2014年10月26日日曜日

あれ? 今頃つつじが ・・・


 遊びの山。クヌギを伐採した後の日当たりのいい斜面。春に咲いた「ヤマツツジ(山躑躅)」の株に、数は少ないが花が咲いている。「温暖化の影響かな?」と思って調べてみたら、どうもそうでもないらしい。「ツツジ」、「シャクナゲ(石楠花)」、「桜」、「モクレン(木蓮)」、「ボケ(木瓜)」などには、秋にも開花するものがあるという。現に我が家近くの桜は、秋に咲くこともある。秋の気温や日照時間が春と似ているために、木が間違えて時ならぬ花を咲かせ、これを「帰り咲き」、「狂い咲き」、「二度咲き」などと言うらしい。特に「ヤマツツジ」には、春と秋に二度花を咲かせる「二季咲きツツジ」、「秋咲きツツジ」という種類があるそうである。時ならぬサプライズで私の目を楽しませてくれた「ヤマツツジ」にちょっとびっくり。


 「写真の赤い実のなる木を探して、その名前を書きましょう。」 これは、この時期にいつも出るウォーク・ラリーの問題。答えは、「ガマズミ(莢蒾)」。何回見ても見惚れるその鮮やかな赤い実のゆえ、子供たちもすぐに見つけ出し、正答率も高い。そして、「ガマズミ」の実には、口に入れてみると独特の酸味があり、ポリフェノールも豊富に含まれているという。青森県三戸地方ではその昔、獲物を求めて一日中歩き回るマタギたちが、山中で食べるものがなくなると「ガマズミ」を探し出して口にし、身体を休めたそうだ。
  
  

2014年10月25日土曜日

色づき始めた遊びの山



 遊びの山が色づき始めた。一番早く色づく「ヤマボウシ(山法師、山帽子)」は、もう真っ赤に染まり、「コナラ(小楢)」、「クヌギ(椚)」なども色づきはじめている。この山に自生する「柿」もたわわに ・・・。例年より早い朝夕の冷え込み。この寒暖の差が、色付きや実りを促しているようだ。山遊びが楽しい季節が今年も始まった。
  
  

2014年10月22日水曜日

山の秋を探せ!




 ピンクのネックレス? 空に突き上げた拳? 実が幼児の拳のような形をしていることから名付けられた「コブシ(辛夷)」の実。そして、公園のいたるところに落ちている大きな「クヌギ(椚、櫟)」のドングリ(団栗)。この地の名産、「丹波栗」、「能勢栗」とは比較にはならないが、ドングリと並んで子供たちに人気の野生種の「シバグリ(柴栗)」。

 先週に引き続いて、子供達の「自然体験学習」のお手伝い。ミッションは「山の秋を探せ!」。こんな秋の実を探すことが、ウォーク・ラリーの問題。今週は小学生のウォーク・ラリーだけでなく、幼稚園園児を対象とした「森の幼稚園」も開催され、ドングリこまや笛作り、葉っぱを集めての冠作りなど、子供と遊ぶのに大忙しの週である。
  
  

2014年10月20日月曜日

今日一番の作品は ・・・


 「何?」と聞いたら、「パパの顔!」という答えが返ってきた。我がクラブが開いている月に一度の子供連れの家族を対象とした木工クラフトと手作りうどんを作るイベント。お母さんと来ていた2、3歳くらいの男の子の作品である。なんともユーモラスで、微笑ましく、「パパ」への想いが込められている。間違いなく今日一番の作品。

 秋が深まると、2ヶ月後のクリスマスの影響なのかどうか、お母さん方から、リース作りのための蔓の材料のリクエストが増える。今日も4人のお母さんから ・・・。一緒に山に入り、モロモロになりにくく、丈夫な「ヤマブドウ(山葡萄)」の蔓を採集してあげる。秋晴れの最高の天気。戸外で食う手打ちのうどんの味も最高であった。
  
  

2014年10月18日土曜日

山の秋は宝石箱のよう

 

 
 真っ赤な宝石のような実。触ると弾力があり、プルプルしている。「サンシュユ(山茱萸)」の実である。その実の美しさや感触から、「アキサンゴ(秋珊瑚)」、「ヤマグミ(山茱萸;同じ漢字表記)」などとも呼ばれている。この時期の遊びの山では、こんな美しい宝石のような実がいくつも見ることができる。  

 快晴のこの日、伊丹から100名を超える小学校3年生が公園に自然と触れ合うためにやってきた。兵庫県が小学校3年、4年生にカリキュラムとして実施している「自然体験学習」である。今日のメニューは、ウォークラリーとドングリ笛づくり。ウォークラリーの問題の中には、こんな秋の山の宝石を探すという問題も含まれていた。さて、ほかの宝石もいくつかあげておきましょうか。妖しい暗青色が魅力的な「ユズリハ(楪、交譲木または譲葉)」の実。その鮮やかな赤が愛らしい実は、ジャムやハーブ・ティーすると美味しい「ガマズミ(莢蒾)」。陽が当たるとその橙色が透けて、一層美しい野生種の「カキ(柿)」。そして白い小さな花と野鳥が好きな黒紫色の実が対照的な「タラノキ(楤木、桵木)」。 

 

2014年10月4日土曜日

鹿や猪はこんな事をしない


 炭の材料として昨年伐ったクヌギの株が、無残にもボロボロに剥がされている。これでは、「台場クヌギ」として新しい新芽の発生は全く期待できない。鹿や猪はこんな事をしない。ましてや、「カシノナガキクイムシ」のしわざでもない。人の仕業である。多分、「カブトムシ」か「クワガタ」の幼虫を採ろうとして、クヌギの切り株を剥いだのであろう。こんな状態の株がこの山にいくつかある。こんなことしなくとも幼虫は得られると思うのに、ひどいことをするもんだ。鹿や猪、野鳥などは、餌となる植物や虫などを最後まで食べ尽くして、根絶やしにするようなことは決してしない。そんなことをすれば、連鎖がくずれ、たちまち来年の餌に困るからだ。「共存」、あるいは「持続可能性(サスティナビリティ/sustainability)」ということを、本能的に知っているのである。

 かっては、数の子、最近は、鯨、黒マグロ、日本うなぎなど、全て人間の欲の結果がもたらしている昨今の食の状況を思うとき、考えさせられる出来事であった。日本にも「こもり柿」という良き習わしがあったのに ・・・ 。