2013年7月29日月曜日

ビオトープで小舟を浮かべる


 今日は、子供たちと工作をして遊ぶイベントの日。鰯缶の空き缶でポンポン船をつくって遊ぶ工作である。夏休みに入り、山遊びの公園は水遊びができる格好の場所があるので、朝から親子連れの来園者で一杯である。夏休みの宿題の工作ができるとあって、我々のイベントも参加者で一杯。


 鰯の缶詰の空き缶、予めコイル状に巻いたアルミチューブ、アルミのキャップ、針金、固形燃料。材料は、基本的にはこれでOK。作り方はいたって簡単。鰯缶の船の後部となる箇所に穴を開け、コイルを通し、針金で支える。そして、固形燃料を入れる火皿を作れば基本的に完成。後は舵や旗などの飾りをつける。

 早速できた船をビオトープに浮かべる。火皿に固形燃料を入れ、アルミチューブのコイル部分を熱すれば、しばらくたって鳴動を始め、ゆっくりと走りだす。波紋を描きながら、ゆっくりと進んでいく姿は、なんともレトロでアナログでほほえましい。
  
  

2013年7月14日日曜日

熱中症も怖いですが ・・・


さて本日、猛暑の中での山作業は「熱中症」が怖いのであきらめて、手入れをしている山の「ナラ枯れ調査」をすることになった。「ナラ枯れ」は、「松枯れ」とならんで、全国に被害が拡大していて、深刻な問題になっている。「ナラ枯れ」とは、「ナラ菌」というカビの仲間の病原菌と、その病原菌を媒介する「カシノナガキクイムシ」という体長5㎜ほどの昆虫によって、ナラ類、シイ、カシ類の樹木を枯らす「樹木の伝染病」である。


 ミズナラ、ブナ、コナラ、クヌギなどのナラ類、シイ、アラカシ、シラカシなどのカシ類は、身近な森林を形成している馴染のある樹木であるから、「ナラ枯れ」は身近な自然に係わる怖い問題でもある。「カシノナガキクイムシ」は、病原菌を体内に入れて運び、夏から秋に樹木に無数の穴をあけ、卵を産み付け、翌年の6月にその幼虫が羽化し、また新しい樹木に卵を産み付け ・・・といったことを繰り返すのである。ナラ菌は孔道を伝わって蔓延するため、水分が上がらなくなり、真夏から晩夏にかけ急速に葉が萎れ、茶色や赤茶色に枯れてしまう。1本の木から数万頭が羽化するといわれ、一度罹ると、その森には爆発的に被害が拡がるという。

 実は、京都府は全域、兵庫県でも丹波篠山あたりまで被害が拡大しており、この近くの山でも被害が見つかったという報告もあるので、我々の山でも時間の問題かと危惧されていた。早い時期に被害を発見し、拡大しないように、対策うつため、幼虫が羽化した後の被害を発見しやすいこの時期に、目視により被害確認を行おうとするものである。

 「ナラ枯れ」は木に水分が上がらないために発症し、「熱中症」も水分不足で熱がこもるため発症する。ナラ枯れ調査の我々が、熱中症になってはシャレにもならないので、十分な水分と塩飴などを持って、調査を開始する。2時間ほど調査を行ったが、我々の受け持ち区域では、幸いなことに被害木は発見できなかった。

 森に入ると、緑陰。すっと暑さが和らぎ、尾根に出ると吹き抜ける風に爽快感を覚える。今年初めて聴く蝉の声。やはり梅雨は明けたんだ。山頂近くで見つけた「野いちご」の「赤」が、この日の厳しい暑さを忘れてしまうほど、一際鮮やかであった。
 
 午後からは、この暑さにめげずやってきたシニアの里山ウォーキングのグループを案内し、さらにこの暑さで例年より早く熟れてしまった「ヤマモモ(山桃)」の実を、食育イベントのために採集して、この暑い一日を終える。