2021年3月25日木曜日

雨中の花見で今年度の活動を終える

 





   
 今日は雨。作業はやめて、雨中の花見、「エドヒガン」の開花チェック。周辺の雑木を伐採したので、かなり手前からも「エドヒガン」の絶景が見える。頂上への上り口に咲く「ヤマザクラ(山桜)」もほぼ満開状態。ダム湖を見渡せるスポットからは、周辺の山にモザイク状に咲く「エドヒガン」が ・・・。
  

 午後からは、ずっと悩まされ続けている鹿の食害対策の専門家によるセミナー。時間とお金がかかることを改めて認識。

 令和2年度の活動は、本日にて終了。また4月から思いも新たに活動をしようと、コーヒーにて乾杯。


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2021年3月24日水曜日

(番外編)エドヒガン巡り

 


 
 川西市の「里山三種の心木(しんぎ)」、「エドヒガン(江戸彼岸)」桜が見ごろとなってきたので、ちょっと車を走らせて「エドヒガン巡り」。
   
 まずは、黒川地区にある「桜の森」へ。そこの「桜の森」には、「エドヒガン」が約50本、その倍以上の数の「ヤマザクラ」が自生、群生している。ボランティアの桜守の方々の大変な努力によって、この時期一般の人が楽しめるように整備がすすんでいる。毎年訪れているのだが、いつ見てもその群落は、「見事」の一言に尽きる。
  
 そして、すぐ隣にある「妙見の森ケーブル」へと向かう。ケーブル沿いに、ケーブルから見える谷に、多くの「エドヒガン」、「ソメイヨイノ」が競って咲く。山頂には、「エドヒガン」の群落が広がっていて、ここもボランティアのみなさんと能勢電鉄によってしっかり整備されている。
  




 そして「一庫公園」。まさに「天空のソナタ」です。





   
 やってきたのは、隣の団地の外れ、岩根山の麓にある浄土真宗の古刹、「岩根山 高源寺」。開基は、文明7年(1475)というから540年ほど前。見ものは、枝垂れ種の「エドヒガン」。推定樹齢は300年という。
  
 「エドヒガン」は「オオシマザクラ(大島桜)」とならんで、「ソメイヨシノ(染井吉野)」の一方の親。「ソメイヨシノ」の名前の由来は、江戸時代末期に、現在の東京都豊島区付近にあたる染井村で「エドヒガン」、「オオシマザクラ」を親として開発された桜が、今でいえば、マーケティングのため、桜の名所、奈良県・吉野山に因んで「吉野桜」と銘打たれて広まったことにあるとされている。「ソメイヨシノ」と吉野山の桜は、別の品種であることが調査で分かったため、両種を混同しないよう、1900年(明治33年)に染井村発祥の吉野桜を「ソメイヨシノ(染井吉野)」と命名し、現在に至っているという。
  
 したがって、「ソメイヨシノ」の歴史は高々100~150年程度、一方、日本固有の桜として古来からある「エドヒガン」の寿命は、数百年から千年ともいわれる。「縄文桜」、「神代桜」など、日本全国にある長寿の名物桜は、枝垂れ種も含め、ほとんどが「エドヒガン」だと言われている。
   


   
 最後に訪れたのが、隣の団地と私が住む団地の間を流れている「猪名川」河畔。その川岸に咲く、これも市天然記念物に指定されている「エドヒガン」、「渓のサクラ」が満開。かっては不法投棄のゴミや照葉樹で覆われていた川の斜面を、住民の有志の方々が整備を行い、今ではすっかり桜を楽しむ名所として知られている。
  
 紹介した「エドヒガン」の名所。いずれも住民のボランティアの皆さんの活動によって景観が維持されているという素晴らしさ。



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2021年3月23日火曜日

(番外編)タムシバ・ロードを往く

 




   
 全山「タムシバ(田虫葉)」。いつ見ても壮観で圧倒される。宝塚市と川西市の境にある長尾山トンネルから、宝塚市の切畑、西谷地区あたりまで、延々と数キロにわたって続く「タムシバ」の咲く山並み。大げさかもしれないが、匹敵するのは吉野山の桜の景観ぐらいか。毎年この光景が見られるわけではないが、今年は去年に続いて当たり年だったようだ。ゆっくりと車を走らせる。
  
