2017年10月14日土曜日

枯れ木に花はもう咲かない


 
 枯死した「コナラ(小楢)」の木である。いわゆる「ナラ枯れ」である。原因は、
「カシノナガキクイムシ」。「ナラ枯れ」とは、「ナラ菌」というカビの仲間の病原菌と、その病原菌を媒介する「カシノナガキクイムシ」という体長5㎜ほどの昆虫によって、ナラ類、シイ、カシ類の樹木を枯らす「樹木の伝染病」である。根元には、孔を穿つときに出る粉、「フロス」が堆積している。この付近の山でも茶色に変色し、枯死した木が目立つようになってきた。

 「カシノナガキクイムシ」は、病原菌を体内に入れて運び、夏から秋に樹木に無数の穴をあけ、卵を産み付け、翌年の6月にその幼虫が羽化し、また新しい樹木に卵を産み付け ・・・といったことを繰り返すのである。ナラ菌は孔道を伝わって蔓延するため、水分が上がらなくなり、真夏から晩夏にかけ急速に葉が萎れ、茶色や赤茶色に枯れてしまう。1本の木から数万頭が羽化するといわれ、一度罹ると、その森には爆発的に被害が拡がるという。「ミズナラ」、「ブナ」、「コナラ」、「クヌギ」などのナラ類、「シイ」、「アラカシ」、「シラカシ」などのカシ類は、身近な森林を形成している馴染のある樹木であるから、「ナラ枯れ」は身近な自然に係わる深刻な問題でもある。

 本日の山作業、「ナラ枯れ」をひこ起こす原因である「カシノナガキクイムシ」の対策として、この春に被害木にまいた粘着シートを剥がす作業を行った。この対策を4年前、この山で被害木を見つけて以来毎年時実施した結果、2年前をピークに被害木は減ってきている。しかし、安心してまだ手を抜くわけには行かない。枯れてしまったら、もう花は咲かないのだ。
 
 

2017年10月10日火曜日

山の秋が深まりゆく




 
 山の秋も深まってきた。自生している「シバグリ(柴栗)」、「カキ(柿)」。「アキサンゴ(秋珊瑚)」とも呼ばれる「サンシュユ(山茱萸)」の実も色づいてきた。そして、「ドングリ(団栗)」も大豊作。ところがである。これらは鹿の大好物。やはり日中でも出てきます。これから、繁殖期に入るとあってか、我が物顔に闊歩し、食べ漁っている。
 
 

2017年9月19日火曜日

山からの見晴らしと森の明るさを取り戻す


 
 ここ2ヶ月ほど続けていた山頂付近の間伐。すっかり明るくなって、見通しが利くようになった。地面に陽が届くようになったため、幼木も芽生え出すでしょう。2枚目の写真のように、森の明暗がはっきりし、伐採の効果は一目瞭然。視線のその先に見えるようになったのは、一生懸命に間伐作業をしている写真の仲間が住んでいる団地。自分の住んでいるところが山頂から見渡せるようにしたい。そんな彼の単純な思いが、山からの見晴らしと森の明るさを取り戻す。

 秋、青空、吹き上がってくる風の爽やかさ、作業後のコーヒーの旨さ。そんなことに喜びを感じるための山作業といってもいいかもしれない。さすれば、この山とボランティアは、天然の癒しのカフェなのかも知れない。


 

2017年9月16日土曜日

ヤマボウシの実を口に含んでみる



 間伐を行うため、山頂へと登っていく途中、この公園に多く植えられている「ヤマボウシ(山法師、山帽子)」の実が熟れだしているのに気が付く。

 オレンジ色の実は、ツンと上を向いて、つぶつぶのあるちょっとユーモラスな形。その実を摘んで口に含んでみる。果肉は黄色で、クリーミィな食感。マンゴーに似た味がする。ジャムや果実酒にする人も多いと聞く。山作業の前の元気づけになる甘い秋の味覚。定年後の森林ボランティア生活の中で覚えた味。ちょっと得をしたような気分で作業へと向かう。

2017年9月13日水曜日

不思議な文様、山のアート?

