2014年12月28日日曜日

炭焼きの準備を終え、今年最後の山遊びを締める


 見事に積み上がった窯木。年明けから始める炭焼き(黒炭;菊炭)の材として、今年伐った10年ほどの「台場クヌギ」を積み上げたものである。11月から再生林で伐採を始め、玉伐りや枝処理をし、急斜面を下ろし、積み上げたもの。トータルでざっと1,000本近くありましょうか、積み上がった様は、美しいと思えるほど。ほぼ2ヶ月、延べ11日ほどかけてやっと材料の準備を終えることができた。メンバーに事故や怪我がなく、今年一年を締められることに感謝。後は年明けから始まる炭焼きの安全と成功を祈るばかり ・・・。


2014年12月22日月曜日

今年最後のイベントも子供達の笑顔がいっぱい



 昨日の雨は嘘のように晴れ上がり、気温は寒いが、陽の光が暖かい。我がクラブ、今年最後のイベントのひである。日頃は、山に入り森の手入れを行っているが、「我々だけ楽しんでは申し訳ない、なにか一般の人のも喜んでもらえる企画はないだろうか」ということで、そこで出た間伐材を使って子供たちに自由な木工細工と手作りの饂飩(うどん)、ピザなどを楽しんでもらうイベントで、概ね月1回行っている。

 結構ピザや饂飩が美味しいと、最近はリピーターが目立つようになり、すぐに予約が一杯になる日も多い。この日も9家族35人の家族連れが、朝からやってきてくれた。いつもはつくるものは自由であるが、12月とあって、この日の木工はクリスマス・リースがメイン。先日山で採取してきた「やまぶどう(山葡萄)」の蔓を使って、家族それぞれ思い思いのリースがいくつも出来上がった。そしてピザは、旬の野菜、サツマイモを載せたピザ。家族で生地延ばしとトッピングをしてもらい、手作りのピザ窯を使い、我々が炭焼きで焼いた炭を用いて焼き上げる。

 今年もまた子供たちのいっぱいの笑顔に囲まれた一年 ・・・。また来年もこのイベントを続けることになりそうだ。さて、今日は冬至。柚子湯にゆっくりと浸かるとしようか ・・・。
  
  

2014年12月20日土曜日

寒さにかじかむ手で窯木おろしを ・・・



 昨日は雪のため山遊びは中止。一夜明けた今日は、雪も風も止み、気温は2℃と寒いが、穏やかな天気。年明けから始める炭焼きまであまり時間がないので、伐採した「クヌギ」の窯木をおろす作業をただひたすらにする。有難いことに、都合が悪かった一人を除いて13人のメンバーが集まってくれた。感謝。

 朝のうちは前日の雪がまだ少し残っている再生林の滑りやすく足場の悪い急斜面で、指先がかじかむ手で、次々と窯木を下ろしてゆく。しかし、動けばすぐ体は暖かくなり、一枚脱がなくてはならないほど、汗ばんでくる。

 仲間が「クヌギ」の切り株に、野生の「ヒラタケ(平茸)」を見つけた。広葉樹の朽木や切り株に、いくつか重なり合って発生し、味にも香りにも癖がなく、汁物、鍋物、炊き込みご飯、天ぷら、うどんなどさまざまな料理に使われているという。早速、夜の食卓で ・・・。次の休みの木工細工のイベントで使うクリスマス・リースの材料となる蔓(つる)を採取して今日の作業を終える。
  
  

2014年12月16日火曜日

木耳を見つける


 「きくらげ(木耳)」である。伐採したクヌギの窯木の中から、山遊びの仲間が見つけた。中華料理では馴染みの茸が、こんなところに生えていた。「きくらげ」は、干した「クラゲ(水母、海月、水月)」に味が似ていることから、樹木に生える「クラゲ」の意味で名付けられたという。 漢字の「木耳」は中国からの用字で、形が人間の耳に似ていることから付いた名で、「木の耳(きのみみ)」という別名もあるという。たしかにそんな形をしている。「クヌギ」や「コナラ」などは、椎茸の原木栽培の「ホダギ(榾木)」としても用いられるから、「きくらげ」が生えても一向に不思議はない。山遊びは、こんな新しい発見もあるから面白い。そういえば、中国を出張で訪れていた頃、お土産に大量の「きくらげ」をもらい、どうしようかと苦慮したことを思い出した。
  
  

