕事の日を迎えた。先日の嵐で尾根道に散らばった小枝や風倒木を片づけながら山頂へと登る。みんな吹っ切れたようで、九人全員が素晴らしい笑顔で記念写真に収まった。「ひとくら森のクラブ」。新たなる出発の日。