 
 実に不思議な文様である。自然観察路のウッド・デッキの表面につけられていた文様。なんだろう? 答えは「イノシシ(猪)」がつけたのである。鼻面を擦りつけることによってできた文様。猪は雑食性。朽ちた切り株や倒木などを崩し、その中にいる虫の幼虫などを食べる。ウッド・デッキも何かいるかと思って嗅ぎまわったのでしょう。それにしてもこの猪、マメに嗅ぎまわったものである。
 
 
 

2017年8月29日火曜日

始まった秋の訪れ


 山の公園の水場で遊ぶ子供たちの数もだいぶ減ってきた。夏休みもあとわずか、宿題でそれどころではないかも知れない。前夜は豪雨。「テングダケ(天狗茸)」が顔を出す。灰褐色の傘には、白色のイボがある。針葉樹林の「アカマツ(赤松)」林、広葉樹林の「コナラ(小楢)」林、「クヌギ(椚、櫟)」林などで、夏から秋にふつうに見られるキノコ。しかし、有毒である。山ではもう秋が始まったようだ。

2017年8月26日土曜日

手当たり次第に切り落とすのは ・・・




 「コナラ(小楢)」や「クヌギ(櫟、椚)」などの小枝が散乱している。「チョッキリ虫」、正しくは「ハイイロチョッキリ(灰色短截虫)」が手当たり次第に切り落とした枝である。まだまだ細い枝だし、ドングリも小さいのであるが、ドングリには、はっきりと卵を産み付けた孔が見える。この卵が来年孵化し、また幼虫に ・・・。虫の世界では、もう秋が始まっている。

 山頂付近で、伐採作業。蝶の世界は恋の季節。なかなか静止せず、カメラで撮ることはできなかったが、何組かの「オオムラサキ(大紫)」、「カラスアゲハ(烏揚羽)」が群れ飛んでいる。秋になれば、この公園でも、南下する途中で飛来する「アサギマダラ(浅葱斑)」を見かけることができる。

 

2017年8月18日金曜日

お盆にヒサカキを伐る


 お盆の山作業。みんな高齢者、熱中症を警戒しながら、あまり無理をせずに、山頂までのぼり、軽い伐採作業で終える。いつもは植生の多様性を妨げているため、伐採の対象となっている、常緑広葉樹の「ヒサカキ(非榊、柃、姫榊)」を伐る。仲間の何人かは、持って帰り、墓や仏壇に備えるそうだ。「サカキ(榊)」が手に入らない場合、「ヒサカキ」を代わりとして、墓・仏壇へ「仏さん柴」として供え、また玉串として利用することが多いと聞く。我々も新年、炭窯の「窯開き」の時に玉串として奉じている。間伐の対象木であるが、お盆のこの期間は役に立っているようだ。


 

2017年8月11日金曜日

生存競争の夏



 いつもは吹き上がってくる麓のダム湖からの心地よい風が全くない。直射日光がない分まだましであるが、それでもジメジメと蒸し暑いことこの上もない。山頂まで上がり、各自1、2本伐ってから、3日前の台風による影響がないか、自然観察路の安全点検に向かう。

 セミがいつもと鳴き方とは違う。断末魔のように聞こえる。よく見ると、なんと蜂に攻撃されている。ハチの種類まではわかりませんが、黒いハチが自分より何倍も大きなセミを地面に押さえつけている。森の中で繰り広げられている厳しい生存競争、弱肉強食の世界。そして、1m20cmほどの蛇の抜け殻を見つける。「人間もこうだったら ・・・」と考えると、こちらはなんとなくユーモラス。たしか「手塚治虫」の漫画にあったような? ・・・。

2017年8月4日金曜日

目にはさやかに見えねども




 伐採作業のため、今日も頂上を目指して、木漏れ日の山道を登っていく。麓から吹き上がってくる風が心地よく、一休みすると、もう動くのが億劫になってしまう。「ニイニイゼミ」、「アブラゼミ(油蟬、鳴蜩)」、「クマゼミ(熊蝉)」、「ミンミンゼミ」が一斉に鳴いている。里では、秋の季語にもなっている「ヒグラシ(蜩、茅蜩、秋蜩、日暮、晩蝉)」も鳴き始めたという。「ナツハゼ(夏櫨)」が赤い実をつけている。「ナツハゼ」の実は、「日本のブルーベリー」と呼ばれ、花や果実を観賞するだけではなく、果実を生食やジャムなどに加工して楽しむ人も多く、近年人気が高いという。夏に「ハゼノキ(櫨の木、黄櫨の木)」のような紅葉が見られることから名づけられた。

 頂上へ抜けると、見上げる青空には、「うろこ雲(鱗雲)」にも似た雲が ・・・。こんな歌が浮かぶ。

   秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる  
           (古今和歌集・巻4・秋歌上 藤原敏行朝臣 秋立つ日よめる)

 「立秋(りっしゅう)」は、二十四節気の第13節。たしか、8月7日ごろ。