2014年5月22日木曜日

クヌギの森に陽が差し込む


 明るい陽が差し込んだ「台場クヌギ」の森に「モチツツジ(黐躑躅)」が咲いている。遊びの山のクヌギの再生林である。1mぐらいの高さのところでクヌギを伐っても、翌年その切り株からまた新しい芽が出てくる。こうして育ったクヌギを、「台場クヌギ」という。炭材として適当な太さに育つのに、どんぐりから育てるのであれば、10~15年かかるところを、「台場クヌギ」であれば、8~10年で育つ。一つの株から効率よく何回でも繰り返し、炭材が得られるという、昔の人の知恵である。こんなクヌギ林の下刈りや外来種の除去などの手入れもしているが、陽ざしが差し込み、明るくなった森に咲くツツジを見ていると、我々の活動も少しは役に立っているかなと実感する。

 そして今日は、兵庫県が大震災後、この時期各地域で実施している中学生の仕事体験、「トライヤル・ウィーク」で公園に来ている中学生4人連れての山作業。ちょっとくらいは山の手入れの大切さがわかってもらえただろうか。
  
  

2014年5月21日水曜日

蛙の歌が聞こえてきた ・・・


 「モリアオガエル(森青蛙)」の産卵が始まった。遊びの山のビオトープにせり出した「ヤマボウシ」の枝に、今年も白い卵塊を見つけた。若葉の明るい緑の中で、きらきらと輝いている。もうそんな時期が来たんだ。

 「モリアオガエル」はおもに森林に生息するが、5月上旬から6月下旬にかけてが産卵期で、生息地付近の湖沼に集まり、深夜、池の上に張り出した木の枝に、体の大きな一匹の雌を数匹の雄が抱きかかえ、共同で直径10~15cmほどのの真白い泡に包まれた卵塊を産みつける。その中に300~800個ほどの卵が産みつけられるが、約1週間ほど経つと卵が孵化する。孵化した「オタマジャクシ」は、泡の塊の中で雨を待ち、雨で溶け崩れる泡の塊とともに下の水面へ次々と落下する。「オタマジャクシ」は1ヶ月ほどかけて成長するが、「イモリ」や「ゲンゴロウ」などの補食を免れたごく少数の幼蛙だけが、やがて森林へ帰ってゆく。この「モリアオガエル」、兵庫県では「絶滅危惧II類(VU)」に指定されている。(Wikipedia参照)

 残念ながら私はまだ、産卵の瞬間や、孵化した「オタマジャクシ」が、池に落ちていく瞬間を見たことがないので、いつも見たいと思っている。そんなことを思って、ビオトープで卵を見ていたら、あの独特な「モリアオガエル」の鳴き声が聞こえた。
  
  

2014年5月20日火曜日

指令:ヤマボウシを探せ

 
 遊びの山に、「ヤマボウシ(山法師、山帽子)」が咲き出した。中心に淡黄色で小さく、球状に集合しているのが花で、その外側に白い4枚の花弁のように見えるのが、実はつぼみを包んでいた葉、「総包片(そうほうへん)」である。名の由来は、花の形状を坊主の頭、総包片を衣に、あるいは全体を頭巾と見立てたことから付いた名前である。
 
 そして、元気な子供たちがやってきた。兵庫県が小学校3、4年生を対象に、春と秋に実施している「自然体験学習」である。この日を皮切りに毎年何校かがやって来るが、その初日である。この日は、市内の某小学校の4年生が130人ほどやってきた。「自然体験学習」なんて堅い言い方をしているが、自然や里山について、遊びながらちょっとだけでも関心を持ってもらおうというカリキュラム、まあ、遠足みたいなものである。

 我々は子供たちのするウォーク・ラリーの運営とそのお手伝い。ウォーク・ラリーを通じて、いろいろな木やこの公園にいくつも残る炭窯跡を探したり、炭の材料となった「クヌギ」のことや希少種である「エドヒガン桜」についてちょっとだけ学んでもらう。「写真の花(ヤマボウシ)を探して、その場所と名前を書きなさい!」なんて問題もありました。この日は天気は上々、子供たちも楽しんで学べたようだ。森に子供たちの歓声が響いていた。



2014年5月19日月曜日

子供120人と里山をちょっとだけ学ぶ


 春の「自然体験学習」が始まった。全国的なカリキュラムかどうかは分からないが、大阪府や兵庫県では実施されている、小学校の3、4年生を対象に自然、環境に関することを学んでもらう体験学習である。

 毎年、春と秋に大勢の小学生がこの学習のため、公園を訪れる。この日のカリキュラムは、120人余りの小学生に、「芝刈り体験」をしてもらうというメニュー。

 まず「里山とは何か?」ということや、森の手入れ、伐採の大切さをちょっとだけ学び、それから実際に山に入って、鋸を使って伐採された木から、柴を作ってもらう。この鋸の使い方を教えるのが大変で、殆どの子供たちが、鋸を使うのが初めてなので、怪我をしないように細心の注意を払って教えなければならない。それと力の入れ方のコントロールが、なかなかうまくできないので早くは伐れない。しかし、伐り落とした時は結構快感があるようで、あちこちで歓声が上がっていた。

 その後、昔の人と同じように、竈(かまど)で薪を使って火を焚き、各自持ち寄った具を使って豚汁を作り、昼ご飯にする。まあ、ざっとこんなメニューであるが、ちょっとだけではあるが、里山やそこでの生活体験を通じて自然や環境の大切さを理解する。まあ、体験学習の建前はそうだが、サポートする爺さんたちにしてみれば、半ば遠足気分でも、自然の中で少しでも楽しくすごしてもらえればそれで十分 ・・・というのが本音である。
  
  

2014年5月15日木曜日

枯れ松を伐る


 

 ここ何週間かは、遊びの山の枯れ松の伐採を続けている。いずれも松枯れ病などで枯れ、そのまま放置しておくと、倒れて来園者の安全にも影響するし、他の木々を痛めたりするので伐採をしている。この日は大物、直径40~50cmはあろうかという松を伐った。まず安全に倒す方向を決め、倒すのに邪魔になる雑木を伐るといった周辺整備を事前に行い、決めた方向に倒すために、「チルホール/Tirfor」と呼ばれる重量物を引っ張るため手動式ウィンチで引っ張りながら、慎重にチェーン・ソーを入れてゆく。「懸り」を上手く外しながら、小一時間ほどで、伐採と玉木、枝処理を終えた。命を終えた松のその見事な年輪に合掌。