2015年9月30日水曜日

山のいたずら書き、犯人は誰?


 森の自然観察路に設けられたウッド・デッキに表面を擦ったような妙な模様のいたずら書き。さて、これは? 目撃者がいないので確証はないのだが、衆目の一致するところ、犯人は「イノシシ(猪)」。この山にも生息していますが、ほとんど昼間は姿を見せない。生態もよくわかっていないらしいが、基本的に何でも食べる雑食性で、枯葉が堆積した地面や腐った切り株を掘り返して、ミミズ、昆虫、ネズミ、ヘビなどの餌を漁った痕があちこちにあり、また、いわゆる「ヌタ場」、泥のある水たまりで、泥に体をこすりつけて転げ回る、いわゆる「ぬたうち」を行った痕跡があることで、何頭かのイノシシが生息しているがわかる。そんなイノシシ、嗅覚は犬並みに優れているらしく、あちこちを鼻をこすりつけて嗅ぎ回る習性もあるとか。虫などはいないだろうに、何を嗅ぎまわったかはわからないが、その痕であろう。まっ、遊びの山からの「ラブレター」とでも思っておきましょうか。
  
  

2015年9月25日金曜日

小雨の中で「カシノナガキクイムシ」を数える



 びっしりとシートにくっついているのは「カシノナガキクイムシ」である。今日の山遊び、我が森の天敵、「ナラ枯れ」の原因となる「カシノナガキクイムシ(以下カシナガ)」対策の検証ということで、小雨の中、粘着シート(写真右 アース製薬「カシナガホイホイ」)を剥ぎ、カシナガの数を数える。

 今年5月末、「ナラ枯れ」対策として、被害木の「コナラ(小楢)」に巻いた粘着シートを、羽化が終わっているこの時期に剥ぎ、被害木の中で何匹くらいの「カシナガ」が孵化し、その飛散を止めることができたのか確認するための作業である。この日シートを剥いだら、体長約2~3mmの「カシナガ」が被害木あたり約1000匹くらい確認できた。この森は殺虫剤などを使うことはできないので、少し時間のかかる話であるが、これを繰り返していけば、被害の蔓延は防ぐことが出来るはず。そう思いつつ小雨の中、この小さな虫を数え、新たな被害木を探す。

 ところで話は変わるが、シルバー・ウィーク、天候に恵まれ、キャンプやBBQも盛んだったようで、少しもったいないが、クヌギの炭でのBBQは最高に美味かったと息子からの報告。そうでしょう、そうでしょう ・・・。
   
   

2015年9月21日月曜日

じっとこっちを窺うのは ・・・


 森の中からじっとこちらを窺うのは「タヌキ(狸)」。毎年行っている「森の幼稚園」のウォーク・ラリーのひとこま。今年は、二つの幼稚園の園児90名ほどが集まった。小学校3、4年生と行う「自然体験学習」の雰囲気とはまた違って、可愛らしいし、そして喧しい。我々のお手伝いは、この山に住むいろいろな動物探しと、どんぐりなど木の実の採集。とはいえ、実際の野生動物などにお目にかかることはなかなか難しいので、イラストの看板を森の中に置いて、それを探してもらうという趣向。それともう一つ大事な仕事は、約100人分のご飯と豚汁の用意である。幼稚園児とはいえ、その食欲たるや旺盛で、5kgづつ二つの釜で10kgも炊いたご飯、大鍋に用意した豚汁、全て完食であった。午後からは笹舟を作り、丘の流れで遊び、広い芝生の広場を駆け巡る。前日の土砂降りとうってかわった青空。子供たちの喜ぶ姿を見るのは楽しい。少子化の中での「財(たから)」。無事に育ってくれますように ・・・。

 広い芝生の中でひときわ目立つ美しい紫の実は、「サワフタギ(沢蓋木)」。こちらもこの時期、この山に実る美しい財(たから)のような木の実。


   

2015年9月19日土曜日

土砂降りの雨の中でエドヒガンを調査する


 我が遊びの山にある「エドヒガン(江戸彼岸)」桜の群落が川西市の天然記念物に指定された。それに伴い、「エドヒガン」群落の現状を把握し、基礎データとして整理し、今後の保全の在り方を検討するための資料を作成するために、「毎木調査」を専門家の指導で実施した。調査項目はGPSによる位置の確定、15mの測竿を使っての樹高測定、巻尺による地上1.2mでの胸高周囲測定などである。作業開始時は小雨であったが、ほどなく土砂降りに。測定と言っても、写真のような開けた緩斜面なら比較的容易であるが、この山の「エドヒガン」の多くは、急な谷筋にあり、樹木が生い茂って見通しの極めて悪い場所にある。しかも30mを超えるような樹高を持つものもあり、土砂降りの中で、足を取られないように気を付けながら、なんとか調査を終えることができた。

 結果は、16株、29本、Max樹高31m、Max胸高周囲176.5cm。最大のエドヒガンは樹齢80年ぐらいと推定される。

 本来ならゆっくりとコーヒーを飲んで過ごしている雨の午後のひととき。土砂降りの雨の中で皆、「しんどい、えらい」を連発しながら、急坂の山中、エドヒガンを調査する。これもまた達成感もあり、終えてみれば、楽しみの一つに数えられる。

2015年9月11日金曜日

急速に秋が深まりそうな感じがする



 しばらくの間続いた鬱陶しい長雨も台風18号の通過とともに一応終わったようだ。栃木の方では大変なことになっている。お見舞い申し上げます。さて、長雨のため、わが遊びの山はすっかり「きのこの山」と化している。いままでもこの山で見かけた鮮やかな色の茸や、変わった形の茸を紹介したが、今日見かけたのは、同心円状の縞模様が鮮やかで、その自然の造形の見事さが見てとれる、「カワラタケ(瓦茸)」。切り株などに多数群がって生えるが、肉質は非常に硬く、調理しても食べられないという。

 そして、木の実。この山で一番大きな葉を持つ「ホオノキ(朴の木)」。その葉と同じように、大きな実も目立つようになった。今年は急速に秋が深まっていきそうだ。
  
  

2015年9月4日金曜日

このクレーターは ・・・



 炭窯のドームにできた無数のクレーター。これは「ウスバカゲロウ(薄翅蜉蝣)」の幼虫、「アリジゴク(蟻地獄)」(幼虫の写真はNETより拝借)の巣である。炭窯ドームの上には屋根があるので雨風を避けることができ、また砂地のため、巣を作るには絶好の場所である。そして、厄介なことに、幼虫を狙ってか、イノシシがほじくり返した痕もあった。今まではこんなことはなかった。なにか異変でも起こっているのだろうか。いずれにせよ、ドームが崩れたら炭焼きはできなくなる。対策を考えねば ・・・。

 子供の頃、この巣を見かけたら、すり鉢の底を掘って、「アリジゴク」を捕まえ、瓶の中に入れ、アリなどの小虫をいれて捕虫の様子を観察し、夏休みの宿題のレポートとしたものである。子供の科学離れか、そんな小学生も少なくなったような気がする。もっとも、「アリジゴクは、羽化時まで糞だけでなく尿も排泄しない」という通説を覆す発見を、2010年に小学校4年生がしたことが大きな話題となったこともあった。やはり、興味や好奇心、疑問を持って自然向き合い、観察するということが大事なんだ。