2014年11月21日金曜日

里山に遊ぶ爺と小学生たち


 年が明けてから始まる炭焼きの準備を続けている。クヌギの再生林で、前回の伐採の後10年をかけ、炭材として適当な太さにまで育った「台場クヌギ」を伐採し、所定の長さの「窯木」になるように「玉切り」し、枝を細かに分けて束ね、「バイタ」とよぶ「柴」を作る作業である。

 今日は、地域の小学4年生が「自然体験学習」で里山を学びに来てくれた。ちょうど爺さんたちの作業をウォーク・ラリーの途中で見学をして、かって人々の暮らしと密着してあった里山の形を実感してもらう。太閤秀吉の昔からこの地域で焼かれていた「菊炭」。このあと数十年後にも、この子供達に伝わっていたらいいなと思いつつ、伐採した山のようなクヌギの始末に向かう。やっぱり、人手が多いというものはありがたいもので、伐採予定のほぼ半数が片付いた。
  
  

2014年11月15日土曜日

いよいよ台場クヌギの伐採を始める



 いよいよシーズン到来である。年が明けたら、すぐに始まる炭焼きのための準備作業を始めた。この炭焼きであるが、太閤秀吉の時代よりこの地に伝わる美しい菊炭作りの技を伝承するために、山の手入れを行っている、我々ボランティア・グループが毎年行っているグループ最大の行事である。

 まず炭材となるクヌギの伐採である。なぜこの時期に伐採するのか? それは、葉が枯れ、もう水分を上げなくなったこの時期が一番伐採に適しているし、高温で炭を焼くのは寒い冬が適しているからである。前回、調査した区域の伐採に早速取り掛かる。台場クヌギを伐る位置は、古来より台場の株から「一寸」と言われており、其の位置にチェーンソーを入れて伐採する。伐採した幹は、枝を払い、我々の窯の大きさに合わせた約80cmの長さに玉切り(輪切り)する。これが、「窯木(かまぎ)」とよばれる炭の材料となる。我々の窯で、太さにもよるが、だいたい窯木が1回の炭焼きで400本ぐらい入るのである。


 払った枝はさらに細かく切り、50cmほどの長さにして束ね、柴木にする。これが「バイタ」と呼ばれ、窯木の炭焼きの初期の段階で、窯内の温度を上げ、熱の廻りをよくするために窯木の上に詰め込むものである。1回の炭焼きで80~100束ほど必要とする。まず2日間の作業を終えたが、ほぼ予定の半分ほどの伐採を終えることができた。残りは来週以降の楽しみ。今回の炭焼きは2回を予定しているが、炭焼きの終わる2月初旬までのこれからの約3ヶ月間、炭焼き三昧の日々となる。
  
  

2014年11月7日金曜日

もみぢ ふた色


 遊びの山の「イロハモミジ(いろは紅葉)」である。ほとんど同じ場所に在るのに、ちょっとした日当たりの差か、個体差か、色がまるで違う。不思議なものである。山全体が赤や黄色に染まりだした中で、年が明けたら本番を迎える、今シーズンの炭焼きの一連の作業も、この日スタートした。




 ほぼ10年前に伐採した「クヌギ(櫟、椚、橡)」が、「台場クヌギ」として適当な太さに成長してきたので、いよいよ今年から10年サイクルで、伐採区域を回していこうという試みを始める。そのためにも、まず伐採予定区域にどのくらいの数の台場クヌギが育っていて、どのくらいの量の窯木が採れそうかを調べなくはならない。伐採予定区域の台場クヌギの数をナンバリングし、一本一本の太さ、樹高を記録してゆく。その結果、「台場クヌギ」でおおよそ一窯分、さらに新たに高木を伐採することでもう一窯、計二窯分のクヌギを確保できると思われる。一応の目途を得て調査を終え、いよいよ来週より伐採を始める。老体にはきつく、しんどい作業ではあるが、あの菊炭の美しさを見たいばかりに、今年もまた楽しき3K作業に挑戦する。

