2015年1月18日日曜日
炭焼きの合間に楽しむ
さて皆さん、上の写真、容器に入った真っ黒いものに炭化したものは何でしょうか? 答えは、うどんとお揚げさん。カップ麺の食材です。そうです、こんなものまでが炭になるです。
炭焼きの二日目は、最低でも8時間、ただひたすらに薪を燃やして、窯の温度を上げる一日。正直に言うと、「火の番」の担当以外は、暇なのです。そこで、一般参加者の皆さんを飽きさせずに、その時間をなんとか楽しんでもらおうと、いろいろな体験をしてもらっている。その一つが、飾り炭づくり、とにかくいろんなものを炭にしてみようという遊びである。そこでできたのが、なんと「うどん炭」。
作り方はいたって簡単。山にあるどんぐり、葉っぱ、栗、野生の柿など、あるいは蜜柑、バナナなどを小さな孔を開けた缶に入れ、炭の上で蒸し焼きにすれば、「遊び炭」というか「飾り炭」が出来上がる。細い栗のイガの一本一本まできれいに炭化される。その他過去の経験では、蜘蛛の巣、蛾の繭(まゆ)なども炭にしたことがある。
そのほかの楽しみ方は、ふんだんにある炭を使って、七輪での炭火熾しの仕方、焼き芋づくり、縁起ものの炭細工、薪割り機を使っての薪割りや、竈(かまど)で薪を使ってのの炊飯、火打石による発火など ・・・。次回は、クヌギを使って、椎茸のほだ木づくりもしてもらおうかなと思っている。こんなふうに楽しむことはいっぱいあるし、また、それはサバイバルの知恵ともなっている。
2015年1月16日金曜日
はばタン、遊びの山に来たる
兵庫県以外に住んでいる人には多分馴染みが薄いでしょうが、兵庫県のゆるキャラ、「はばタン」が、我々の遊びの山にやってきた。ちょっと見は「ひよこ」に似ているが、この「はばタン」、「阪神・淡路大震災」から復興する兵庫の姿を、甦っては元気に羽ばたく「フェニックス(不死鳥)」になぞらえてデザインされたもので、最初は、平成18年(2006年)に開催された「のじぎく兵庫国体」のマスコットであったが、現在は県のマスコットに指定され、県のPRやイベントなど、いろいろなところで一役かっているので、兵庫県民には結構人気があるらしい。
なぜ「はばタン」が山にやってきたのかって? 兵庫県のローカル民放TV局の番組に、兵庫県が提供している県民情報番組がある。我々の活動している遊びの山は県立公園なので、その番組が、公園とそこで里山保全のボランティア活動をしている我々とを、PRを兼ねて取材に来たというわけである。女性レポーターやTV局クルーと一緒にやってきた「はばタン」、森やクヌギ林の手入れ、薪割り、飾り炭の炭焼きなどを、ほぼ一日がかりで体験取材していった。なんと私もちょこっとインタビューを受けたので、放映されるとか ・・・。
明日、1月17日は、平成7年(1995年)の「阪神・淡路大震災」発生から20周年。そして「はばタン」は、それから8年後にあたる平成15年(2003年)1月17日が誕生日とされている。あの日の記憶、少しずつは薄れていってはいるが、まだまだ鮮明に覚えている。今年は節目の20年、追悼の行事が各地で行われる。
2015年1月15日木曜日
妖しの炎は炭化が順調に進んでいる証拠
さて、炭焼き三日目と四日目のレポートである。窯内の温度が窯木が自身で熱分解を起こす温度(300~400℃)に達したため、薪を燃やすのを止め、空気孔を残し、窯口をレンガで遮蔽するところまでが前日の作業であった。三日目は、温度計で排煙口の温度を測り、窯内の温度を推定しながら、空気孔の開け具合を調節する。これは、ゆっくりと炭化を進行させ、翌日の日中に「くどさし」と呼んでいる、窯内への空気を遮断し、それ以上の炭化、すなわち灰になってしまうことを防ぐための作業を実施したいがための調節である。
