2015年8月27日木曜日

特異な形が名前の由来



 夏も終わりに近づくと、山で目立つのは花よりも実。それも特徴のある形が目に付く。「形」というのは非常に大事で、その「種」の進化と密接な関係があるという。

 その実に握りこぶしに似たデコボコがあるのは、この山で春一番に咲く花で、「コブシ(辛夷)」。この果実の形状が、その名前の由来である。

 そして、やがてピンク色の立方体の実が割れて、オレンジ色の種子が出てくるのは、「マユミ(檀、真弓、檀弓)」。この様が綺麗なので、秋に果実と種子、紅葉を楽しむ庭木として親しまれている。こちらは形ではなく、材質が名前の由来。強い上によくしなる為、古来より弓の材料として知られ、名前の由来になった。
 
  

2015年8月14日金曜日

炎天の慈雨


 ちょうど家を出る頃に、天気予報通りに雨が降り出し、山についた頃にはもう本降りに。炎天の続く毎日、つかの間の雨。庭への水遣りの手間が省け、まさに「炎天の慈雨」である。山作業は早々と中止と決めたが、11時ころには小雨となり、晴れ間も見え、蝉も鳴き出した。せっかくだからと、立ち上る水蒸気で煙る森の中を山頂まで登る。雨上がりを察知した「ミンミンゼミ(ミンミン蝉)」、「アブラゼミ(油蟬、鳴蜩)」、少し早いが「ツクツクボウシ(つくつく法師、寒蝉)」の声が聞こえる。

 里では圧倒的な優勢を誇っている「クマゼミ(熊蝉)」であるが、この山では聞こえてこない。従来からの自然の生態系がまだ保たれているようだ。しかしそれも時間の問題であろう。湿度は高くても、やはり山は里よりはひんやりしている。盆の入りで参加人数も少なく、早めに山を下る。
  
   

2015年8月9日日曜日

今年は柿が豊作のようだ


 暑い ・・・。頂上へ登る間に、もう背中は汗でびっしょりである。とはいえ、もう習慣づいてしまった森の手入れ。一週間空くともう体がむずむずしてくる。なにかの都合で休んだり、雨で作業が中止になったりすると、その次はてきめんに頂上までの道が遠く感ずる。ほかの仲間も同じであろう。盆休みで家族が帰ってきている仲間や、入院している仲間などを除くと、ほとんどのメンバーがこの暑さの中でも集まってくる。有難いことである。とはいえ、この暑さとみなさんのお歳、早めに作業を切り上げる。  

 今年の猛暑、野菜や果物に影響が出始めているとも言われているが、この山に自生する「カキノキ(柿の木)」は、いっぱいの実をつけている。昨年はほとんど実をつけていなかったが、今年は豊作のようだ。里の「柿の木」も豊作と仲間が言っている。まあ、隔年ごとに、豊作、不作を繰り返すというが ・・・。野鳥、野生動物にとっては、恵みの秋冬になりそうだ。

 この暑さで、「クヌギ(櫟、椚、橡、栩)」は間違いなく、水をいっぱいに吸い上げている。 伐採するにしろ、炭焼きするにしろ、今度の炭焼きは少し手が掛かるかも知れない ・・・。
  
  

2015年7月27日月曜日

今年もビオトープで鰯缶舟を浮かべる


 今日は、子供たちと工作をして遊ぶイベントの日。例年7月は、鰯缶の空き缶でポンポン船をつくって遊ぶ。名づけて「ポニョの船」。夏休みに入り、公園は水遊びができる格好の場所があるので、親子連れの来園者で一杯である。

 船本体となる楕円形の鰯の缶詰の空き缶。これがエンジンとなるが、コイル状に巻いたアルミ・チューブ。そして火皿となるアルミのキャップ、固定用の針金、市販の固形燃料。材料は、基本的にはこれだけである。作り方はいたって簡単。船の後部となる缶に穴を開け、先端が水に沈むようにコイルを突き通し、針金で支える。そして、コイルの下に固形燃料を入れる火皿を作れば、基本的に完成。後は舵や旗などの思い思いの飾りをつけて船らしくする。

 早速できた船は、ビオトープに浮かべる。火皿に固形燃料を入れ、アルミ・チューブのコイル部分を熱すれば、しばらくたって鳴動を始め、ゆっくりと走りだす。波紋を描きながら、ゆっくりと進んでいく姿は、なんともレトロでアナログ。
 

