2015年12月18日金曜日

風に舞う木の葉


 「クヌギ(椚、櫟)」の伐採を終えた。北から2015年11月寒波と強風を押し寄せたこの日、空を見上げると、青空に溶け込むように、ひらひらと舞う木の葉が美しい。あぁ、なんて気持ちがいいんだろう。
 
 

2015年12月14日月曜日

パネル・ディスカッションに参加して



 「ナツツバキ(夏椿、沙羅)」の花である。(写真は神戸新聞より拝借) もちろん今の時期に咲くはずもなく、初夏にツバキに似た白い花を咲かせる。「ナツツバキ」は、ツバキ科ナツツバキ属の落葉高木で、別名は「シャラノキ(娑羅樹)」。仏教の聖樹、フタバガキ科の「娑羅樹(さらのき)」、「沙羅双樹」に擬せられるため、この名がついたといわれるが、それとは別のものである。

 兵庫県三田市にある「有馬富士公園」内に生育している「ナツツバキ」の群落を市指定の天然記念物にしようと、公園管理事務所などが申請の準備を進めている。「ナツツバキ」そのものは珍しくないが、有馬富士公園のように、照葉樹林帯に群生する例はほとんどないという。我が公園にも自生のものはない。そんな「ナツツバキ」に関心を持ってもらおうと、「阪神北地域における天然記念物連携シンポジウム ~有馬富士公園におけるナツツバキ個体群などの天然記念物指定に向けて~」と題して、シンポジウムが開かれた。

 今年9月には、我々が活動する一庫公園のエドヒガンが川西市の天然記念物に指定されたということもあって、識者の基調講演につづく、パネル・ディスカッションに市民ボランティア側のパネラーとして参加をした。天然記念物指定の意義や公園の活性化、ボランティアの高齢化、環境保全活動への関心の惹起の仕方など、参加した公園やボランティア団体が抱える現状や様々な課題について話し合った。高齢化、活性化、鹿の食害 ・・・、やはり同じような悩みや課題を抱えているのである。すぐに有効な解決策はないにせよ、公園や団体が交流の第一歩を踏み出すことは意義あることと思う。
  
  

2015年12月2日水曜日

晩秋の公園を楽しむ


 特徴のある角ばった実は、「マユミ(檀、真弓)」。我が家の庭にもあるが、それと比べ、公園の「マユミ」は実もびっしりと多く付いているし、なんといっても色づいたピンクが、比べ物にならないほど鮮やかである。もうしばらくすると熟し、果皮が4つに割れ、鮮烈な赤い種子が4つ現れる。そんなことから、秋に果実と種子の色を楽しむ庭木として親しまれている。


 先日のお茶会に趣を添えたのが、「サネカズラ(実葛)」。その名の通り、「キイチゴ/木苺 」を大きくしたような真っ赤な実を楽しむが、その昔、つるから粘液をとって整髪料に使ったことから別名、「ビナンカズラ(美男葛)」とも呼ばれている。この山にも生えているが、この日飾った茶席の白壁に映え、浮かぶその影とのコントラストが美しい。


 公園のセンターの薪ストーブに火が入った。芯まで体があったまるし、なんといってもその炎が美しい。そしてやはり紅葉でしょう。ここ一週間が見頃。手入れをした甲斐あって、谷のもみじがひときわ映えるようになった。


2015年11月30日月曜日

喫茶去  ~ 一庫炭物語の完結 ~


 急に寒くなり、山の紅葉も鮮やかに色づき、見頃を迎えた今日は、我がクラブが主催する、「お茶会」。活動拠点の一庫公園」内にある「エドヒガン」桜の群生地が、市の天然記念物に指定されたのがきっかけとなって、公園では「北摂里山キャンペーン」を実施している。お茶会は、紅葉とお茶を楽しんでもらうというその一環のイベントである。





 茶席に掲げた「喫茶去」の軸。私は茶の湯のことはさっぱりであるが、「きっさこ」と読み、中国唐時代の禅僧、「趙州和尚」の言葉だそうで、「まあ、お茶でも一服召し上がれ」という意味であるという。シンプルな、いい言葉である。

クヌギの伐採、窯木作り、自然体験学習のサポートなどの山遊びに加え、病院、帰省などの私事も重なり、この11月は、現役時代と同じくらいめっぽう忙しかった。されど忙中閑あり、まさに「喫茶去」、主催者である私もゆったりとした気分でお点前を楽しむことだできた。

センター内に設えてある囲炉裏を使って茶席に設え、地元中学校の茶道部の生徒さんにお願いしてのお点前。厳密な作法にのっとっているかどうかはわかないが、そこは「一庫流」、楽しんでもらうことが最優先。

