今、目にしみるような新緑に山は包まれている。今日の山作業はクヌギ苗100本を植樹。毎年1、2月に、この地域の伝統文化である菊炭、それを焼く炭焼き技術を伝承するための炭焼きを行っているが、その材料「クヌギ(櫟、椚)」は、公園内にあるかっては里山だったクヌギ林から伐採している。先人の知恵で、クヌギは一旦、伐採をしても、新芽が生えてきて、7~8年ほどで程よい太さまで成長する。従って、ほぼ10年サイクルで伐採を繰り返せば(輪伐という)、絶えることなく炭材が供給できることになる。このように育てたクヌギを「台場クヌギ」と呼ぶが、伐採年によってクヌギの成長が異なるため、遠くから見ると、まるでパッチワークのように見えるのはそのためである。そして、このクヌギ林は、近隣の小学生のための里山体験教室の教材としても使われので、毎年多くの子供たちが公園を訪れる。
しかし、近年鹿の食害によって若芽が育たず、クヌギが全滅するという危機を迎えている。そのために、3年ほど前から、丸坊主になったクヌギ林に、CSRの一環としてクヌギ苗の提供を行っている「住友ゴム工業㈱」さんから提供を受けた苗を植え、保護用のシェルターで覆い、鹿の侵入防止のためのネットを張り巡らし、クヌギ林の再生を図っている。今日も急な斜面で慎重に体のバランスをとりながら、踏ん張って汗だくになり、100本のクヌギ苗を植えた。明日はあちこちの筋肉が悲鳴を上げるだろう。今年が植樹3年計画の最終年。これから10年後、私がまだ森林ボランティアや炭焼きを続けられているかどうかは分からないが、きっと誰かが引き継いでいてくれることを信じながら、そのことを願いながら、仲間と一緒に苗を植える。
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