2019年6月8日土曜日

粽(ちまき)って何だ?

 
 
 

 さて、皆さんが食べているのはなんでしょうか? 正解は「粽(ちまき)」。この日は、一庫公園で活動する5団体が合同で主催する食育イベント、「黒川地域伝統の粽(ちまき)作り」。宝塚や猪名川など北摂地方には、祇園祭りで有名な粽とはちょっと違う、その地域独特の粽がある。

 我々の活動フィールド、一庫公園の近くの川西市黒川地区にも独特の伝統の粽があり、今の時期、旧暦の「端午の節句」には、古来より、子供の成長を願う節句用に、またこれから忙しくなる農繁期の昼飯用にと、大量に保存食として作ったという。今では1軒だけが昔ながらに、その伝統の粽を作っている。そんな伝統の「粽」の食文化を伝えていこうと毎年この時期に行っているイベントである。



 うるち米の米粉を蒸し、それを搗(つ)いて餅にし、一般的な粽は「ササ(笹)」で包むが、黒川地域の粽の特徴は、それをこの地区で採れる3種類の葉っぱ、「ナラガシワ( 楢柏)」、「ヨシ、または、アシ(葦、芦、蘆、葭)」、「イグサ(藺草)」を使って包み、再び蒸したら包んだ葉で香り付けをしたら、出来上がりである。古くは「チガヤ(千萱、茅)」の葉で餅を巻いたところから、「ちまき」と呼ばれたという。

 子供達と一緒に、「ナラガシワ」の葉の採集し、蒸した米粉を石臼で搗き、葉で包んで粽を作り、再び蒸すという作業を親子でやってもらい、たくさんの「ちょんまげ」の形の粽ができた。旬の野菜いっぱいのスープ。この時期の食を満喫。

 この日、一般の参加者が24人、スタッフと併せて40人近くで楽しんだ食育イベントであったが、この地域に住む中国人の家族が何人か参加した。この日の粽は、中華料理の中華粽とは全く違うものであるが、粽はもともと中国から伝来した食べ物。この粽を、旧暦、端午の節句の5月5日に食べるようになったのは、今からおよそ2300年前の中国の政治家でもある詩人、「屈原(くつげん)」の故事に由来するという。

 彼らはそんなことを知ってか知らずか、中華粽との違い、米の違い、餅の搗き方、杵の違いなど、食文化にまつわる日中の違いも楽しんでくれたようだ。現在のお菓子のような美味しさはないが、ほのかな甘さ、際立つ野菜スープの味、昔の質素で慎ましい食生活や、家の周りで採れるものでどう食事を楽しむかといったいった生活に触れたイベント、そして思いもかけないことに、異文化交流も付け加わったイベントであった。



 
【 森のクラブイベントのお知らせ 】
 
 「木を使ったかわいい動物やクラフトづくり&竹パン」
 
   6月16日(日) 10:00~14:00 ワークショップ集合  (雨天実施)
   参加費:300円(保険代、材料費等)
   定員:20名(申し込み先着)
   お申し込みは公園管理事務所(072-794-4970)まで
 

【 会員募集中 】
 
ひとくら森のクラブでは新会員を募集しています。
森林ボランティアや炭焼きを楽しみたい方ならどなたでも結構です。
自然に親しみながら楽しく活動してみませんか。
活動体験も受付けていますので、公園管理事務所(072-794-4970)まで
お問い合わせください。
 

0 件のコメント:

コメントを投稿