2014年4月11日金曜日

南の島から来た櫻


 「エドヒガン(江戸彼岸)」、「ソメイヨシノ(染井吉野)」も盛りは終わり、山は今、「ヤマザクラ(山桜)」、「オオシマザクラ(大島桜)」がピーク。しかし、もう数日で桜の季節もあっという間に終わってしまうのであろう。写真は、「オオシマザクラ」。かの「大島」を始めとする伊豆諸島に多く自生し、それが和名の由来ともなっている。また、古くから薪炭用に植えられたため、「タキギザクラ(薪桜)」の別名があるという。花弁は白色で5弁、淡い芳香を持ち、「エドヒガン」と並んで「ソメイヨシノ」の一方の親だと言われている。しかし、何故この山にあるのかは分からない。

 「オオシマザクラ」の葉は、他の桜の葉に比べるともっとも大きく、また葉の丸みが強いのも特徴。そして、「ヤマザクラ」と比較して、葉に産毛がないため、「桜餅」には、この桜の若葉を塩漬けにしたものを使用する。この葉の独特な甘い香りの正体は、「クマリン」と言う成分で、この芳香は、我々もよく枯れた桜を処理するときにも経験する香り。


 今の桜のピークが終わると、この山の桜は5月に咲く、「ウワミズザクラ(上溝桜)」、イヌザクラ(犬桜)」までちょっとお休みである。 

 「オオシマザクラ」を見ながら、山作業を終えて駐車場に戻ると、そこには桜によく似ているが、「ハナカイドウ(花海棠)」が、満開の淡紅色の花を咲かせていたいた。桜と同じバラ科であるが、リンゴ属で、桃紅色の美しい花を次々と房状に咲かせる中国原産の耐寒性落葉高木。「棠」とは「梨」のことで、「海棠」とは海外から来た「梨」という意味だという。園芸種で、この山自生の種ではないが、それでもこの美しい桃色には目が惹かれる。
  
  

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