2016年1月10日日曜日

初山遊びで見つけた野生の痕跡




 山頂まで登って安全祈願を済ませ、いよいよこの16日から始まる炭焼き準備に取り掛かる。何回経験しても炭焼きの始まる前のこの時期は心が高揚する。炭窯の補修と乾燥、道具類の点検、粘土砂の用意など、結構いろいろな準備作業を万端怠りなくこなさねばならない。

 一般的に言って、炭窯を作り、炭焼きを行うため(写真参照)には粘土が必要で、この山では良質の粘土が取れる。写真の炭窯は、10年すこし前に公園が作ったものであるが、当初は、かってこの地の名産「菊炭」を語るための展示だけが目的であったという。しかし「本物の炭窯を展示だけではもったいない、炭焼きの伝統、クヌギ林の里山を復活し、炭焼き技術の伝承をしよう」と、先輩たちが県を説得して、クヌギを育成、伐採し、炭焼きを行うようになった。先輩たちのご苦労のおかげで、我々が今、楽しめている。

 例年のように炭焼きに必要な粘土の採取に向かう。去年掘ったところに水が溜まり、絶好の「猪の沼田場(ヌタ場、ぬたば)」になっているようである。深々とした足跡からもそれと知れる。「沼田場」とは、イノシシなどの動物が、体に付いているダニなどの寄生虫や汚れを落とすために、泥を浴びる場所のことである。

 ことしは申(猿)年であるが、猿はこの山では見かけたことがないが、鹿や猪ならば数多くいる。猪年ならば縁起がいいなんて呑気なことも言ってはいられない。なんせ、鹿、猪の食害がかなり深刻になってきているのだ。
  
  

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