2014年4月18日金曜日

枯れた桜を伐ると ・・・


 暖かくなり、森の手入れ作業が本格的に始まった。今日の作業は、これから多くなる来園者に備えての枯れ木の処理。自然観察林の山道脇には、カビ、害虫など原因はいろいろであるが、枯れ松や枯れ桜がいくつかある。倒れたら来園者の安全にもつながるので、定期的に伐採をしている。この日も数本づつ松と桜を伐採した。この枯れ桜、切り株に顔を近づけるといい香りがする。桜餅に使われる「オオシマザクラ(大島桜)」の葉と同じ香りの「クマリン」である。先達によると、桜は枯れると、自ら防腐剤でもあるクマリンを幹の中心に集め、朽ちるのを防ぐという。確かに枯れた桜の「髄」で作った木工品はほのかにクマリンの香りがするし、いつまでたっても固く、色艶もよく、もちろん腐ることはないのである。

 少しでも生き延びようとするその桜の健気な習性というか、特性を知ると、なぜか我々シニアの姿にも擬せられて、身につまされる感じもするのである。

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