2014年10月26日日曜日

あれ? 今頃つつじが ・・・


 遊びの山。クヌギを伐採した後の日当たりのいい斜面。春に咲いた「ヤマツツジ(山躑躅)」の株に、数は少ないが花が咲いている。「温暖化の影響かな?」と思って調べてみたら、どうもそうでもないらしい。「ツツジ」、「シャクナゲ(石楠花)」、「桜」、「モクレン(木蓮)」、「ボケ(木瓜)」などには、秋にも開花するものがあるという。現に我が家近くの桜は、秋に咲くこともある。秋の気温や日照時間が春と似ているために、木が間違えて時ならぬ花を咲かせ、これを「帰り咲き」、「狂い咲き」、「二度咲き」などと言うらしい。特に「ヤマツツジ」には、春と秋に二度花を咲かせる「二季咲きツツジ」、「秋咲きツツジ」という種類があるそうである。時ならぬサプライズで私の目を楽しませてくれた「ヤマツツジ」にちょっとびっくり。


 「写真の赤い実のなる木を探して、その名前を書きましょう。」 これは、この時期にいつも出るウォーク・ラリーの問題。答えは、「ガマズミ(莢蒾)」。何回見ても見惚れるその鮮やかな赤い実のゆえ、子供たちもすぐに見つけ出し、正答率も高い。そして、「ガマズミ」の実には、口に入れてみると独特の酸味があり、ポリフェノールも豊富に含まれているという。青森県三戸地方ではその昔、獲物を求めて一日中歩き回るマタギたちが、山中で食べるものがなくなると「ガマズミ」を探し出して口にし、身体を休めたそうだ。
  
  

2014年10月25日土曜日

色づき始めた遊びの山



 遊びの山が色づき始めた。一番早く色づく「ヤマボウシ(山法師、山帽子)」は、もう真っ赤に染まり、「コナラ(小楢)」、「クヌギ(椚)」なども色づきはじめている。この山に自生する「柿」もたわわに ・・・。例年より早い朝夕の冷え込み。この寒暖の差が、色付きや実りを促しているようだ。山遊びが楽しい季節が今年も始まった。
  
  

2014年10月22日水曜日

山の秋を探せ!




 ピンクのネックレス? 空に突き上げた拳? 実が幼児の拳のような形をしていることから名付けられた「コブシ(辛夷)」の実。そして、公園のいたるところに落ちている大きな「クヌギ(椚、櫟)」のドングリ(団栗)。この地の名産、「丹波栗」、「能勢栗」とは比較にはならないが、ドングリと並んで子供たちに人気の野生種の「シバグリ(柴栗)」。

 先週に引き続いて、子供達の「自然体験学習」のお手伝い。ミッションは「山の秋を探せ!」。こんな秋の実を探すことが、ウォーク・ラリーの問題。今週は小学生のウォーク・ラリーだけでなく、幼稚園園児を対象とした「森の幼稚園」も開催され、ドングリこまや笛作り、葉っぱを集めての冠作りなど、子供と遊ぶのに大忙しの週である。
  
  

2014年10月20日月曜日

今日一番の作品は ・・・


 「何?」と聞いたら、「パパの顔!」という答えが返ってきた。我がクラブが開いている月に一度の子供連れの家族を対象とした木工クラフトと手作りうどんを作るイベント。お母さんと来ていた2、3歳くらいの男の子の作品である。なんともユーモラスで、微笑ましく、「パパ」への想いが込められている。間違いなく今日一番の作品。

 秋が深まると、2ヶ月後のクリスマスの影響なのかどうか、お母さん方から、リース作りのための蔓の材料のリクエストが増える。今日も4人のお母さんから ・・・。一緒に山に入り、モロモロになりにくく、丈夫な「ヤマブドウ(山葡萄)」の蔓を採集してあげる。秋晴れの最高の天気。戸外で食う手打ちのうどんの味も最高であった。
  
  

2014年10月18日土曜日

山の秋は宝石箱のよう

 