 静けさ、湯の沸く音。子供たちも多く参加したが、その静粛な雰囲気を感じてか、履物も揃え、無作法に騒ぐ子は一人もいない。場が躾けるのである。花生けには、公園に今を盛りと咲く一挿しの「サザンカ(山茶花)」。壁には、これも園内で見られる「サネカズラ(実葛)」。その昔、つるから粘液をとって整髪料に使ったことからn別名、「ビナンカズラ(美男葛)」とも呼ばれている。そして、和菓子は地元猪名川町の老舗「うませ」の「冬もみじ」。

 台場クヌギを前の伐採から8年、10年かけて育成し、そしてまた伐採を繰り返して窯木を作り、炭焼きをする。そんなことが日常だった、かっての里山を保ち、菊炭・炭焼きを伝承していくという一連の我々のボランティア活動。もう炭を使う機会がほとんどなくなった今、ここに我々が綴ってきた「一庫(ひとくら)炭物語」が完結した。

2015年11月26日木曜日

ノコギリは少し難しかったかな



 台場クヌギと伐採した炭焼きの窯木を見ている子供達。里山自然体験学習のウォーク・ラリーで学んでいる小学校3年生たちである。春に、秋にと、年間何校もの小学生たちが体験学習に訪れるが、今年はこの子達が最後の組である。近隣の街I市から、なんと178名もの子供たち。今年最多。I市は阪神間にあって、大型のマンションの建設が急速に進んだベッドタウン。どこもかしこも少子化の昨今にあって、この学校だけはびっくりするほど子供が多い。

 今日のメニューは、ウォーク・ラリー、木のコースター作り、ノコギリ体験であったが、一番難しかったのが、のこぎり体験のようである。とにかくノコギリを使った経験のある子は皆無。まず挽く姿勢が悪いのは言うまでもないが、力も握力もない。直径4、5cmほどの枝を伐るのに5分以上もかかる。私の子供時代には、勝手に親父ののこぎりを持ち出し、自分の遊び道具を作っていたのだが ・・・。こんなところにも、体力低下、遊びへの適応力のなさが垣間見られる。178名の鋸体験。時間がなく多分全員はできなかったが、サポートしてあげただけで、爺さんたちはもうぐったり疲れてしまった。

 ウォーク・ラリー、今日の花の名前を探す問題は、「サザンカ(山茶花)」。椿に劣らない美しい大輪の山茶花が、今豪華に咲いている。

  

2015年11月25日水曜日

手入れをすれば森は確実によみがえる



 今年も植生調査を行った。平成24年、続いて25年から森の中に、10m×10mの調査区域、2区域を設定し、その中にどのくらい種があるのかを調べるという、毎年続けている植生調査である。我々は遊びの山を、主に「ヒサカキ(姫榊、非榊)」、「アセビ(馬酔木)」、「ソヨゴ(冬青)」など常緑広葉樹を伐採する、いわゆる「兵庫方式」で、森の手入れを行っている。森を明るくしたら、どのくらいの種が増えてくるのか、どれだけ森の多様性が回復したのか、その効果をデータで実証するための植生調査、追跡調査である。

 さて、その結果であるが、H24年調査区域については、伐採時(調査開始時)は23種出会ったものが、27種(H25)、32種(H26)、38種(H27)と着実に増加し、H25年調査区域に至っては、22種(H25年開始時)⇒35種(H26)⇒47種(H27)と飛躍的に増加している。手入れをすれば森は確実によみがえるのである。

 下段の写真は、萌芽した「コバノガマズミ(小葉莢迷)」 、「クロモジ(黒文字)」のベイビーである。順調に育ってほしいと願うが、最大の問題は鹿の食害である。クヌギの再生林のようにスポット的にはネットなどで対策は打てるが、山全体となるととても不可能である。いまのところ打つ手はないのが実情である。
  
   

2015年11月23日月曜日

今年もクヌギ伐採を始める


 来年1月から始まる炭焼きに向けて、炭材となる「クヌギ(椚、櫟)」の伐採を始めた。なぜこの時期にクヌギを伐採するのか? それは、葉が枯れ、もう水分を上げなくなったこの時期が一番伐採に適しているからである。今回伐採を計画している区域は、平成18年に伐採した区域である。その後萌芽した枝が育ち、7年経つと炭材として使えるくらいの太さに育つ。台場クヌギを伐る位置は、古来より台場の株から「一寸」と言われており、其の位置にチェーンソーを入れて伐採する。伐採した幹は、枝を払い、我々の窯の大きさに合わせた約80cmの長さに玉切り(輪切り)する。これが、「窯木(かまぎ)」とよばれる炭の材料となる。我々の窯で、太さにもよるが、だいたい窯木が1回の炭焼きで400本ぐらい入るのである。今年は2囘の炭焼きを予定しているので、800本近くの窯木を準備しなくてはならない。


