2021年11月24日水曜日

炭焼き入門講座(8) 窯焚き ただひたすらに薪を焚き、蛇の舌を待つ

 


 炭焼き二日目は「窯焚き」。朝8時から約8時間、ただひたすらに薪を燃やし、窯木が熱分解を始める温度、500~600℃まで、窯の温度を上げる。強い火力を得るために、薪は2年以上乾燥したものを燃やすと決めている。一度に多くの薪は入れず、5~6本の薪で炎が最大、それを持続するように、薪の配置や入れるタイミング、燠の始末などに「コツ」があり、この薪を燃やすのにも、それなりの技が必要である。初めは「バイタ」から熱分解が始まり、温度が上がるにつれ、窯木全体が熱分解を始めてゆく。


 熱が窯全体に回り始め、煙の道筋が安定した排煙口からでるようになった段階で、天井を閉め、煙突を接続する。この時温度センサーを天井と煙道口に挿入する。しばらくの間は、天井のセンサーは、薪の炎の温度、煙道口のセンサーは、窯木から出る水蒸気の温度を感知するので、窯の温度としては参考にならない。
  

 
 8時間ほど薪を燃やし続け、天井温度が500℃を超えた午後4時ころになると、窯の温度が十分上がり、窯木が自分で熱分解を始め、外部から熱を加えなくても、反応が進んでいくというサインが現れる。「蛇の舌」と呼んでいるサインである。熱分解によって窯木から発生した可燃性ガスが窯に充満し、焚口に逆流し、薪の炎によって着火し、まるで「蛇の舌」のように伸びてくる。こうなると、もう薪は不要である。焚口を遮断する準備をする。

  

  
 以前はレンガと粘土によって壁を作り、遮断していたが、燃え盛る炎の前での作業、まさしく3K作業の最たる作業である。昨年からは、軽量セメントボード、耐熱石膏ボードの遮蔽板を試作し、3K作業の改善に大きな効果を得られた。
  
  
 密閉しても、窯の温度は十分に上がっているので、熱分解は進行し、さらに窯の温度は上がっていく。反応の進み具合を調整し、「くどさし」のタイミングを図るための空気調整口を残して遮蔽を行い、「窯焚き」は完了する。
 



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