2017年11月4日土曜日

ルーペの中の驚くべき世界





 何やら地面に這いつくばっている怪しい一団。今日は、「兵庫県立 人と自然の博物館(ひとはく)」の秋山弘之先生の指導で、公園の「コケ(苔)」の観察会。観察といっても、肉眼ではなかなか難しいので、どうしても地面に這いつくばったり、ルーペによる観察となってしまう。普段全く気にも留めない苔。しかし、最近苔の人気が高まっているとも聞く。観察は初めてであるが、話を聞くと、ルーペの中に驚くべき世界が拡がっていた。

 ここからは受け売り。間違っていたらご容赦を。「コケ(苔)」類は「セン(蘚)」類、「タイ(苔)」類それに「ツノゴケ」類の3類に分けられるが、「苔」には根が無いので水分、養分は空気中から吸収するので、土壌を必要としないという。土や木に生えている様にも見えるが、ただ乗っかっているだけだという。干からびているようにみえる苔に、霧吹きで水分を与えると、瞬く間に葉が広がるのが観察できた。

 普通の植物と同じように、幹、茎、枝、葉の構造を持っていて、光合成作用、炭酸同化作用を行うという。驚くべきは繁殖。雄株の造精器で作られた鞭毛を2本持つ精子が、雨などによって水に触れた時に泳ぎだし、雌株の造卵器で作られる卵細胞と受精し、受精卵がつくられ、それが胞子嚢(のう)内で胞子体に成長し、それによって行われるという。

 そんな世界がすぐ身近な足元に拡がっていたとは全く知りませんでした。苔、恐るべし。写真は、いずれも蘚類、星型の葉が鮮やかな「エゾスナゴケ(蝦夷砂蘚)」と秋から冬にかけて形成される「胞子嚢(のう)」がはっきりわかる「コスギゴケ(小杉蘚)」。
  

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