 ビオトープの周辺には、今は産卵時期で、鮮やかな黄色で小型のとんぼ、「キイトトンボ(黄糸蜻蛉)」が集まっている。北海道・沖縄以外のほぼ日本全域の平地や丘陵地の挺水植物がよく繁茂した池沼や湿地に生息するという。鰯缶船の上には「シオカラトンボ(塩辛蜻蛉)」に混じって、多くの「キイトトンボ」が飛び交い、番(つが)い、水草に産卵する姿が観察できる。
  
   

2015年7月3日金曜日

今年のヤマモモの実は大きくて甘い



 さて、梅雨の晴れ間の定例の山遊び。今日は久しぶりに、「ヒサカキ(非榊)」の伐採を行った。炭焼きを終えてから、再生林の林床整備、桜の周辺の整備、カシノナガキクイムシ対策、外来種駆除などに追われ、間伐作業がほとんどできなかったため、仲間一同は、鋸を扱う感触が懐かしくなり始めていた。なんといっても山作業の醍醐味、達成感は伐採作業である。

 伐採に汗を流してからは、同じ公園で「食育」をテーマに活動している団体が、近々行う「ヤマモモ(山桃)のジュースやジャム作り」のイベントのための材料採集のお手伝い。公園に自生している真っ赤に熟れた実は格好の材料になっている。ブルーシートを敷き、枝を揺さぶるとバラバラと音を立てて落ちてくる。採集に来ていた子供たちも大はしゃぎで集めては頬張る。この公園の「ヤマモモ」の実は大粒で甘くて美味いのである。今年は一段と大きく甘いようだ。私もデザートにしようと持ち帰った。
  
   

2015年6月29日月曜日

梅雨空にロケットを飛ばす


 今日は公園の別の活動団体が、ペットボトル・ロケットをつくり飛ばすイベントのお手伝い。人気のイベントで予約がすぐにいっぱいになってしまう。とはいえ、このイベント、製作もそうであるが、発射して遊ぶための広場の安全確保や道具の運搬などにも人手が必要で、もともとの活動団体の人数が少ないため、いつもそれをを大幅に上回る我々グループのメンバーがお手伝い?をしている。この日も5組20人ほどの家族連れが参加。午前中いっぱいかかってロケットをつくり、午後は広い芝生広場で飛ばす。いつもの様に歓声があがる。

 広場の脇にある「ヤマモモ(山桃)」の木には、もうすぐ食べごろになる赤く熟れたはじめた実がいっぱい。鳥たちとの奪い合い?が始まりそうだ。


2015年6月27日土曜日

好ましきものも、好ましからざるものも

 

 暑い。クヌギ再生林。ここは一昨年クヌギを伐採し、新芽がこれから10年かけて、炭材として適当な台場クヌギに育つよう手入れをしている斜面。「ヨウシュヤマゴボウ/洋種山牛蒡」が、人の背丈ほどに伸びている。ここ数日の雨と日差し、格好の条件がそろったようで、あっという間に生い茂った。そして、花が咲き終え、種を残そうと綿毛の種子をつけた「ボロギク/襤褸菊」も。いずれもこれ以上成長したら厄介なので、今日も駆除に精を出す。林に巣を作っているらしい「スズメバチ(雀蜂、胡蜂)」を気にしながらも、仲間14人、フルメンバー総掛かりで、ヤマゴボウ約1,000本、ボロギク約2,300本を一気に抜いた。

 「ヤマゴボウ」によってできた切り株の日陰には、猛毒をもつ茸、「カエンタケ(火炎茸・火焔茸)」が顔をのぞかせている。クヌギの新芽、ヤマゴボウ、スズメバチ、カエンタケ、蝶 ・・・。人間の勝手な基準による好ましきものも、好ましからざるものも集まってくる遊びの山は、平等で多様性に満ちている。
  
  

2015年6月12日金曜日

鹿も喰わない山牛蒡をせっせと抜く



 「ヨウシュヤマゴボウ/洋種山牛蒡」の花である。今にも降り出しそうな曇天。本格的な梅雨、そして花が咲き、実をつける前に抜かなくてはならない。可愛いと言って、花を活ける人もいるようであるが、我々森の手入れボランティアにとっては厄介な外来種、天敵である。