冒頭の写真のように、補助口から窯の内部を覗いてみると、倒れ掛かったトタン板の奥に、熱分解を起こして真っ赤になった窯木がかすかに見える。なんと妖しく、そして不思議で美しい赤なんだろうか。
そして、四日目。いよいよそのときを迎える。炭焼きの工程の中で最大の山場である「くどさし」である。このタイミングが早すぎると生焼け状態となり、遅すぎると灰化が進んでしまう。炭の出来栄えを決める重要なポイントである。我々は、「くどさし」を行うか否かを、窯内の温度の想定、煙の色と出方、排煙口でのマッチの点火時間で判断をしている。この日も朝から温度測定を繰り返していたが、窯焚きに用いた薪の乾きが良くなく、その影響が後々まで及び、なかなか温度が上がらない。空気孔は全開にしたままである。これは、熱分解、炭化の進行が遅れていることを意味するので、すこしハラハラしたが、どうやら、「くどさし」の時期を迎えたようである。
排煙口をしっかり閉じ、窯口の空気口も閉じて、砂で完全に覆ってしまう。これで空気は完全に遮断され、炭化の進行は止まり、徐々に窯の温度は下がってゆく。プロの炭焼き師は、炭焼きの効率を上げるために、100度もある窯に入り炭を取り出すというが、我々はそんな危険なことはできないので、十分に窯が冷えた10日ほど経ってから炭を取り出す。この「くどさし」を終えたあとはもうなす術は何もない。後はいい炭ができるようにと天に祈るばかりである。さて、どうなりますか ・・・。
2015年1月14日水曜日
蛇の舌は窯口遮蔽の合図 ~ 待望の炭焼き始まる ~
いよいよ待ちに待った炭焼きが始まった。第一回目は10名ほどの一般参加者を交えての炭焼きである。初日は、炭焼きの歴史や作業工程をすこし学んでもらい、窯前で二拝二拍手一拝、例年通りの窯開きの神事を終え、作業に取り掛かる。まずは、我々が昨年伐った窯木とバイタを集積所から軽トラに積み、窯の前まで運ぶ作業。そして窯入れである。手渡しで順々に窯の中に入れ、窯の中では窯木の細い方を下にしてぎっしりと詰め込んでいく。そして窯木の上部にはバイタも同じようにして詰め込んでいく。我々の窯の大きさだと、約400本近くの窯木と約80束のバイタが詰め込まれる。そして、窯木と薪とを遮断するトタンを設置すれば、窯入れ作業は完了。下の図は窯入れ後の窯の断面図である。このあと、古式に則り、火打石によって発火させた火を薪に点火し、冷え切っている窯を温めるための予備乾燥を行って、初日の作業を終える。
さて、二日目は、ただただひたすらに焚口で一日薪を燃やす日である。炭焼きというのは、窯木を直接焼くのではなく、窯口で薪を燃やすことによって、窯内の温度を数百度まで上げ、詰め込まれた窯木の熱分解を促進させ、炭化させる作業である。従って経験上、最低でも8時間は窯焚きを行わなくてはならない。このとき重要になるのが、薪の乾きの状態である。十分乾燥させた薪を使わないと、強い火力を得られず、窯の温度が上がらない。今回もそんな乾きが十分でない薪が混じっていたため、窯の温度が上がらず、ハラハラ、イライラした窯焚きであった。
やがて十分に温度が上がってくると、熱分解されたセルロース、リグニンなどのガスが窯内に充満し、窯口へと逆流し、火がつく。それが冒頭の写真のように、「蛇の舌」のように見えるのである。この現象が始まると、もう薪を燃やさなくても、窯内の温度が十分に上がっているため、空気を送ってやりさえすれば、熱分解を促進していく。空気穴を残して窯口をレンガで遮蔽する、その作業に取り掛かる合図が、「蛇の舌」なのである。この作業で二日目を終えるが、終える頃は、あたりは真っ暗で冷気が肌を刺す午後6時をとうに超えた時間である。乾きの十分でない薪を使ったことの反省や、済の出来栄えの心配、明日からの作業の思案などを頭に描きながら帰路に着く。
