2019年2月28日木曜日

決意も新たに

 


 あいにくの雨であったが、今日は炭焼きの打ち上げと反省会。先日終えたばかりの炭焼きの反省会。最初に「かかり木処理作業の安全」について、合意、確認をsしたあと、反省会に移る。

今回得られた結果やデータをもとに、今年度の炭焼きの評価、問題点の抽出、今後の課題、マニュアル・手順の追加修正などを話し合う。自然相手なので、なにが起こったのかという炭焼きの現象については、推論が中心だけに、いつも議論が湧き上がる。今年も予備乾燥の仕方の改良、空気調節口の設定を中心に議論。どうにか議論をまとめて、マニュアルを改訂することに合意を得た。

 あとは豪華弁当で和気あいあい。年々の高齢化に心配もしつつ、来年の炭焼きに向けて決意を新たにした。

2019年2月21日木曜日

桜に間に合う開通を目指して(2) ~ まだまだ難関が ~




 緊張した表情で、チルホールを操作する。木にワイヤで相当なテンションを掛けるため、万が一、弾けでもしたら、事故につながりかねない。慎重にも慎重を重ねて作業する。一番大変だと思われる手前の倒木はどうにか処理したが、その奥にまだ4本ほど倒れているのが見える。手すりも壊れているようだ。今日でここは終えると思ったが、なんのなんの。開通までには、まだまだ難関が ・・・。



 【 会員募集中 】
 
ひとくら森のクラブでは会員を募集しています。
森林ボランティアや炭焼きをしたい方ならどなたでも結構です。
体験活動も受付けていますので、公園管理事務所(072-794-4970)まで
お問い合わせください。

2019年2月16日土曜日

桜に間に合う開通を目指して ~ いまだに残る台風21号の爪痕 ~


 「兵庫県立一庫公園」、標高349mの「知明山」の山腹に広がる「自然観察の森」が、我々、「ひとくら森のクラブ」の活動フィールドである。この「自然観察の森」が昨年9月4日に上陸した台風21号でいくつもの大木が根こそぎ倒れ、多くの被害を受け、山頂までの登山コースに倒木が覆いかぶさり、通行禁止にせざるを得なかった。これも自然の営みであるので、普通はそのままにしておくのだが、観察路の安全に関わる倒木は放置できない。「知明山」に登るコースは3つあり、その2つ、「尾根コース」と「500段階段コース」は昨年中に復旧させたが、残る「沢の休憩所~岩場の休憩所コース」は、炭焼きの準備に取り掛かったこともあり、手付かずになっていた。2月になり、炭焼きも終わり、やっと復旧に取り掛かることができた。

 裂けたり、根こそぎ倒れたりで、観察路を幾重にも覆う大木。チェーンソーやロープ、チルホールなどを使い、安全にかつ手すりなどを壊さないように、慎重に取り除いていく。どうにか、階段も姿を現し、次回、倒木の本体を処理すれば、この箇所は開通できる目処が立った。ここは、市の天然記念物になっている「エドヒガン(江戸彼岸)」桜の群生を間近に見られるコース。大変な作業ではあるが、大きな達成感が得られるので、作業もそれほど苦にはならない。この先、どれだけ障害があるかわからないが、山頂までの復旧、開通を桜が咲く頃までにはと頑張る。



 【 会員募集中 】
 
ひとくら森のクラブでは会員を募集しています。
森林ボランティアや炭焼きをしたい方ならどなたでも結構です。
体験活動も受付けていますので、公園管理事務所(072-794-4970)まで
お問い合わせください。

2019年2月15日金曜日

炭、炭、炭



 第2回目の炭の出来は、ほとんどの窯木が、欠けたり崩れたりせずに出てきて、良炭率90%超という素晴らしい出来栄えであった。そのうちの何本かを切断してみると、なぜ「菊炭」と呼ばれるのかがよくわかる美しい断面が現れる。

 先日、「炭」という漢字の語源を教えていただいた。漢字だからもちろん中国由来であるが、その象形は、「山の崖から掘り出した石炭」という意味だという。またひとつ「炭」に関する知識が増えた。

 炭の材料である「クヌギ(椚、櫟、国木)」育成から始まって、窯木のつくり方、炭の焼き方、炭の利用の仕方 ・・・、すべてが先人の知恵の結晶である。我々のクラブは、いまその先人の知恵を楽しませてもらっているだけである。やはり、この知恵の結晶を将来に伝えていきたいし、いかねばならないと感じる。
   


   
 【 会員募集中 】
 
森のクラブでは会員を募集しています。
森林ボランティアをしたい方ならどなたでも結構です。
体験活動も受付けていますので、公園管理事務所(072-794-4970)まで
お問い合わせください。
 

 

