2016年8月21日日曜日

役者やのう ・・・


 私の住んでいる住宅地あたりでは、「クマゼミ(熊蝉)」と「ミンミンゼミ(ミンミン蝉)」の覇権争いが激しい。「クマゼミ」が勝利を収めているように思うが、遊びの山では、まだ「クマゼミ」の鳴き声は殆ど聞こえず、まだ圧倒的に「ミンミンゼミ」の天下である。「ミ~~ン、ミ~~ン」と、ひときわ大きな合唱が、森に響き渡っている。それに加えて、「ツクツクボウシ(つくつく法師、寒蝉)」の独特の鳴き声も始まった。

 山遊びの途中で見かけた「ミンミンゼミ」。羽化したばかりであろうか、まだ緑色の頭から胸部にかけての紋様が、まるで惚れ惚れとする歌舞伎役者の隈取のように美しい。しかし、近年の急速な温暖化とあいまって、「クマゼミ」の北上・東進が目立っているというから、「クマゼミ」の天下になるのも時間の問題か ・・・。

 森に響き渡るセミの鳴き声。一斉に鳴き止んだときに訪れる束の間の静寂。そんな間に音楽に似たものを感じる。

2016年8月20日土曜日

剣豪チョッキリ虫の試し斬り


 お盆休み明けの猛暑の中、頂上付近の眺望を妨げているため、写真奥の先々週伐採したが、懸りになっていた「アラカシ(粗樫)」の大木をチルホールで倒す。枝を伐って処理をして今日の作業を終わる。長袖、長ズボン。汗ビッショリであるが、日差しはすこし柔らかく、ふもとのダム湖から上がってくる風がここちよい。お互いにニュースでも話題になっている「マダニ(真蜱)」の点検をして下山。


 途中、「アラカシ」や「コナラ(小楢)」の枝が切り落とされいるのに気がついた。周りを見ても、他には切り落とされた枝も見当たらないし、卵を産み付けるどんぐりもまだまだ小さい。さすれば、「ハイイロチョッキリ」、剣豪チョッキリ虫の試し斬りというところか ・・・。
  

2016年8月7日日曜日

この風景が定着しなければいいが ・・・


 遊びの山の尾根からの眺望。近隣の山で、かなり目立つのは、緑の中の茶色。「ナラ枯れ」である。妻も車の中から見つけては、私に聞くくらいだから、かなり目立つのであろう。京都ルートといわれる京都地方より、3、4年前にこの地域まで広がり、去年あたりがピークだと言われ、その影響が今年出ているようだ。



 「ナラ枯れ」とは、「ナラ菌」というカビの仲間の病原菌と、その病原菌を媒介する「カシノナガキクイムシ」という体長5㎜ほどの昆虫によって、ナラ類、シイ、カシ類の樹木を枯らす「樹木の伝染病」である。「カシノナガキクイムシ」は、病原菌を体内に入れて運び、夏から秋に樹木に無数の穴をあけ、卵を産み付け、翌年の6、7月にその幼虫が羽化し、また新しい樹木に卵を産み付け ・・・といったことを繰り返すのである。ナラ菌は孔道を伝わって蔓延するため、水分が上がらなくなり、木が最も水を必要とするこの時期、真夏から晩夏にかけ、水が上がらないので、急速に葉が萎れ、茶色や赤茶色になって枯れてしまう

 被害に遭っても、全部が枯れるまでには至らないのであるが、「ナラ枯れ」までになった「コナラ(小楢)」の被害木が、先日の山作業でも何本か見つかった。近隣の山に比べると数は少ないので、対策はそれなりに効果があったと見るべきだろう。しかし、昨年対策漏れの被害木から羽化し、新たに被害を受けた木もいくつか見つかっている。孔を開けられた樹皮から樹液が流れ出し、根元にはフロスと呼ばれる木の粉が堆積している。

 これが定着し、見たくない夏の風景にならないことを願うばかり ・・・。

 今年から、8月11日は「山の日」である。
  

2016年8月6日土曜日

アラカシを伐った途端、森は明るくなった


 暑い。この日集まった9人でゆっくりと山頂へと向かう。今日の作業は、この山の森一帯に多く生育しているが、山頂付近の森を暗くし、眺望を妨げている樹齢数十年の「アラカシ(粗樫)」の伐採である。「アラカシ」は、照葉樹林の構成種で、ブナ科コナラ属の常緑広葉樹。人里近くの雑木林に多く見られ、人為的攪乱にも強いという。

 樹齢数十年ともなると、もちろん手では伐れないので、チェーンソーを使う。写真でも明暗がわかるように、伐った途端、夏の強い日差しが地表まで差し込んで、周りがパッと明るくなる。まだまだ伐らねばならない「アラカシ」は多いので、しばらくはこの作業が続きそうだ。


 伐った「アラカシ」の枝先にはもう小さな「ドングリ(団栗)」がびっしりと実っている。この様子では今年はドングリは豊作。猪、鹿、リスなども餌に困ることはなさそう。