2014年12月7日日曜日

冷え切った体には豚汁が一番



 今日は里山に関心のある皆さんが、総勢45人ほど、「北摂里山バスツアー」ということで、我々が活動している公園に来園された。折しも寒波襲来、外気温は2℃、この時期にしては身を切るように寒い。サポートする我々の役目は、園内の散策の案内と説明、竈を使っての炊飯と豚汁づくりである。

 炭焼きの歴史から、台場クヌギの育成、伐採、炭焼きに至るまでのストーリーや手順を、炭焼き窯、クヌギ再生林などの現場を見てもらいながら説明をする。再生林は、ちょうど年明けから始まる炭焼きの窯木づくりをしている最中で、この地域の里山のかっての有り様が、よくわかっていただけたのではないだろうか。

 さらに、「エドヒガン(江戸彼岸)」桜の群生林、その実生からの育苗、この山のいたるところにある先人の残した「間歩(まぶ);手掘りの坑道」や炭窯跡、「ナラ枯れ」対策や森の手入れの実際など我々の活動を見てもらいながら、約2時間の散策を終える。冷え切った体に、竈を使っての炊いた野菜たっぷりの60人分の豚汁と古代米(黒米)入のご飯を振舞ってツアーのサポートを終える。
  
  

2014年12月3日水曜日

森の手入れ、その効果は ・・・



 この日の山遊びは「植生調査」。我々が行っている山の手入れ方法、ヒサカキ、リョウブ、ソヨゴ、アセビなどの常緑広葉樹を伐採して、山を明るくするという手入れの手法が、実際のところ植生の多様化にどの程度効果があるのかを調べるのが目的である。専門家の先生の指導を受けながら3年前から行っている調査である。森の中に、10m×10mの調査区域を設定し、その区域を覆っている常緑広葉樹の高木を伐採し、その後植生がどのように変化していくのかを調査している。今回は、午前中は講義、午後の半日をかけて、2箇所の区域の調査を行った。

 2012年に始めた時の最初の区域は、伐採前は23種類だった植物の種類が、昨年調べた時は27種類に、そしてこの日の調査では35種類に増えていた。そして、昨年比較的日当たりの良い別の場所に設定した区域では、伐採前22種類だったものが、1年後のこの日は39種類に増えていた。この結果をみると、我々の行っている手入れの方法(兵庫方式)が効果がありそうだということが実証できそうだ。冒頭の写真は、この日新たに芽生えが確認できた「アオツヅラフジ(青葛藤)」のベイビー。この蔓(つる)を昔は「つづら(葛籠)」の材料としたという。秋には藍黒色の丸い実が熟す。
  
 しかし、経験の浅い我々では数十種類に及ぶ新芽の名を特定することなど到底不可能である。先生の知識、眼力に頼らざるを得ないのであるが、この機会が名前を覚える格好のチャンスでもある。「アオツヅラフジ(青葛藤)」をはじめ、数種類の名を覚え、見分けることができるようになったのもこの日の収穫。

 日当たりが良くなれば、今までは生えなかった草花が芽を出し、虫や蝶が集まってくるし、それを狙う鳥なども集まってくるという森の活性化や多様化が期待できる。この日は調査区域で、今まで見たことがなかった「ヒメカマキリ(姫蟷螂)」を見つけることができた。体長3cmほどの小型のカマキリで、9~11月に発生し、山間部の樹木にいることが多いという。こんな発見でも手入れの効果が実感できると爺さんたちは、「さあ、また頑張ろう」という気になってしまう。
  
  
  

2014年11月29日土曜日

360段坂の紅葉


 遊びの山のある公園には隠れた「モミジ」の名所がある。公園には2ヶ所の駐車場があるのだが、その一つは、ダム湖の湖畔の駐車場から、350段ほどの石段をやっとの思いで上がってくるのだが、その小径の両側が「いろは紅葉」のトンネルとなる。ほとんどの来園者は、丘の上の駐車場を目指すため、意外と知られていないのだ。

 いままでまったく手入れが行われていなかったので、ここの紅葉をもっと綺麗に見せようと、秋口に小径の一部の枝払いや雑木の除伐を行った。その結果が写真の光景。手入れを行ったところは紅葉が映え、十分に効果があったようだ。来年は小径全体の手入れをして、もっと紅葉を楽しんでいただこうと思っている。今年の紅葉はもう散りかけ、見頃も今週いっぱいであろう。また来年 ・・・。
  