 「タムシバ」。モクレン科モクレン属の落葉小高木。花の香りが群を抜いていいところから、別名を「ニオイコブシ(匂辛夷)」といい、早春に白い六弁花を葉に先立って咲かせる。 他に「カムシバ」の別名をもつが、こちらは「噛む柴」で、葉を噛むとキシリトールのような甘味がするためにこの名前がつき、転じて「タムシバ」となったといわれる。 花は「コブシ」に似るが、やや小ぶりで、「コブシ」が花の下に葉が一枚ついているのに対し、「タムシバ」は花の下に葉がないので、見分けは容易であるともいう。
  



  
 「エドヒガン(江戸彼岸)」、「タムシバ(田虫葉)」は、ほぼ同時期に咲く。「エドヒガン」は「ソメイヨシノ(染井吉野)」の一週間くらい前に咲くので、開花時期が把握しやすいが、「コブシ(辛夷)」によく似た「タムシバ」はかなり気まぐれ。今年のように桜と同時期に咲き始めたり、早かったり。遅い場合には、桜が散ってからということも過去にあったので、見頃を外さないようにするには、こまめに開花をチェックする以外にない。<br>
  
 そして、どちらも極めてローカルな花である。「タムシバ」が自生するのは、宝塚以北から日本海側だという。私の住む川西には自生してない。一方の「エドヒガン」。宝塚を流れる武庫川流域には自生せず、川西、猪名川、池田、箕面、能勢などの北摂地域を流れる猪名川上流流域にのみ自生するという。「多田銀銅山」の鉱脈との関連を示唆する研究もあるようだが、隣り合わせの宝塚と川西。山ひとつ越えると植生が全く違ってしまうという不思議さ、ミステリー。



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2021年3月20日土曜日

一庫公園と里山三種の心木

 

  

  すっくと聳え、開花が始まった「エドヒガン(江戸彼岸)」の巨木。私が住んでいる川西市の中心部にあり、4年ほど前に再開発によって誕生した公園、「キセラ川西せせらぎ公園」のシンボル・ツリーである。川西市出身のプラント・ハンター、「西畠清順」さんの発案で、日本一の里山とよばれる黒川地区の「エドヒガン」桜を移植したものである。

 川西市の市の花は、清和源氏の祖、「源満仲」の廟が多田神社にあることに由来する「リンドウ(竜胆)」。市の木は、市民の投票を受け「サクラ(桜)」に選ばれているが、それとは別に、川西市の自然として、もっとも重要な日本一の里山林を構成する種より選定した、「クヌギ(橡、椚)」、「エドヒガン」、「ナラガシワ(楢柏)」の3種が選ばれ、「生物多様性ふるさと川西戦略」における里山保全のシンボル、「里山三種の心木(しんぎ)」と命名されている。


 「エドヒガン」は、「ヤマザクラ(山桜)」や「カスミザクラ(霞桜)」と同様に自生するサクラの一種だが、市を流れる「猪名川」水系の上流域にのみ自生し、兵庫県のレッドリストに記載されるほど個体数が少なく、絶滅危惧種に指定されている。しかし、川西市内には多く分布しており、桜の名所となっていて、この時期市民の目を楽しませてくれる。一庫公園内にある2つの群落は2015年川西市の天然記念物指定を受けた。



 
 「クヌギ」は、この地域の里山林、台場クヌギ林の代表種であり、「クヌギ」の樹液には「オオクワガタ(大鍬形)」、「カブトムシ(甲虫、兜虫)」、「オオムラサキ(大紫)」などの昆虫が集まり、まさに生物多様性の世界を構成している樹であり、我々のボランティア・クラブの一番の目的である、菊炭を伝承する炭焼きの原材料でもある。活動拠点の「一庫公園」には、「台場クヌギ」の林があり、昔からこの地域の生業であった炭焼きを支えてきた里山林であった。今では小学生の里山体験教室の活きたテキストになっている。
  

  

 「ナラガシワ」。「風土記」などの古典に記されている「かしは」とは、現在の「ナラガシワ」に該当するという。その葉は奈良・平安時代等には特別な神事に供物を盛る器として用いられており、その「かしは」の葉を天皇の命を受けた美しい采女が、川西市畦野に取りに来たことが「住吉大社神代記」という古文書に記されている。
  
