2014年11月23日日曜日

天蚕の繭を見つけて



 クヌギの伐採をしている時に見つけた「ヤママユガ(山繭蛾)」の繭(まゆ)である。遊びの山のクヌギ林では、成虫、幼虫もふくめ、よく見つけることがある。

 「ヤママユ(山繭)」、「テンサン(天蚕)」とも呼ばれる日本在来の代表的な野蚕(やさん)で、北海道から九州にかけて分布し、クヌギ、コナラ、カシワ、シラカシなどの葉を食物として、全国の落葉性雑木林に生息している。

 いまでも続けられているかどうか分かりませんが、養蚕が盛んだった私の故郷・松本に隣接する地域、穂高町(現在の安曇野市)の有明では、いわゆる一般的な「お蚕さん」である「家蚕(かさん)」とは別に、江戸時代からこの「天蚕」の飼育が行われていることで知られていた。家蚕に比べれば、長径約5cmほどで大きな繭であるが、この繭1粒から長さで600~700m程度、繭1,000粒から重さで、250~300g程度の糸が得られるという。この糸は、「天蚕糸」とよぱれ.光沢が優美で、太く、伸度が大きく、織物にして丈夫で、しわにならず、暖かく、手触りも良いなどの優れた特徴があり、繊維のダイヤモンドにもたとえられて珍重されているという。(Wikipedia参照)

 見つけた繭にこんな故郷との縁を思い浮かべながら、この日も窯木づくりに精をだす。作業を終え振り返ると、クヌギ林はあらかた伐採が終わり、一株だけ残る「ヤマザクラ(山桜)」の真っ赤な紅葉が目を射る。

 
 

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