  

2014年11月28日金曜日

木の葉が舞う




 さあっと風が吹いてくる。汗ばんできた顔に心地よい。「クヌギ(櫟、椚、橡)」の林から一斉に枯れ葉が降り始める。「クヌギ」の葉は細長く、葉の縁は鋸状に波打ち、葉脈の先端は棘状の突起となって突出する。そんな形状のためか、「クヌギ」の葉は、風で一旦舞い上がると、くるくると回転し、なかなか落ちてこない。たくさんの葉が青空を背景に、一斉に回転する様は、それは美しく見事である。そんな光景を見ながら、今日も窯木づくりに精を出す。
  
  
  

2014年11月23日日曜日

天蚕の繭を見つけて



 クヌギの伐採をしている時に見つけた「ヤママユガ(山繭蛾)」の繭(まゆ)である。遊びの山のクヌギ林では、成虫、幼虫もふくめ、よく見つけることがある。

 「ヤママユ(山繭)」、「テンサン(天蚕)」とも呼ばれる日本在来の代表的な野蚕(やさん)で、北海道から九州にかけて分布し、クヌギ、コナラ、カシワ、シラカシなどの葉を食物として、全国の落葉性雑木林に生息している。

 いまでも続けられているかどうか分かりませんが、養蚕が盛んだった私の故郷・松本に隣接する地域、穂高町(現在の安曇野市)の有明では、いわゆる一般的な「お蚕さん」である「家蚕(かさん)」とは別に、江戸時代からこの「天蚕」の飼育が行われていることで知られていた。家蚕に比べれば、長径約5cmほどで大きな繭であるが、この繭1粒から長さで600~700m程度、繭1,000粒から重さで、250~300g程度の糸が得られるという。この糸は、「天蚕糸」とよぱれ.光沢が優美で、太く、伸度が大きく、織物にして丈夫で、しわにならず、暖かく、手触りも良いなどの優れた特徴があり、繊維のダイヤモンドにもたとえられて珍重されているという。(Wikipedia参照)

 見つけた繭にこんな故郷との縁を思い浮かべながら、この日も窯木づくりに精をだす。作業を終え振り返ると、クヌギ林はあらかた伐採が終わり、一株だけ残る「ヤマザクラ(山桜)」の真っ赤な紅葉が目を射る。

 
 

2014年11月21日金曜日

里山に遊ぶ爺と小学生たち


 年が明けてから始まる炭焼きの準備を続けている。クヌギの再生林で、前回の伐採の後10年をかけ、炭材として適当な太さにまで育った「台場クヌギ」を伐採し、所定の長さの「窯木」になるように「玉切り」し、枝を細かに分けて束ね、「バイタ」とよぶ「柴」を作る作業である。

 今日は、地域の小学4年生が「自然体験学習」で里山を学びに来てくれた。ちょうど爺さんたちの作業をウォーク・ラリーの途中で見学をして、かって人々の暮らしと密着してあった里山の形を実感してもらう。太閤秀吉の昔からこの地域で焼かれていた「菊炭」。このあと数十年後にも、この子供達に伝わっていたらいいなと思いつつ、伐採した山のようなクヌギの始末に向かう。やっぱり、人手が多いというものはありがたいもので、伐採予定のほぼ半数が片付いた。
  
  

2014年11月15日土曜日

いよいよ台場クヌギの伐採を始める



 いよいよシーズン到来である。年が明けたら、すぐに始まる炭焼きのための準備作業を始めた。この炭焼きであるが、太閤秀吉の時代よりこの地に伝わる美しい菊炭作りの技を伝承するために、山の手入れを行っている、我々ボランティア・グループが毎年行っているグループ最大の行事である。

 まず炭材となるクヌギの伐採である。なぜこの時期に伐採するのか? それは、葉が枯れ、もう水分を上げなくなったこの時期が一番伐採に適しているし、高温で炭を焼くのは寒い冬が適しているからである。前回、調査した区域の伐採に早速取り掛かる。台場クヌギを伐る位置は、古来より台場の株から「一寸」と言われており、其の位置にチェーンソーを入れて伐採する。伐採した幹は、枝を払い、我々の窯の大きさに合わせた約80cmの長さに玉切り(輪切り)する。これが、「窯木(かまぎ)」とよばれる炭の材料となる。我々の窯で、太さにもよるが、だいたい窯木が1回の炭焼きで400本ぐらい入るのである。


