2014年11月29日土曜日

360段坂の紅葉


 遊びの山のある公園には隠れた「モミジ」の名所がある。公園には2ヶ所の駐車場があるのだが、その一つは、ダム湖の湖畔の駐車場から、350段ほどの石段をやっとの思いで上がってくるのだが、その小径の両側が「いろは紅葉」のトンネルとなる。ほとんどの来園者は、丘の上の駐車場を目指すため、意外と知られていないのだ。

 いままでまったく手入れが行われていなかったので、ここの紅葉をもっと綺麗に見せようと、秋口に小径の一部の枝払いや雑木の除伐を行った。その結果が写真の光景。手入れを行ったところは紅葉が映え、十分に効果があったようだ。来年は小径全体の手入れをして、もっと紅葉を楽しんでいただこうと思っている。今年の紅葉はもう散りかけ、見頃も今週いっぱいであろう。また来年 ・・・。
  
  

2014年11月28日金曜日

木の葉が舞う




 さあっと風が吹いてくる。汗ばんできた顔に心地よい。「クヌギ(櫟、椚、橡)」の林から一斉に枯れ葉が降り始める。「クヌギ」の葉は細長く、葉の縁は鋸状に波打ち、葉脈の先端は棘状の突起となって突出する。そんな形状のためか、「クヌギ」の葉は、風で一旦舞い上がると、くるくると回転し、なかなか落ちてこない。たくさんの葉が青空を背景に、一斉に回転する様は、それは美しく見事である。そんな光景を見ながら、今日も窯木づくりに精を出す。
  
  
  

2014年11月23日日曜日

天蚕の繭を見つけて



 クヌギの伐採をしている時に見つけた「ヤママユガ(山繭蛾)」の繭(まゆ)である。遊びの山のクヌギ林では、成虫、幼虫もふくめ、よく見つけることがある。

 「ヤママユ(山繭)」、「テンサン(天蚕)」とも呼ばれる日本在来の代表的な野蚕(やさん)で、北海道から九州にかけて分布し、クヌギ、コナラ、カシワ、シラカシなどの葉を食物として、全国の落葉性雑木林に生息している。

 いまでも続けられているかどうか分かりませんが、養蚕が盛んだった私の故郷・松本に隣接する地域、穂高町(現在の安曇野市)の有明では、いわゆる一般的な「お蚕さん」である「家蚕(かさん)」とは別に、江戸時代からこの「天蚕」の飼育が行われていることで知られていた。家蚕に比べれば、長径約5cmほどで大きな繭であるが、この繭1粒から長さで600~700m程度、繭1,000粒から重さで、250~300g程度の糸が得られるという。この糸は、「天蚕糸」とよぱれ.光沢が優美で、太く、伸度が大きく、織物にして丈夫で、しわにならず、暖かく、手触りも良いなどの優れた特徴があり、繊維のダイヤモンドにもたとえられて珍重されているという。(Wikipedia参照)

 見つけた繭にこんな故郷との縁を思い浮かべながら、この日も窯木づくりに精をだす。作業を終え振り返ると、クヌギ林はあらかた伐採が終わり、一株だけ残る「ヤマザクラ(山桜)」の真っ赤な紅葉が目を射る。

 
 

2014年11月21日金曜日

里山に遊ぶ爺と小学生たち


 年が明けてから始まる炭焼きの準備を続けている。クヌギの再生林で、前回の伐採の後10年をかけ、炭材として適当な太さにまで育った「台場クヌギ」を伐採し、所定の長さの「窯木」になるように「玉切り」し、枝を細かに分けて束ね、「バイタ」とよぶ「柴」を作る作業である。

 今日は、地域の小学4年生が「自然体験学習」で里山を学びに来てくれた。ちょうど爺さんたちの作業をウォーク・ラリーの途中で見学をして、かって人々の暮らしと密着してあった里山の形を実感してもらう。太閤秀吉の昔からこの地域で焼かれていた「菊炭」。このあと数十年後にも、この子供達に伝わっていたらいいなと思いつつ、伐採した山のようなクヌギの始末に向かう。やっぱり、人手が多いというものはありがたいもので、伐採予定のほぼ半数が片付いた。
  
  

2014年11月15日土曜日

いよいよ台場クヌギの伐採を始める



 いよいよシーズン到来である。年が明けたら、すぐに始まる炭焼きのための準備作業を始めた。この炭焼きであるが、太閤秀吉の時代よりこの地に伝わる美しい菊炭作りの技を伝承するために、山の手入れを行っている、我々ボランティア・グループが毎年行っているグループ最大の行事である。

 まず炭材となるクヌギの伐採である。なぜこの時期に伐採するのか? それは、葉が枯れ、もう水分を上げなくなったこの時期が一番伐採に適しているし、高温で炭を焼くのは寒い冬が適しているからである。前回、調査した区域の伐採に早速取り掛かる。台場クヌギを伐る位置は、古来より台場の株から「一寸」と言われており、其の位置にチェーンソーを入れて伐採する。伐採した幹は、枝を払い、我々の窯の大きさに合わせた約80cmの長さに玉切り(輪切り)する。これが、「窯木(かまぎ)」とよばれる炭の材料となる。我々の窯で、太さにもよるが、だいたい窯木が1回の炭焼きで400本ぐらい入るのである。


 払った枝はさらに細かく切り、50cmほどの長さにして束ね、柴木にする。これが「バイタ」と呼ばれ、窯木の炭焼きの初期の段階で、窯内の温度を上げ、熱の廻りをよくするために窯木の上に詰め込むものである。1回の炭焼きで80~100束ほど必要とする。まず2日間の作業を終えたが、ほぼ予定の半分ほどの伐採を終えることができた。残りは来週以降の楽しみ。今回の炭焼きは2回を予定しているが、炭焼きの終わる2月初旬までのこれからの約3ヶ月間、炭焼き三昧の日々となる。
  
  

2014年11月7日金曜日

もみぢ ふた色


 遊びの山の「イロハモミジ(いろは紅葉)」である。ほとんど同じ場所に在るのに、ちょっとした日当たりの差か、個体差か、色がまるで違う。不思議なものである。山全体が赤や黄色に染まりだした中で、年が明けたら本番を迎える、今シーズンの炭焼きの一連の作業も、この日スタートした。




 ほぼ10年前に伐採した「クヌギ(櫟、椚、橡)」が、「台場クヌギ」として適当な太さに成長してきたので、いよいよ今年から10年サイクルで、伐採区域を回していこうという試みを始める。そのためにも、まず伐採予定区域にどのくらいの数の台場クヌギが育っていて、どのくらいの量の窯木が採れそうかを調べなくはならない。伐採予定区域の台場クヌギの数をナンバリングし、一本一本の太さ、樹高を記録してゆく。その結果、「台場クヌギ」でおおよそ一窯分、さらに新たに高木を伐採することでもう一窯、計二窯分のクヌギを確保できると思われる。一応の目途を得て調査を終え、いよいよ来週より伐採を始める。老体にはきつく、しんどい作業ではあるが、あの菊炭の美しさを見たいばかりに、今年もまた楽しき3K作業に挑戦する。