2014年12月28日日曜日
炭焼きの準備を終え、今年最後の山遊びを締める
見事に積み上がった窯木。年明けから始める炭焼き(黒炭;菊炭)の材として、今年伐った10年ほどの「台場クヌギ」を積み上げたものである。11月から再生林で伐採を始め、玉伐りや枝処理をし、急斜面を下ろし、積み上げたもの。トータルでざっと1,000本近くありましょうか、積み上がった様は、美しいと思えるほど。ほぼ2ヶ月、延べ11日ほどかけてやっと材料の準備を終えることができた。メンバーに事故や怪我がなく、今年一年を締められることに感謝。後は年明けから始まる炭焼きの安全と成功を祈るばかり ・・・。
2014年12月22日月曜日
今年最後のイベントも子供達の笑顔がいっぱい
昨日の雨は嘘のように晴れ上がり、気温は寒いが、陽の光が暖かい。我がクラブ、今年最後のイベントのひである。日頃は、山に入り森の手入れを行っているが、「我々だけ楽しんでは申し訳ない、なにか一般の人のも喜んでもらえる企画はないだろうか」ということで、そこで出た間伐材を使って子供たちに自由な木工細工と手作りの饂飩(うどん)、ピザなどを楽しんでもらうイベントで、概ね月1回行っている。
結構ピザや饂飩が美味しいと、最近はリピーターが目立つようになり、すぐに予約が一杯になる日も多い。この日も9家族35人の家族連れが、朝からやってきてくれた。いつもはつくるものは自由であるが、12月とあって、この日の木工はクリスマス・リースがメイン。先日山で採取してきた「やまぶどう(山葡萄)」の蔓を使って、家族それぞれ思い思いのリースがいくつも出来上がった。そしてピザは、旬の野菜、サツマイモを載せたピザ。家族で生地延ばしとトッピングをしてもらい、手作りのピザ窯を使い、我々が炭焼きで焼いた炭を用いて焼き上げる。
今年もまた子供たちのいっぱいの笑顔に囲まれた一年 ・・・。また来年もこのイベントを続けることになりそうだ。さて、今日は冬至。柚子湯にゆっくりと浸かるとしようか ・・・。
2014年12月20日土曜日
寒さにかじかむ手で窯木おろしを ・・・
昨日は雪のため山遊びは中止。一夜明けた今日は、雪も風も止み、気温は2℃と寒いが、穏やかな天気。年明けから始める炭焼きまであまり時間がないので、伐採した「クヌギ」の窯木をおろす作業をただひたすらにする。有難いことに、都合が悪かった一人を除いて13人のメンバーが集まってくれた。感謝。
朝のうちは前日の雪がまだ少し残っている再生林の滑りやすく足場の悪い急斜面で、指先がかじかむ手で、次々と窯木を下ろしてゆく。しかし、動けばすぐ体は暖かくなり、一枚脱がなくてはならないほど、汗ばんでくる。
仲間が「クヌギ」の切り株に、野生の「ヒラタケ(平茸)」を見つけた。広葉樹の朽木や切り株に、いくつか重なり合って発生し、味にも香りにも癖がなく、汁物、鍋物、炊き込みご飯、天ぷら、うどんなどさまざまな料理に使われているという。早速、夜の食卓で ・・・。次の休みの木工細工のイベントで使うクリスマス・リースの材料となる蔓(つる)を採取して今日の作業を終える。
2014年12月16日火曜日
木耳を見つける
「きくらげ(木耳)」である。伐採したクヌギの窯木の中から、山遊びの仲間が見つけた。中華料理では馴染みの茸が、こんなところに生えていた。「きくらげ」は、干した「クラゲ(水母、海月、水月)」に味が似ていることから、樹木に生える「クラゲ」の意味で名付けられたという。 漢字の「木耳」は中国からの用字で、形が人間の耳に似ていることから付いた名で、「木の耳(きのみみ)」という別名もあるという。たしかにそんな形をしている。「クヌギ」や「コナラ」などは、椎茸の原木栽培の「ホダギ(榾木)」としても用いられるから、「きくらげ」が生えても一向に不思議はない。山遊びは、こんな新しい発見もあるから面白い。そういえば、中国を出張で訪れていた頃、お土産に大量の「きくらげ」をもらい、どうしようかと苦慮したことを思い出した。