 払った枝はさらに細かく切り、50cmほどの長さにして束ね、柴木にする。これが「バイタ」と呼ばれ、窯木の炭焼きの初期の段階で、窯内の温度を上げ、熱の廻りをよくするために窯木の上に詰め込むものである。1回の炭焼きで80~100束ほど必要とする。まず2日間の作業を終えたが、ほぼ予定の半分ほどの伐採を終えることができた。残りは来週以降の楽しみ。今回の炭焼きは2回を予定しているが、炭焼きの終わる2月初旬までのこれからの約3ヶ月間、炭焼き三昧の日々となる。
  
  

2014年11月7日金曜日

もみぢ ふた色


 遊びの山の「イロハモミジ(いろは紅葉)」である。ほとんど同じ場所に在るのに、ちょっとした日当たりの差か、個体差か、色がまるで違う。不思議なものである。山全体が赤や黄色に染まりだした中で、年が明けたら本番を迎える、今シーズンの炭焼きの一連の作業も、この日スタートした。




 ほぼ10年前に伐採した「クヌギ(櫟、椚、橡)」が、「台場クヌギ」として適当な太さに成長してきたので、いよいよ今年から10年サイクルで、伐採区域を回していこうという試みを始める。そのためにも、まず伐採予定区域にどのくらいの数の台場クヌギが育っていて、どのくらいの量の窯木が採れそうかを調べなくはならない。伐採予定区域の台場クヌギの数をナンバリングし、一本一本の太さ、樹高を記録してゆく。その結果、「台場クヌギ」でおおよそ一窯分、さらに新たに高木を伐採することでもう一窯、計二窯分のクヌギを確保できると思われる。一応の目途を得て調査を終え、いよいよ来週より伐採を始める。老体にはきつく、しんどい作業ではあるが、あの菊炭の美しさを見たいばかりに、今年もまた楽しき3K作業に挑戦する。

2014年10月26日日曜日

あれ? 今頃つつじが ・・・


 遊びの山。クヌギを伐採した後の日当たりのいい斜面。春に咲いた「ヤマツツジ(山躑躅)」の株に、数は少ないが花が咲いている。「温暖化の影響かな?」と思って調べてみたら、どうもそうでもないらしい。「ツツジ」、「シャクナゲ(石楠花)」、「桜」、「モクレン(木蓮)」、「ボケ(木瓜)」などには、秋にも開花するものがあるという。現に我が家近くの桜は、秋に咲くこともある。秋の気温や日照時間が春と似ているために、木が間違えて時ならぬ花を咲かせ、これを「帰り咲き」、「狂い咲き」、「二度咲き」などと言うらしい。特に「ヤマツツジ」には、春と秋に二度花を咲かせる「二季咲きツツジ」、「秋咲きツツジ」という種類があるそうである。時ならぬサプライズで私の目を楽しませてくれた「ヤマツツジ」にちょっとびっくり。


 「写真の赤い実のなる木を探して、その名前を書きましょう。」 これは、この時期にいつも出るウォーク・ラリーの問題。答えは、「ガマズミ(莢蒾)」。何回見ても見惚れるその鮮やかな赤い実のゆえ、子供たちもすぐに見つけ出し、正答率も高い。そして、「ガマズミ」の実には、口に入れてみると独特の酸味があり、ポリフェノールも豊富に含まれているという。青森県三戸地方ではその昔、獲物を求めて一日中歩き回るマタギたちが、山中で食べるものがなくなると「ガマズミ」を探し出して口にし、身体を休めたそうだ。
  
  

2014年10月25日土曜日

色づき始めた遊びの山



 遊びの山が色づき始めた。一番早く色づく「ヤマボウシ(山法師、山帽子)」は、もう真っ赤に染まり、「コナラ(小楢)」、「クヌギ(椚)」なども色づきはじめている。この山に自生する「柿」もたわわに ・・・。例年より早い朝夕の冷え込み。この寒暖の差が、色付きや実りを促しているようだ。山遊びが楽しい季節が今年も始まった。
  
  

2014年10月22日水曜日

山の秋を探せ!




