2019年8月23日金曜日

食物連鎖の森で ・・・


 
 一庫公園は麓に、「知明湖」というダム湖があるために、除草などに農薬は一切使っていない。そのため、時には鬱陶しく思うこともあるのだが、「虫の楽園」である。その虫を狙って鳥や小動物が、そしてそれを捕食する動物が集まってくる。その結果、多様な生き物が住むことによって、いわゆる食物連鎖が保たれている。
 
 ボランティア作業を終え、帰ろうとすると目の前に、どんぐりのついた「アラカシ(粗樫)」の枝がぽとりと落ちてきた。この時期にはよくあること。周りを見ると、もう結構、同じような枝が落ちている。「チョッキリ虫/ハイイロチョッキリ(灰色チョッキリ)」の仕業。上の写真、いわゆる「ドングリ」の椀の部分、「殻斗」に小さな孔が開いているのがわかるだろうか。「チョッキリ虫」はここに穴を開け、「ドングリ」の中に産卵するのである。そして、その産卵した「ドングリ」を葉のついた枝ごと切り落とす。幼虫が育った後、土に潜りやすいようにするためだという。卵から孵った幼虫は、「ドングリ」の果肉を栄養分に成長し、翌年の夏、成虫となるという。
 
 残念なことに、私は、「チョッキリ虫」の成虫の実物や、枝を切り落とす瞬間の成虫は一度も見たことないのだが、NETから拝借した下の写真のように、成虫は実に奇っ怪な姿をしてる。長く伸びた口吻で器用に穴を開け、枝を切り落とすという。これからあたり一面、チョッキリ虫」の切った葉で埋まる日も近い。
 


 こちらは、鳥か小動物にでも襲われたのだろう、結構大きな「カブトムシ(甲虫、兜虫)」の死骸。死してもなお角と艶やかな甲殻がその存在を感じさせる。通りかかった男の子に「欲しい?」と聞いたら、さすがに「いらない」と即答。多様な生き物の食物連鎖。そうそう、これから秋の時期にかけては、林の中に巣を作っている「スズメバチ(雀蜂、胡蜂)」にも注意しないと ・・・。




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