 払った枝はさらに細かく切り、50cmほどの長さにして束ね、柴木にする。これは「バイタ」と呼ばれ、窯木の炭焼きの初期の段階で、窯内の温度を上げ、熱の廻りをよくするために窯木の上に詰め込むものである。1回の炭焼きで80~100束ほど必要とする。

この伐採、窯木作りが、炭焼きの工程の中で、もっともキツイ作業である。我々は定年をとうに過ぎた爺さん婆さんのボランティア・グループ、体力的にも相当落ちてきているため、急斜面での伐採作、窯木降ろしは安全第一が最優先、そして長時間の作業はきつくなってきているため、どうしても小刻みで日数を要するようになってきている。去年から炭を焼く窯数も3窯から2窯に減らしたが、それでも伐採に4日間、窯木作り、窯木降ろしに6日間ほどを考えている。森の中で窯木を作る作業はたちまち汗ビッショリであるが、この上なく爽快で達成感もあるからやめられない。
  

  

2015年11月8日日曜日

炭焼きへ始動開始!


 早いもので一年があっという間に経ち、もう今年の炭焼きの準備を始める時期になった。今年度の炭焼きは2回を予定。第1回は平成28年1月16日から、第2回は1月30日からと決まっている。まず最初にすべきことは、菊炭の材料である台場クヌギの再生林を調査し、2回分の炭焼きの材料を確保するための、伐採するエリアを決めることである。この日は、平成18年、平成19年に皆伐したエリアを調査。写真のように切り株の脇から萌芽し、手頃な太さに育っている。1回の炭焼きで窯木は350本程度必要なので、700本の窯木が採れるかどうか見極めるための大事な調査である。さて、得られたデータを基に早急にエリアを決めなくてはならない。

それよりもっと大事なことは、炭窯が今年もまた炭焼きに使えるかどうかを点検しなくてはならない。それは炭焼きを生業としているプロにお願いしている。この山に多くあり、常緑で他の樹木の成長をさまたげているので、いつもは伐採の真っ先の対象木となる雑木、「ヒサカキ(非榊)」の実も宝石のように色づいた。


  

2015年10月28日水曜日

こんな実をつける木を探して名前を書いてください




 「こんな実をつける木を探して名前を書いてください」 兵庫県がカリキュラムに組み込み、推進している「自然(里山)体験学習」、わが遊びの山でも「自然(里山)体験学習」のために多くの子供たちがやって来る。今日の私たちはそのサポート。近隣の小学校から、今日も100名ほどの子供たちがやってきた。カリキュラムは、ウォークラリーと木のコースター作り。この公園での里山に関連した問題を解きながら、精一杯遊んで、学ぶ。子供たちは、楽しかったと口々に言いながら帰っていった。じいさんたちはそれだけで満足。

 さて、答えは上から、「クヌギ(椚、櫟)」、「ユズリハ(楪、交譲木または譲葉)」、「サンシュユ(山茱萸)」。

   

2015年10月12日月曜日

季節はずれですが、桜の話題です




 わが遊びの山に、絶滅危惧種の「エドヒガンザクラ(江戸彼岸桜)」が自生する群落がある。この群落とこの山を貫いて走る「多田銀銅鉱脈」の露天掘り跡、点在する「間歩(まぶ)」群が、今年の9月、川西市の天然記念物に指定された。「エドヒガン」としては、この地域では4例目の指定である。

 それを記念して、北摂里山のエドヒガンの魅力や、今回の天然記念物指定の経緯、今後の保全活動や他の群生地との連携等について考えるため、「エドヒガンシンポジウム&観察会」が開かれた。私も公園の活動団体を代表して、パネル・ディスカッションのパネラーの一人として出席した。

 我がクラブは、山の手入れ、ナラ枯れ対策、クヌギ再生林の保全と炭焼きなどに多くの時間を割き、「エドヒガン」に関しては、実の採集、発芽、育苗程度のことしか取り組んでこなかったのが実情。全体を通じて、先輩事例の話を聞くと、「まっ、大変だなあ」という印象が先に立ったが、天然記念物としての意義、先輩の事例、課題など今後の保全等のあり方を考える上で大変参考になった。が、立派な活動の先進事例を聞いて、大きなプレッシャーを感じたことも事実。今回の指定を受け、また一つ「エドヒガン」の保全という山遊びのテーマが増えそうだ。

 シンポジウムの後、観察会があったが、天然記念物に指定された「エドヒガン」の群落、今はこんな観察会でもないと訪れる人もなく、木漏れ日の中で来年の春が来るのをひっそりと待っている。家に帰ってから、昨年6月山で採集した「エドヒガン」の種を直播きし、この春発芽した苗を30株ほど、育苗ポットに植え替えた。いずれは山へ戻すつもりである。大層なことは考えずに、まずこんなことから積み重ねていこうか。