2017年10月28日土曜日

秋深まる森で



 
 大きなお腹をかかえた雌カマキリが、よたよたと這っている。先週はピンク色だった「コブシ(辛夷)」の実が弾け、鮮やかなオレンジ色の種が散らばっている。絶滅の危機に瀕しながらも、「秋の七草」としてその名が知られている「フジバカマ(藤袴)」とは対照的に、鹿の食害にあって数を減らしてはいるが、花だけ見れば、「フジバカマ」とそっくりな「ヒヨドリバナ(鵯花)」がひっそりと咲いている。遊びの山のいろいろの秋。
 
  


2017年10月27日金曜日

今日は森が幼稚園




 
 久々の快晴。今日は市教育委員会と公園が主催する「森の幼稚園」。公園の森を使って、学んだり遊んだりする一日。やってきたのは地元の幼稚園年長組の約50人の園児たち。この山の森に住んでいる動物、といってもボードであるが、を探したり、活動の痕跡を見つけたり、いろいろな形の葉っぱやどんぐりを集めるラリーから。やはり子供はどんぐり好き。クヌギ、アベマキ、コナラ、シラカシなどのどんぐりを袋いっぱいに集める。昼食は我々ボランティアが炊いたご飯と野菜いっぱいの豚汁。何杯もおかわりをする子もいる。午後は工作の時間。どんぐりコマとやじろべえを作って遊ぶ。暖かい日差しの下、笑い声と歓声が響く公園の一日。
  
 

2017年10月21日土曜日

母は強し そして母は楽し

 
 公園の芝生地に毎日のように現れるひと組の母娘鹿。鹿は母系社会で、公園にはほかにも多くのファミリーが住み着いているが、人を恐れて日中は現れず、現れるのは、まったく人を恐れる気配のないいつも同じ母娘鹿である。まず、母鹿が偵察して小鹿を呼び寄せ、芝生地からクヌギやクリのある斜面で一通り食べ漁ってから森の中へ消えていく。母は強し。この日も爺と孫がその様子をじっと見ていた。
 
 
 こちらは月に一回、間伐材を使って、子供のために開催している木工教室。最近は、子供そっちのけで夢中になるお母さんも多く、ノコギリから電動ドリルまで器用に操って、お母さんが大活躍。母、童心に帰って楽しむ。
 
 

2017年10月20日金曜日

何の実でしょうか? 探して答えを書きなさい



 
 「何の実でしょうか?探して答えを書きなさい」。連日、公園でサポートをしている地元の小学校4年生を対象にした「里山体験教室」。上の二つは、そのウォークラリーの問題の一部。この山の秋の代表的な実、赤ちゃんの握りこぶしのような形をしているからその名がついたという、「コブシ(辛夷)」、そして「クヌギ(櫟、椚)」である。そんな特徴的な花や実の名前を覚えたり、昔の人が残し、我々が保全をしている「炭焼き」、そのための「台場クヌギ」林などの里山を見て学ぶラリーとなっている。

 
 そのウォークラリーで採取してきたクヌギのどんぐりで「どんぐり笛」を作って遊ぶのもプログラムの一つ。おもちゃなどがなかった我々の子供の頃は、遊びの道具はすべて自分たちで作ったものだ。コツをつかむまでは、なかなか上手に鳴らせない。その真剣な表情。

2017年10月18日水曜日

耳を澄ませば秋の音が



 
 今日は地元の小学4年生100人が、里山体験学習で公園にやってくる日。この公園はダムが出来る前は、里山として利用されていたので、それを活用して、春と秋に里山体験学習を行っている。この日は、朝から小雨が降っていたが、スタートの頃にはほぼ止んだので、予定のウォークラリーを実施することに。受け持ちの場所で小学生がやって来るのを待つ。静かである。鳥のさえずりしか聞こえない。しかし耳を澄ますと、時折、「コ~~ン」という音が聴こえる。どんぐりが落ちて、ウッドデッキにあたる音である。しばしそんな秋の音の余韻に浸っていたが、やがて元気いっぱいの子供たちの声。
 
 

2017年10月14日土曜日

枯れ木に花はもう咲かない


 
 枯死した「コナラ(小楢)」の木である。いわゆる「ナラ枯れ」である。原因は、
「カシノナガキクイムシ」。「ナラ枯れ」とは、「ナラ菌」というカビの仲間の病原菌と、その病原菌を媒介する「カシノナガキクイムシ」という体長5㎜ほどの昆虫によって、ナラ類、シイ、カシ類の樹木を枯らす「樹木の伝染病」である。根元には、孔を穿つときに出る粉、「フロス」が堆積している。この付近の山でも茶色に変色し、枯死した木が目立つようになってきた。

 「カシノナガキクイムシ」は、病原菌を体内に入れて運び、夏から秋に樹木に無数の穴をあけ、卵を産み付け、翌年の6月にその幼虫が羽化し、また新しい樹木に卵を産み付け ・・・といったことを繰り返すのである。ナラ菌は孔道を伝わって蔓延するため、水分が上がらなくなり、真夏から晩夏にかけ急速に葉が萎れ、茶色や赤茶色に枯れてしまう。1本の木から数万頭が羽化するといわれ、一度罹ると、その森には爆発的に被害が拡がるという。「ミズナラ」、「ブナ」、「コナラ」、「クヌギ」などのナラ類、「シイ」、「アラカシ」、「シラカシ」などのカシ類は、身近な森林を形成している馴染のある樹木であるから、「ナラ枯れ」は身近な自然に係わる深刻な問題でもある。

 本日の山作業、「ナラ枯れ」をひこ起こす原因である「カシノナガキクイムシ」の対策として、この春に被害木にまいた粘着シートを剥がす作業を行った。この対策を4年前、この山で被害木を見つけて以来毎年時実施した結果、2年前をピークに被害木は減ってきている。しかし、安心してまだ手を抜くわけには行かない。枯れてしまったら、もう花は咲かないのだ。
 
 

2017年10月10日火曜日

山の秋が深まりゆく




 
 山の秋も深まってきた。自生している「シバグリ(柴栗)」、「カキ(柿)」。「アキサンゴ(秋珊瑚)」とも呼ばれる「サンシュユ(山茱萸)」の実も色づいてきた。そして、「ドングリ(団栗)」も大豊作。ところがである。これらは鹿の大好物。やはり日中でも出てきます。これから、繁殖期に入るとあってか、我が物顔に闊歩し、食べ漁っている。