 ピンクのネックレス? 空に突き上げた拳? 実が幼児の拳のような形をしていることから名付けられた「コブシ(辛夷)」の実。そして、公園のいたるところに落ちている大きな「クヌギ(椚、櫟)」のドングリ(団栗)。この地の名産、「丹波栗」、「能勢栗」とは比較にはならないが、ドングリと並んで子供たちに人気の野生種の「シバグリ(柴栗)」。

 先週に引き続いて、子供達の「自然体験学習」のお手伝い。ミッションは「山の秋を探せ!」。こんな秋の実を探すことが、ウォーク・ラリーの問題。今週は小学生のウォーク・ラリーだけでなく、幼稚園園児を対象とした「森の幼稚園」も開催され、ドングリこまや笛作り、葉っぱを集めての冠作りなど、子供と遊ぶのに大忙しの週である。
  
  

2014年10月20日月曜日

今日一番の作品は ・・・


 「何?」と聞いたら、「パパの顔!」という答えが返ってきた。我がクラブが開いている月に一度の子供連れの家族を対象とした木工クラフトと手作りうどんを作るイベント。お母さんと来ていた2、3歳くらいの男の子の作品である。なんともユーモラスで、微笑ましく、「パパ」への想いが込められている。間違いなく今日一番の作品。

 秋が深まると、2ヶ月後のクリスマスの影響なのかどうか、お母さん方から、リース作りのための蔓の材料のリクエストが増える。今日も4人のお母さんから ・・・。一緒に山に入り、モロモロになりにくく、丈夫な「ヤマブドウ(山葡萄)」の蔓を採集してあげる。秋晴れの最高の天気。戸外で食う手打ちのうどんの味も最高であった。
  
  

2014年10月18日土曜日

山の秋は宝石箱のよう

 

 
 真っ赤な宝石のような実。触ると弾力があり、プルプルしている。「サンシュユ(山茱萸)」の実である。その実の美しさや感触から、「アキサンゴ(秋珊瑚)」、「ヤマグミ(山茱萸;同じ漢字表記)」などとも呼ばれている。この時期の遊びの山では、こんな美しい宝石のような実がいくつも見ることができる。  

 快晴のこの日、伊丹から100名を超える小学校3年生が公園に自然と触れ合うためにやってきた。兵庫県が小学校3年、4年生にカリキュラムとして実施している「自然体験学習」である。今日のメニューは、ウォークラリーとドングリ笛づくり。ウォークラリーの問題の中には、こんな秋の山の宝石を探すという問題も含まれていた。さて、ほかの宝石もいくつかあげておきましょうか。妖しい暗青色が魅力的な「ユズリハ(楪、交譲木または譲葉)」の実。その鮮やかな赤が愛らしい実は、ジャムやハーブ・ティーすると美味しい「ガマズミ(莢蒾)」。陽が当たるとその橙色が透けて、一層美しい野生種の「カキ(柿)」。そして白い小さな花と野鳥が好きな黒紫色の実が対照的な「タラノキ(楤木、桵木)」。 

 

2014年10月4日土曜日

鹿や猪はこんな事をしない


 炭の材料として昨年伐ったクヌギの株が、無残にもボロボロに剥がされている。これでは、「台場クヌギ」として新しい新芽の発生は全く期待できない。鹿や猪はこんな事をしない。ましてや、「カシノナガキクイムシ」のしわざでもない。人の仕業である。多分、「カブトムシ」か「クワガタ」の幼虫を採ろうとして、クヌギの切り株を剥いだのであろう。こんな状態の株がこの山にいくつかある。こんなことしなくとも幼虫は得られると思うのに、ひどいことをするもんだ。鹿や猪、野鳥などは、餌となる植物や虫などを最後まで食べ尽くして、根絶やしにするようなことは決してしない。そんなことをすれば、連鎖がくずれ、たちまち来年の餌に困るからだ。「共存」、あるいは「持続可能性(サスティナビリティ/sustainability)」ということを、本能的に知っているのである。

 かっては、数の子、最近は、鯨、黒マグロ、日本うなぎなど、全て人間の欲の結果がもたらしている昨今の食の状況を思うとき、考えさせられる出来事であった。日本にも「こもり柿」という良き習わしがあったのに ・・・ 。
  
  

2014年9月26日金曜日

ちょっとグロですが ・・・



 山で作業していると、今までは見たこともなかったような、いろいろな生き物に出会う。「カシナガ」捕獲用のシートを剥いだら出てきたのが、体長10cmは優に超えている「ナメクジ(蛞蝓)」。こんな大きなナメクジは初めて見ました。NETで調べてみると、一番近そうなのが、右の写真で、日本最大のナメクジ、「ヤマナメクジ」というのだそうだ。日本各地の森林に生息しているそうです。また、「ナメクジ」は、陸に生息する巻貝のうち、殻が退化しているものの総称だそうだ。そんなことも初めて知りました。