 また、「ナラガシワ」は絶滅危惧種の「ヒロオビミドリシジミ(広帯緑小灰蝶)」という大変美しい蝶の唯一の食草となっていることでも知られる。(写真はNETより拝借)
  
 分布の東限が川西市笹部となっている「ナラガシワ」は、地域の食文化とも深く関係している。猪名川上流域で作られている「ちまき(粽)」は、「ナラガシワ」と「ヨシ(葦、芦、蘆、葭)」の植物の葉で包まれているが、日本国中探しても「ナラガシワ」で包む「ちまき」は他にはないという。一庫公園でも活動団体のイベントとして毎年6月に、公園内に自生する「ナラガシワ」を採取し、市内黒川地域に伝わる「チマキ(粽)づくり」を一昨年まで行っていた。
  
 「里山三種の心木」。まさしく川西市の自然と地域の関わりを象徴する「木」であり、活動拠点の一庫公園を代表する木でもある。さらに川西市では、「三種の心木」に次ぐ重要な自然保全のシンボルとして、「ブナ(橅)」、「コジイ(小椎)」、「ユキヤナギ(雪柳)」、「シロバナウンゼンツツジ(白花雲仙躑躅)」、「エノキ(榎)」の5木を「川西五木」と命名している。
    

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2021年3月18日木曜日

エドヒガン咲きました

 



  
 待ちに待った公園の「エドヒガン(江戸彼岸)」が咲きました。昨年より1週間ほど早い開花。10年ほど前に私が植樹した「エドヒガン」も大きく育って、花を咲かせています。
  
  
 「オオシマザクラ(大島桜)」の開花も今年は早いようです。


 尾根筋を上ってみると、ウッドデッキの休憩所の傍らには「ウグイスカグラ(鶯神楽)」の可憐な花も ・・・・。これから、桜、躑躅と続く、作業が楽しみな季節が始まった。



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2021年3月11日木曜日

開花調査を始める

 


  
 大阪の桜(ソメヨシノ)の開花予想は22日だそうだ。そんな開花予想を聞くと、ちょっと落ち着かなくなる。というのは、私は川西市から一庫公園に咲く「エドヒガン(江戸彼岸)」と「ヤマザクラ(山桜)」の開花調査員を委託されているからである。地球温暖化考察のため、桜の開花時期のデーターベースづくりが目的のようだ。「エドヒガン」は「ソメヨシノ」より約1週間ほど早く咲くため、注意を怠って、見逃してはならないからである。
   
 今日も作業が終わってから、標本木の開花をチェックしに行ったが、まったくその気配は見えなかった。来週末か再来週の初めではないだろうか。ちなみに昨年は3月24日、一昨年は3月26日であった。
   


 いま公園で満開の花の一つは、匂いはきついが、花は小さくて地味、「ヒサカキ(非榊)」である。その横で、開花が迫っている「エドヒガン」の見栄えをよくするための伐採作業を急ぐ。



【 森のクラブイベントの中止のお知らせ 】

   

3月21日(日)に予定していました「木を使ったかわいい動物やクラフトづくり」

コロナ感染要望のため、中止といたします。

ご迷惑をおかけしますが、ご理解、ご協力をお願いいたします。

  


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2021年3月4日木曜日

すっかり春らしく ・・・

 

 今日の作業も引き続き「エドヒガン(江戸彼岸)」の谷で雑木の伐採。伐採をほとんど終え、見通しのよくなった「エドヒガン」群生林に見入る。緊急事態宣言も解除され、開花予定の月末には、多くの人が訪れてくれるでしょう。




  
 真っ白で鈴生りの「アセビ(馬酔木)」、「春黄金花」の別名もある「サンシュユ(山茱萸)」が真っ盛りの公園。


 一歩、林の中に入ると、独特の匂いを放つ「ヒサカキ(非榊)」の小さな花がびっしりと ・・・。


 「ヤブツバキ(藪椿)」も開花を待っています。公園もすっかり春らしくなりました。


 【 森のクラブイベントの中止のお知らせ 】

   

3月21日(日)に予定していました「木を使ったかわいい動物やクラフトづくり」

コロナ感染要望のため、中止といたします。

ご迷惑をおかけしますが、ご理解、ご協力をお願いいたします。

  


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