2019年2月10日日曜日

炭物語最終章は



 年明けから始まった炭焼きがやっと終わった。炭焼き塾の参加者に茶を嗜む方がいて、「窯出し(炭出し)」のあと、感謝の印にと、我々が焼いた菊炭と七輪で、茶釜に入れた湯を沸かし、抹茶を振舞っていただいた。炭窯の脇が野点の場に変わる。窯から取り出したばかりの「バイタ」の炭で炭点前も設え、小さな軸も炭小屋の扉に掛け、華やかさや優雅さは全くないが、心がこもる野点の一服だった。まさに、炭焼きの最終章、10年かけて「クヌギ(櫟、椚、国木)」を育て、2ヶ月かけて、伐採して「窯木」にし、2週間焼いて「菊炭」にする。そして、その炭で湯を沸かし、お茶を頂く。そんな手間暇かけた贅沢な、炭物語、ここに完結である。そして、また新しい炭物語を始めようとしている。
 

 そうそう、肝心の炭の出来は、ほとんどの窯木が、欠けたり崩れたりせずに出てきて、良炭率90%超という、素晴らしい出来栄えであった。やっとノウハウを掴めた気もする。そんなこともあって、いや、いただいたお抹茶の美味しかったこと。

    

2019年2月7日木曜日

この山で一番早く咲くのは ・・・


 びっくりするようなポカポカ陽気。この山で一番早く咲くのは、「アセビ(馬酔木)」である。日当たりのいい場所では、もう満開に近い。有毒成分が含まれているので、この木の葉や花は鹿も食べない。奈良公園は「馬酔木」の名所であるが、鹿が食べなかったからだという説を聞いたことがある。



 この日は、9日の「窯出し」だけを残してほぼ終えた今年の炭焼き。窯木を伐採した後の散乱した枝などの片付けを行う。この「林床整備」も、陽の光を大地まで当て、葉を早く土に返すための大事な作業。そして、来年の炭焼きに使う薪と今年割った薪の積み替えを行う。2年以上かけ、十分に薪を乾燥させることも炭焼きには大切なこと。作業が終わる頃には、けっこうな汗。
   

   

2019年2月5日火曜日

木の表情、いろいろ



 「クヌギ(椚、櫟、国木)」や「コナラ(小楢)」の高木を切ったら、出てきた模様。虫食い痕もそれはそれでひとつの景色だ。整然と井桁に積み上げられた薪。薪の木口には、割った年度の数字を記入し、我々の炭焼きでは、少なくとも2年以上乾燥させた火力の強い薪しか「窯焚き」に使わないことにしている。この薪が燃やされるのは、早くても2021年ということ。



 枯れ木にいくつも空けられた大きな孔。この山にも多く生息する「アオゲラ(緑啄木鳥)」、「アカゲラ (赤啄木鳥)」、「コゲラ(小啄木鳥)」など「キツツキ(啄木鳥)」の仲間の仕業。「キツツキ」は、もともと「ケラツツキ」と呼ばれていたといい、「ケラ=虫」、「ツツキ=啄く(つつく)」ということに由来するという。それにしても見事な穴。
 「シラカシ(白樫、白橿)」の幹に出来ている瘤。木の成長とか樹勢には特に影響はないが、「シラカシ」の特有の病気で「シラカシ樹幹こぶ病」とのこと。原因は不明のようだ。

 こんな木の表情を見ているだけでも楽しい。

  

2019年2月2日土曜日

こども里山探検隊来る


 北摂里山博物館運営協議会主催の「こども北摂里山探検隊」がやってきた。総勢9家族約40名。
一庫公園の森の探検と炭焼き体験をしようというイベント。里山ツアー、飾り炭材料採集、竈体験、燧石による着火見学、炭焼き体験、のこぎり体験、薪割り体験、コースターづくり・・・と盛りだくさんのメニュー。お昼は、具だくさんの豚汁、かまど炊きご飯のふるまい。みんな満足してくれただろうか。
 
 炭焼き、子供探検隊のレポートが、北摂里山博物館のHP、ブログに掲載されています。

 
■炭焼体験 in 一庫公園
http://hitosatokurashi.blog.fc2.com/blog-entry-69.html

■こども北摂里山探検隊 一庫公園 前半
http://hitosato.blogspot.com/2019/02/22.html


2019年2月1日金曜日

邪魔してゴメン





薪を割っていると、木の中から冬眠中の幼虫が出てくることがよくある。一番多いのが、一番上の写真の「ミヤマカミキリ(深山髪切)」の幼虫。

 聞くところによると、食するとクリーミーで大変美味だという。信州生まれの私は、子供の頃、貴重なタンパク源として、佃煮にした「イナゴ(蝗、稲子)」、「カイコ(蚕)」の蛹(さなぎ)、「ザサムシ」、「ハチノコ(蜂の子)」などはよく食したものであるが、「ミヤマカミキリ」の幼虫は、まだ食したことがない。「いまから? ・・・」、ちょっと勇気がいりますね。2番目の写真は、「キマワリ(木廻)」の仲間の幼虫でしょうか? よくわかりません。


 朽木の樹皮の下からよく出てくるのが、美しい黒色の光沢のある殻を持つ大きな「ゴキブリ」、一部の地域では、絶滅危惧種ともなっている「オオゴキブリ」。家の中にいる「ゴキブリ」と違って、山にある朽木の中で生活をし、朽木の木質部を食べているので、不潔な昆虫では全くなく、その姿は、むしろキレイとさえ言える。

 虫の皆さん、冬眠の邪魔をしてゴメン ・・・。