2014年12月3日水曜日
森の手入れ、その効果は ・・・
この日の山遊びは「植生調査」。我々が行っている山の手入れ方法、ヒサカキ、リョウブ、ソヨゴ、アセビなどの常緑広葉樹を伐採して、山を明るくするという手入れの手法が、実際のところ植生の多様化にどの程度効果があるのかを調べるのが目的である。専門家の先生の指導を受けながら3年前から行っている調査である。森の中に、10m×10mの調査区域を設定し、その区域を覆っている常緑広葉樹の高木を伐採し、その後植生がどのように変化していくのかを調査している。今回は、午前中は講義、午後の半日をかけて、2箇所の区域の調査を行った。
2012年に始めた時の最初の区域は、伐採前は23種類だった植物の種類が、昨年調べた時は27種類に、そしてこの日の調査では35種類に増えていた。そして、昨年比較的日当たりの良い別の場所に設定した区域では、伐採前22種類だったものが、1年後のこの日は39種類に増えていた。この結果をみると、我々の行っている手入れの方法(兵庫方式)が効果がありそうだということが実証できそうだ。冒頭の写真は、この日新たに芽生えが確認できた「アオツヅラフジ(青葛藤)」のベイビー。この蔓(つる)を昔は「つづら(葛籠)」の材料としたという。秋には藍黒色の丸い実が熟す。
しかし、経験の浅い我々では数十種類に及ぶ新芽の名を特定することなど到底不可能である。先生の知識、眼力に頼らざるを得ないのであるが、この機会が名前を覚える格好のチャンスでもある。「アオツヅラフジ(青葛藤)」をはじめ、数種類の名を覚え、見分けることができるようになったのもこの日の収穫。
日当たりが良くなれば、今までは生えなかった草花が芽を出し、虫や蝶が集まってくるし、それを狙う鳥なども集まってくるという森の活性化や多様化が期待できる。この日は調査区域で、今まで見たことがなかった「ヒメカマキリ(姫蟷螂)」を見つけることができた。体長3cmほどの小型のカマキリで、9~11月に発生し、山間部の樹木にいることが多いという。こんな発見でも手入れの効果が実感できると爺さんたちは、「さあ、また頑張ろう」という気になってしまう。
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