 
 真っ赤な宝石のような実。触ると弾力があり、プルプルしている。「サンシュユ(山茱萸)」の実である。その実の美しさや感触から、「アキサンゴ(秋珊瑚)」、「ヤマグミ(山茱萸;同じ漢字表記)」などとも呼ばれている。この時期の遊びの山では、こんな美しい宝石のような実がいくつも見ることができる。  

 快晴のこの日、伊丹から100名を超える小学校3年生が公園に自然と触れ合うためにやってきた。兵庫県が小学校3年、4年生にカリキュラムとして実施している「自然体験学習」である。今日のメニューは、ウォークラリーとドングリ笛づくり。ウォークラリーの問題の中には、こんな秋の山の宝石を探すという問題も含まれていた。さて、ほかの宝石もいくつかあげておきましょうか。妖しい暗青色が魅力的な「ユズリハ(楪、交譲木または譲葉)」の実。その鮮やかな赤が愛らしい実は、ジャムやハーブ・ティーすると美味しい「ガマズミ(莢蒾)」。陽が当たるとその橙色が透けて、一層美しい野生種の「カキ(柿)」。そして白い小さな花と野鳥が好きな黒紫色の実が対照的な「タラノキ(楤木、桵木)」。 

 

2014年10月4日土曜日

鹿や猪はこんな事をしない


 炭の材料として昨年伐ったクヌギの株が、無残にもボロボロに剥がされている。これでは、「台場クヌギ」として新しい新芽の発生は全く期待できない。鹿や猪はこんな事をしない。ましてや、「カシノナガキクイムシ」のしわざでもない。人の仕業である。多分、「カブトムシ」か「クワガタ」の幼虫を採ろうとして、クヌギの切り株を剥いだのであろう。こんな状態の株がこの山にいくつかある。こんなことしなくとも幼虫は得られると思うのに、ひどいことをするもんだ。鹿や猪、野鳥などは、餌となる植物や虫などを最後まで食べ尽くして、根絶やしにするようなことは決してしない。そんなことをすれば、連鎖がくずれ、たちまち来年の餌に困るからだ。「共存」、あるいは「持続可能性(サスティナビリティ/sustainability)」ということを、本能的に知っているのである。

 かっては、数の子、最近は、鯨、黒マグロ、日本うなぎなど、全て人間の欲の結果がもたらしている昨今の食の状況を思うとき、考えさせられる出来事であった。日本にも「こもり柿」という良き習わしがあったのに ・・・ 。
  
  

2014年9月26日金曜日

ちょっとグロですが ・・・



 山で作業していると、今までは見たこともなかったような、いろいろな生き物に出会う。「カシナガ」捕獲用のシートを剥いだら出てきたのが、体長10cmは優に超えている「ナメクジ(蛞蝓)」。こんな大きなナメクジは初めて見ました。NETで調べてみると、一番近そうなのが、右の写真で、日本最大のナメクジ、「ヤマナメクジ」というのだそうだ。日本各地の森林に生息しているそうです。また、「ナメクジ」は、陸に生息する巻貝のうち、殻が退化しているものの総称だそうだ。そんなことも初めて知りました。

 こんな「ことわざ」があります。「ナメクジに塩」。不得手なものを前にして、すっかり元気をなくしてしまうという意味で使われることわざですが、その「グロさ」に、ピントを確認せずに撮ったつもりで早々にその場を離れた私のことを言っているみたいですね。


 こちらは、体長3cmほどの「ヤモリ」の可愛らしい赤ちゃん。これは全くOKです。日本全国に分布する、「ニホンヤモリ(日本守宮)」でしょうか。通常は森林には生息しないと言われるが、公園のワークショップに彷徨い出てきたもの。餌となる昆虫やクモも多いので、ここにも生息しているのでしょう。今の住宅に引っ越してきた20年ほど前は、我が家や近所の家の外壁に多く見かけたものだが、最近は餌となる虫が減ったためか、めっきり見なくなってしまった。

 この山で遊ばせてもらっているが、植物といい、生物といい、この地の歴史といい、興味が尽きることはないのである。この冬の「炭焼き」の計画について初めて話し合った日 ・・・。