 こんな「ことわざ」があります。「ナメクジに塩」。不得手なものを前にして、すっかり元気をなくしてしまうという意味で使われることわざですが、その「グロさ」に、ピントを確認せずに撮ったつもりで早々にその場を離れた私のことを言っているみたいですね。


 こちらは、体長3cmほどの「ヤモリ」の可愛らしい赤ちゃん。これは全くOKです。日本全国に分布する、「ニホンヤモリ(日本守宮)」でしょうか。通常は森林には生息しないと言われるが、公園のワークショップに彷徨い出てきたもの。餌となる昆虫やクモも多いので、ここにも生息しているのでしょう。今の住宅に引っ越してきた20年ほど前は、我が家や近所の家の外壁に多く見かけたものだが、最近は餌となる虫が減ったためか、めっきり見なくなってしまった。

 この山で遊ばせてもらっているが、植物といい、生物といい、この地の歴史といい、興味が尽きることはないのである。この冬の「炭焼き」の計画について初めて話し合った日 ・・・。
  
  

2014年9月25日木曜日

この日一番の笑顔で



 この日一番の笑顔である。この日は私が所属するボランティア・グループが、月に一回開催している木工教室。我々の活動の主体である森の手入れにより、間伐材が大量にでる。そこで、我々だけが楽しんでいるだけではもったいないので、公園にやってくる子供たちにも楽しんでもらおうと始めたイベントで、もう2年半近く続いている。この日は、自由に動物などを作ってもらう、いつもの木工教室と「手作りピザ」というメニュー。天気がよく、飛び石連休ということもあって、多くの家族連れがやってきた。ピザの材料が予定数をオーバーし、受付をお断りせなばならなくなったくらい。そこでこの日一番の笑顔である。お母さんと娘さん二人でピザ生地を延ばしているところ。このあと、無農薬野菜などをトッピングして、手作りのピザ窯で美味しいピザが ・・・。


 そして、お父さん方は木工で実力を発揮。のこぎり、ドリル、錐などで子供さんの作品の加工を担当してもらう。この日もたくさんの作品ができました。そしてこの写真、この日一番の力作である。このイベント、楽しみにしているリピーターもだんだん増え、主催している我々爺さんたちも張り合いがでるというもの。さて、来月はどんな笑顔や力作に会えるだろうか。
  
  

2014年9月24日水曜日

虫、虫、虫 ・・・



 今年5月、ナラ枯れ対策として、被害木の「コナラ(小楢)」に巻いてあった粘着シート(アース製薬「カシナガホイホイ」)を、この日剥いだら、体長薬2~3mm、500匹くらいの「カシノナガキクイムシ」の幼虫が付着していた。羽化して孔から出てくる前に、シートで捕獲して、飛散を防ぎ、あらたな被害の拡散を防ごうという試みである。今回ばかりは、とても「虫めづる爺い」とはいかないが、さりとて虫の責任ではない。里山を放置林にしてきた人間の責任である。

 遊びの山での検証作業開始の初日、対策を施した時期が遅かったのか 適切な方法ではなかったのかはわからないが、捕獲が確認できない被害木もあった。今回施した対策の効果がどうだったか、全体的な結果の評価は、すべての調査と検証が終わるまで何とも言えない。しばらくは、対策の検証評価の作業が続き、そして、ここ数年は虫との戦いが続くことだけは確実である。
  
  

2014年9月16日火曜日

「マユミ」という名の ・・・




 「マユミ」が、すこし色付きだした。「色気付く」ではありませんよ。なにか女性の名前のようであるが、「マユミ(檀、真弓、檀弓)」は、別名「ヤマニシキギ(山錦)」とも呼ばれる、れっきとした日本の林に自生する落葉低木で、遊びの山にも自生している。材質が強い上によくしなる為、古来より弓の材料として知られ、それが名前の由来になった。小さく角ばった実が、もう少し熟してくると、その実が4つに割れ、鮮烈な赤い種子を吊るすようになる。(右写真;NETより拝借) また紅葉も美しいので庭木にされ、腰痛などの漢方薬にも用いるという。(Wikipedia参照)