2021年11月21日日曜日

炭焼き入門講座(6) 準備万端怠りなく、手を抜かないこと

 
  

 さあ、「炭焼き入門講座」、今回から炭焼き本番の説明をしていきます。炭焼きのプロセ
スは、準備~窯入れ~窯焚き~蒸らし~練らし~くどさし~窯だし~後片付け、反省の8工程
を行います。

 まず最初にしなくてはならないのは、窯木の確認です。伐採した「クヌギ(椚、橡)」を80㎝の長さに玉切りし、小枝を束ねた「バイタ」と一緒に炭窯付近まで運び、2回分の炭焼きに足るだけの数が準備できたかどうか確認し、1回目、2回目の仕分けもします。鹿の食害に悩ませられる以前は、ふんだんに窯木が得られたので、こんな心配はしなくてすんだのですが・・。もし足らない場合は、窯木には太すぎるものを割って割り木として使います。


 そして、薪の確認。「窯焚き」は薪の火力が命。最低2年乾燥した薪を、一窯あたり50~60本使いますので、その薪の選定も大事な準備です。炭焼き期間中に薪割をして、2年後の炭焼きに備えた薪の準備をしておきます。

  

 そして、粘土採取。「窯焚き」後の焚口遮蔽のために使う粘土を山から採取し、篩(ふるい)にかけて準備しておきます。

  

 さらに、重要な仕事は、窯の中央に置き、炭焼きの前後で寸法や重さの変化を比較し、また出来栄えの評価をする、「標本木」と呼んでいる窯木10本の選定。

 反りや曲がりの少ない直径5~10㎝ほどの窯木を10本選んで、識別のための金属タグを取り付け、寸法や重さを測って記録します。このデータにより、炭焼き後は、体積で50~60%、重さで25~30%になるという貴重な知見が得られています。


   

 前回の炭焼きからほぼ1年経っています。炭窯内部の点検を10月ころに実施し、不具合があれば年内に補修を終えておきます。1年経つと窯も相当湿気を吸っています。窯が湿気ていると、なかなか温度が上がらず、炭の出来が悪いという経験から、本番前に窯内で炭を燃やし、十分乾燥させておくことも重要な準備作業。



 木酢液回収システムの点検もしておきます。以前、タールによる目詰まりトラブルをおこしたことがあります。煙突内部のタールを落とし、チューブの詰まりをチェックして、必要ならば、チューブの取り換えをし、また、タンク内の木酢液を抜いておきます。多い時は1回で200リットルを超えることがあります。


 最後は、炭焼きで使う道具類、治具類(遮蔽板、空気調整口、温度計測センサー固定治具)、計測器などの点検動作確認です。また、データシートなども事前に用意しておきます。

 準備万端怠りなく、ここまですれば、あとは窯入れ当日を迎えるだけです。




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森林ボランティアや炭焼きを楽しみたい方ならどなたでも結構です。
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11月からは菊炭の材料となるクヌギの伐採が始まります。
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