2013年1月17日木曜日

火打石で火をおこす


 炭焼きの「火入れ」の儀式を見ながら、自分で「火打石(ひうちいし)」を作ってみたいとずっと思っていた。古くは「燧石」とも表記される「火打石」。年末に年明けの炭焼きに使う「火打石」を作ってみようと思い立つ。「石」を作ることはできないのであるから、正しくは「火花式発火法」に用いる「火打道具」のセットを作ってみるというのが正しかろう。「火花式発火法」とは何か? 鋼鉄片の「火打金(ひうちがね)」に硬い石を打ちあわせて出る火花を「火口(ほくち)」に点火する方法で、この「火打金」、「火打石」、「火口」が「火打道具」である。

 日本における「火打石」の歴史は古く、「古事記」において、「倭建命(やまとたけるのみこと)」が叔母の「倭媛(やまとひめ)」から授かった袋に入った火打道具を用いて、富士の裾野で襲い来る敵から難を逃れた話がよく知られ、また「養老律令軍防令」においては、兵士50人ごとに「火鑽(ひうち)」1具と「熟艾(やいぐさ)」と呼ばれるモグサなどで作った火口1斤の携帯を義務付けたという記述があるという。(Wikipediaによる)

 「火打石」による発火の原理は、「火打石」を「火打ち金」に打ち付けることによって剥がれた鉄片が火花となり、それが「火口」に移り、発火を得るものである。まず「火打石」。材質としては玉髄、チャート、石英、ジャスパー、サヌカイト、黒曜石などが適しているというが、「チャート」を産出すると聞いた近所の場所で、年末に採集してきた。その近くに「火打」という地名があるので、何か関係があるのかも知れない。「火打ち金」、これはちょうど不要になった金鋸の歯があったので、それを折って重ねたものを使う。その他、鉋の刃など焼の入った鋼鉄ならば何でもよさそうである。これを握りやすく使い勝手のいいように木で挟んで固定する。そして最後は「火口」。木綿を3~4cm角に小さく切っったものを、蒸し焼きにして作る。木の加工に少してこずったが、まあ何とか使えそうなものが出来上がった。さっそく試してみたが、見事に火がついたのである。これさえあれば、サバイバル、どんと来い!!???。気分はもう「倭建命」。下の写真が完成したマイ「火打ち道具」と発火の瞬間の写真である。


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