2016年2月27日土曜日

まだまだ奥が深い


 「エドヒガン」の群生地周辺の伐採、整備の作業を早めに切り上げて、今日は今年の炭焼きの打ち上げ兼反省会。豪華(?)食事付きである。和気藹々と今年の炭焼きを振り返る。早いもので、前に所属していたクラブから炭焼きを引き継いで丸4年、最初からすると、私にとっては6年間、16回の炭焼きを経験した事になる。

 クラブの炭焼きの方針は、「元気で楽しく」というクラブの活動基本方針に加え、1)より美しい菊炭を目指す、2)科学的なアプローチで、3)全員参加でノウハウ共有、というシンプルなものである。以前所属していたクラブでは、大先輩が「勘ピュータ」と称してノウハウを全て握っていて、彼の差配のもと我々が作業するといった形であった。そんなやり方に疑問を感じ、引き継いだあとは、温度や重量変化を始め、いろいろなデータも採り、オープンな議論を重ねる方針で始めた炭焼き、クラブ員全員が炭焼きの原理が理解でき、誰もが炭焼きの技術を会得できたと思う。その結果、4年目にしてやっと満足のゆく炭が焼けた。

 しかしまだ、謎や疑問もあり、科学的アプローチや得られたデータだけではわからないことも多く、まだまだ奥が深いと言わざるを得ない。そして鹿の食害からクヌギを守り増やすこと、クラブ員の高齢化といった炭焼き以外の課題にも取り組んでいかなくてはならない。さて、来年はどんな炭が焼けるのだろうか。
  

  

2016年2月5日金曜日

再生を願って

 



 2回目の炭焼きもほぼ一段落。後は窯を開けるのを待つだけ。10年後にも炭材に適した大きなに、「台場クヌギ」が育つようにと今年伐採したクヌギの切り口、一本一本に防腐剤を塗る。この後作業も大切な作業である。10年後に炭焼きを継承してくれている仲間に、ちゃんと炭材を残していかなければならない。鹿の食害がますますひどくなる中で、このことが大変重要な課題となってきている。大げさに言えば、「持続可能」、「再生」。これも我々が考えなくてはならない大きなテーマ。
 
 
 

2016年2月4日木曜日

窯と対話しながら、冬の一日を山で過ごす



 くどさしのタイミングを計るため、窯の状態を推測するため、温度計測を繰り返す冬の一日。暇まではあるが、コーヒーを飲みながら、仲間と炭焼き談義や世間話に花を咲かす。平年より暖かいことに加え、陽があたっているので、外はこの上なく気持ちがいい。山頂までゆっくりと上がる。葉の落ちたクヌギの枝にはまだ春の兆しは見えない。明日は立春。今宵は、恵方巻きと鰯でしょうか。2年先の炭焼きに使う薪の準備をする。割った薪を乾燥させるために組んだ「薪組み」が美しい。このように美しく崩れないように組むためには、ちょっとしたノウハウが必要なのだが、そんな技も身に付いた。何物にも代え難い冬の一日が過ぎてゆく。