2014年12月7日日曜日
冷え切った体には豚汁が一番
今日は里山に関心のある皆さんが、総勢45人ほど、「北摂里山バスツアー」ということで、我々が活動している公園に来園された。折しも寒波襲来、外気温は2℃、この時期にしては身を切るように寒い。サポートする我々の役目は、園内の散策の案内と説明、竈を使っての炊飯と豚汁づくりである。
炭焼きの歴史から、台場クヌギの育成、伐採、炭焼きに至るまでのストーリーや手順を、炭焼き窯、クヌギ再生林などの現場を見てもらいながら説明をする。再生林は、ちょうど年明けから始まる炭焼きの窯木づくりをしている最中で、この地域の里山のかっての有り様が、よくわかっていただけたのではないだろうか。
さらに、「エドヒガン(江戸彼岸)」桜の群生林、その実生からの育苗、この山のいたるところにある先人の残した「間歩(まぶ);手掘りの坑道」や炭窯跡、「ナラ枯れ」対策や森の手入れの実際など我々の活動を見てもらいながら、約2時間の散策を終える。冷え切った体に、竈を使っての炊いた野菜たっぷりの60人分の豚汁と古代米(黒米)入のご飯を振舞ってツアーのサポートを終える。
2014年12月3日水曜日
森の手入れ、その効果は ・・・
この日の山遊びは「植生調査」。我々が行っている山の手入れ方法、ヒサカキ、リョウブ、ソヨゴ、アセビなどの常緑広葉樹を伐採して、山を明るくするという手入れの手法が、実際のところ植生の多様化にどの程度効果があるのかを調べるのが目的である。専門家の先生の指導を受けながら3年前から行っている調査である。森の中に、10m×10mの調査区域を設定し、その区域を覆っている常緑広葉樹の高木を伐採し、その後植生がどのように変化していくのかを調査している。今回は、午前中は講義、午後の半日をかけて、2箇所の区域の調査を行った。
2012年に始めた時の最初の区域は、伐採前は23種類だった植物の種類が、昨年調べた時は27種類に、そしてこの日の調査では35種類に増えていた。そして、昨年比較的日当たりの良い別の場所に設定した区域では、伐採前22種類だったものが、1年後のこの日は39種類に増えていた。この結果をみると、我々の行っている手入れの方法(兵庫方式)が効果がありそうだということが実証できそうだ。冒頭の写真は、この日新たに芽生えが確認できた「アオツヅラフジ(青葛藤)」のベイビー。この蔓(つる)を昔は「つづら(葛籠)」の材料としたという。秋には藍黒色の丸い実が熟す。
しかし、経験の浅い我々では数十種類に及ぶ新芽の名を特定することなど到底不可能である。先生の知識、眼力に頼らざるを得ないのであるが、この機会が名前を覚える格好のチャンスでもある。「アオツヅラフジ(青葛藤)」をはじめ、数種類の名を覚え、見分けることができるようになったのもこの日の収穫。
日当たりが良くなれば、今までは生えなかった草花が芽を出し、虫や蝶が集まってくるし、それを狙う鳥なども集まってくるという森の活性化や多様化が期待できる。この日は調査区域で、今まで見たことがなかった「ヒメカマキリ(姫蟷螂)」を見つけることができた。体長3cmほどの小型のカマキリで、9~11月に発生し、山間部の樹木にいることが多いという。こんな発見でも手入れの効果が実感できると爺さんたちは、「さあ、また頑張ろう」という気になってしまう。
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