2019年11月15日金曜日

高さ30mのクヌギの高木を伐る

 
 
いよいよ、「クヌギ(櫟、椚)」の伐採作業が本格化してきた。昨日に続いて連日の作業である。今日は、かっての里山、クヌギ林が放置林となってから、伸びるにまかせ、30mにも及ぶ高さとなった高木の伐採。放置林となってから、間伐が行われなくなり、陽が当たらなくなったため、陽を求めて、上へ上へと伸び、なんと30mの高さにまで成長してしてしまった「クヌギ」。高さの割合に幹は30cmほどと太くなく、ひょろ長く、枝もほとんど出てないため、菊炭の原木としては、あまりいい材とは言えないが、鹿の食害により、適当な「台場クヌギ」が枯渇している現状では、こんな高木も使わざるを得ない。そして、この放置林となったクヌギ林を再び台場クヌギ林として復活させようという作業でもある。
    
  高木化は、なにもこの公園や「クヌギ」に限った事でなく、全国いたるところのかっての里山で見られ、防災上の観点からも問題視されている。戦後、林業の国策として「杉」の植林をすすめたが、この杉林は、輸入材との価格競争に負け、手入れのされない放置林となっている。また、生活に必要なのかなりの部分を賄っていた里山の木も、燃料革命、プラスチック化などの材料革命により、不要となり、やはり放置林となっている。結果、手入れのされない森は、冬になっても葉が落ちない常緑広葉樹の森となって暗くなり、樹木は陽を求めてどんどん高木化してゆく。そのため、地面にかかる木の重量は増加し、地すべりが起こりやすく、幹が太くならないので、風で倒れやすくなる。このことが、最近の異常気象、ゲリラ豪雨による土砂災害、流木被害を深刻化しているという。間伐をする以外に対策はないのだが、過疎、高齢化、人手不足 ・・・、日本の抱える問題点の多くが、ここに凝縮されている。



 そのことはさておき、残そうと決めている「イロハモミジ」の見事な大木、「ヤマザクラ(山桜)」、「ウワミズザクラ(上溝桜)」をできるだけ傷つけないように、また観察路の手すりを損傷しないようにと、倒す方向を慎重に入念に決めてから、チェーンソーを入れる。見事、狙った通りの方向に倒れ、「イロハモミジ」の損傷も最小限に留まった。

 




 あとは、総がかりで我々の窯に入れる長さ80cmに「玉切り」をし、伐った切り株には、防腐剤を入念に塗る。これで、1本の高木の伐採が完了する。


 すっかり森は明るくなったが、同じような高さの「クヌギ」の高木が、何本も伐採を待っている。まだまだ伐採は続く。なんせ、1,000本ほどの窯木を準備しなくてはならないのだ。




【 森のクラブイベントのお知らせ 】 
  
 「木を使ったかわいい動物やクラフトづくり&手づくりピザ」
 
  11月23日(土・祝) 10:00~14:00 ワークショップ集合  (雨天実施)
参加費:300円(保険代、材料費等)
   定員:20名(申し込み先着)
お申し込みは公園管理事務所(072-794-4970)まで
 
 
 
【 会員募集中 】
 
ひとくら森のクラブでは新会員を募集しています。

森林ボランティアや炭焼きを楽しみたい方ならどなたでも結構です。
自然に親しみながら楽しく活動してみませんか。

活動体験も受付けていますので、公園管理事務所(072-794-4970)まで
お問い合わせください。
 
 
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