 毒性を持ち、繁殖力が極めて旺盛で、日当たりの良い場所なら、あっという間に背丈を超える高さにまで成長する。鳥は免疫力があるのか、この赤い実が好物で、好んで食べては別の地で種を落とし、また繁殖を繰り返す。宿根草で、「牛蒡」と呼ばれるように、その根は太く、また地中深く横にも走るため、駆除するには鶴嘴(つるはし)で掘らなければならない。3年間駆除した再生林では相当に減っていたが、去年伐採した新しい場所にはもうニョキニョキと生えてきている。

 頑張って抜いた成果は、「ヨウシュヤマゴボウ/洋種山牛蒡」は約800本、「ダンドボロギク/段戸襤褸菊」、「ベニバナボロギク/紅花襤褸菊」、ボロギクは合わせて約3,800本であった。これだけ抜いても、まだまだ残っている。残りは来週にと ・・・。実家の草刈と合わせ、外来種、雑草の駆除に明け暮れた1週間。
  
  

2015年6月6日土曜日

訪れしは、出迎えしは ・・・




 この時期になると、平日でもいろいろな人が公園を訪れる。「トライやるウィーク」という地域の仕事体験に参加する中学生。そして、「自然体験学習」として学びを兼ねて来園する小学3・4年生たち。今日は市内の小学校4年生が100人ほど訪れ、ウォーク・ラリーをした。ラリーを通じて学ぶのは、今真っ盛りの「ヤマボウシ/山帽子」の花、この山で一番大きい「ホオノキ/朴の木」の葉、梅雨入りの今しか見ることのできない「モリアオガエル/森青蛙」の卵塊の観察。炭焼き跡やクヌギ林を通じての里山文化の勉強。そんなお手伝いをするのも我々ボランティア・グループの役割の一つ。

 小学生を出迎えてくれたのは、多分今年生まれたばかりの「ニホンジカ/日本鹿」の仔鹿。親とはぐれたのでしょうか。近くまで寄っても逃げない。そして、大量に羽化したばかりの「ツマグロヒョウモン/褄黒豹紋」。こちらはじっとせず近寄ったらすぐに飛び立つので、カメラに収めるのが難しい。こんな活動、子供たちだけでなく、我々爺さんの「自然体験学習」にもなっている。
  
  

2015年5月30日土曜日

こちらは空中戦 ~ 続・野生といたちごっこ ~


 幹の髄が中空になっていることからその和名がついた、「ウツギ(空木)」。初夏の山で、雅びで粋な和風の響き。


 ちょっと前に、せっかくの森の手入れの効果を台無しにする最大の天敵は鹿や猪で、この地域の里山景観の象徴である台場クヌギの林を守り、炭焼きを続けていくには、共存していく以上、彼らとの知恵比べ、根比べ、いたちごっこであると書いた。もうひとつの天敵は、「カシノナガキクイムシ」。鹿、猪が地上戦なら、こちらは空中戦である。

 「カシノナガキクイムシ」は、体長5㎜ほどの昆虫であるが、「ナラ菌」というカビの仲間の病原菌を媒介し、ナラ類、シイ、カシ類の樹木を枯らす「ナラ枯れ」をもたらすため、全国に被害が拡大していて、深刻な問題になっている。「カシノナガキクイムシ」は、病原菌を体内に入れて運び、夏から秋に樹木に無数の穴をあけ、卵を産み付け、翌年の6月ころにその幼虫が羽化し、また新しい樹木に卵を産み付け ・・・といったことを繰り返すのである。ナラ菌は孔道を伝わって蔓延するため、木に十分な水分が上がらなくなり、真夏から晩夏にかけ急速に葉が萎れ、茶色や赤茶色に枯れてしまう、「ナラ枯れ」を起こす。1本の木から数万頭が羽化するともいわれ、一度罹ると、その森には爆発的に被害が拡がるという。


 我が遊びの山では、ほとんどが「コナラ/小楢」であったが、一昨年初めて被害木が見つけた。対策といっても、山に無数にあるナラ類、シイ、カシ類のすべてに予防策を施すのは現実的でないし、近隣の私有林などは、その認識もないし対策もできない。そこで、他の樹木への蔓延を防ぐため、枯死した木は伐採し、生きている木は幼虫が羽化し、飛び出す前のこの時期に被害木を粘着シートで覆い、絡め取ろうという対策を施している。少し長い時間を必要とする対策ではあるが、毎年続ける事によって、わが遊びの山発による蔓延を確実に減少させることができる。今日は、昨年新たに発見された被害木、約20本にこのシートを巻くという対策を施した。