2015年10月12日月曜日

季節はずれですが、桜の話題です




 わが遊びの山に、絶滅危惧種の「エドヒガンザクラ(江戸彼岸桜)」が自生する群落がある。この群落とこの山を貫いて走る「多田銀銅鉱脈」の露天掘り跡、点在する「間歩(まぶ)」群が、今年の9月、川西市の天然記念物に指定された。「エドヒガン」としては、この地域では4例目の指定である。

 それを記念して、北摂里山のエドヒガンの魅力や、今回の天然記念物指定の経緯、今後の保全活動や他の群生地との連携等について考えるため、「エドヒガンシンポジウム&観察会」が開かれた。私も公園の活動団体を代表して、パネル・ディスカッションのパネラーの一人として出席した。

 我がクラブは、山の手入れ、ナラ枯れ対策、クヌギ再生林の保全と炭焼きなどに多くの時間を割き、「エドヒガン」に関しては、実の採集、発芽、育苗程度のことしか取り組んでこなかったのが実情。全体を通じて、先輩事例の話を聞くと、「まっ、大変だなあ」という印象が先に立ったが、天然記念物としての意義、先輩の事例、課題など今後の保全等のあり方を考える上で大変参考になった。が、立派な活動の先進事例を聞いて、大きなプレッシャーを感じたことも事実。今回の指定を受け、また一つ「エドヒガン」の保全という山遊びのテーマが増えそうだ。

 シンポジウムの後、観察会があったが、天然記念物に指定された「エドヒガン」の群落、今はこんな観察会でもないと訪れる人もなく、木漏れ日の中で来年の春が来るのをひっそりと待っている。家に帰ってから、昨年6月山で採集した「エドヒガン」の種を直播きし、この春発芽した苗を30株ほど、育苗ポットに植え替えた。いずれは山へ戻すつもりである。大層なことは考えずに、まずこんなことから積み重ねていこうか。


  

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