2017年8月29日火曜日

始まった秋の訪れ


 山の公園の水場で遊ぶ子供たちの数もだいぶ減ってきた。夏休みもあとわずか、宿題でそれどころではないかも知れない。前夜は豪雨。「テングダケ(天狗茸)」が顔を出す。灰褐色の傘には、白色のイボがある。針葉樹林の「アカマツ(赤松)」林、広葉樹林の「コナラ(小楢)」林、「クヌギ(椚、櫟)」林などで、夏から秋にふつうに見られるキノコ。しかし、有毒である。山ではもう秋が始まったようだ。

2017年8月26日土曜日

手当たり次第に切り落とすのは ・・・




 「コナラ(小楢)」や「クヌギ(櫟、椚)」などの小枝が散乱している。「チョッキリ虫」、正しくは「ハイイロチョッキリ(灰色短截虫)」が手当たり次第に切り落とした枝である。まだまだ細い枝だし、ドングリも小さいのであるが、ドングリには、はっきりと卵を産み付けた孔が見える。この卵が来年孵化し、また幼虫に ・・・。虫の世界では、もう秋が始まっている。

 山頂付近で、伐採作業。蝶の世界は恋の季節。なかなか静止せず、カメラで撮ることはできなかったが、何組かの「オオムラサキ(大紫)」、「カラスアゲハ(烏揚羽)」が群れ飛んでいる。秋になれば、この公園でも、南下する途中で飛来する「アサギマダラ(浅葱斑)」を見かけることができる。

 

2017年8月18日金曜日

お盆にヒサカキを伐る


 お盆の山作業。みんな高齢者、熱中症を警戒しながら、あまり無理をせずに、山頂までのぼり、軽い伐採作業で終える。いつもは植生の多様性を妨げているため、伐採の対象となっている、常緑広葉樹の「ヒサカキ(非榊、柃、姫榊)」を伐る。仲間の何人かは、持って帰り、墓や仏壇に備えるそうだ。「サカキ(榊)」が手に入らない場合、「ヒサカキ」を代わりとして、墓・仏壇へ「仏さん柴」として供え、また玉串として利用することが多いと聞く。我々も新年、炭窯の「窯開き」の時に玉串として奉じている。間伐の対象木であるが、お盆のこの期間は役に立っているようだ。


 

2017年8月11日金曜日

生存競争の夏



 いつもは吹き上がってくる麓のダム湖からの心地よい風が全くない。直射日光がない分まだましであるが、それでもジメジメと蒸し暑いことこの上もない。山頂まで上がり、各自1、2本伐ってから、3日前の台風による影響がないか、自然観察路の安全点検に向かう。

 セミがいつもと鳴き方とは違う。断末魔のように聞こえる。よく見ると、なんと蜂に攻撃されている。ハチの種類まではわかりませんが、黒いハチが自分より何倍も大きなセミを地面に押さえつけている。森の中で繰り広げられている厳しい生存競争、弱肉強食の世界。そして、1m20cmほどの蛇の抜け殻を見つける。「人間もこうだったら ・・・」と考えると、こちらはなんとなくユーモラス。たしか「手塚治虫」の漫画にあったような? ・・・。

2017年8月4日金曜日

目にはさやかに見えねども




 伐採作業のため、今日も頂上を目指して、木漏れ日の山道を登っていく。麓から吹き上がってくる風が心地よく、一休みすると、もう動くのが億劫になってしまう。「ニイニイゼミ」、「アブラゼミ(油蟬、鳴蜩)」、「クマゼミ(熊蝉)」、「ミンミンゼミ」が一斉に鳴いている。里では、秋の季語にもなっている「ヒグラシ(蜩、茅蜩、秋蜩、日暮、晩蝉)」も鳴き始めたという。「ナツハゼ(夏櫨)」が赤い実をつけている。「ナツハゼ」の実は、「日本のブルーベリー」と呼ばれ、花や果実を観賞するだけではなく、果実を生食やジャムなどに加工して楽しむ人も多く、近年人気が高いという。夏に「ハゼノキ(櫨の木、黄櫨の木)」のような紅葉が見られることから名づけられた。

 頂上へ抜けると、見上げる青空には、「うろこ雲(鱗雲)」にも似た雲が ・・・。こんな歌が浮かぶ。

   秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる  
           (古今和歌集・巻4・秋歌上 藤原敏行朝臣 秋立つ日よめる)

 「立秋(りっしゅう)」は、二十四節気の第13節。たしか、8月7日ごろ。