2018年1月21日日曜日

くどさしを終えて



 ちょっとわかりにくいかもしれませんが、煙突から出る煙の色が美しい浅葱(あさぎ)色になっている。炭化が終わりの段階に差し掛かっている証拠である。

 一回目の炭焼きの最終工程、「くどさし」をやっと終えた。あとは窯が充分冷えるのを待って、「窯出し」、炭を取り出すだけである。まだ炭の出来栄えが確認できていないので、その影響は判断できないが、今回は想定外のことが多く起こった。「じっくりと焼く」という炭焼き方針に従って始めたが、いつも指標にしている煙道の温度が上がらず、今までは2~3日後に「くどさし」を実施できたが、今回は、5日目にずれ込んでしまった。こんなことは初めてである。いずれにせよ、炭を取り出せば、吉凶も、その原因も推定がつく。

 10年ほど前に伐採し、そこから萌芽し、10年かけて成長し、去年の11月に伐採を始めた「台場クヌギ(櫟、椚)」は見事な菊炭になることによって一生を終える。そして、お茶席などで重用され、炭として再び活かされる。この場面が、クヌギにとって最高の晴れ舞台かも。伐採した台場クヌギからはまた新しい萌芽が始まり、10年単位で何回も百年にわたって輪伐を繰り返していく。
   
   

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