2013年12月2日月曜日

一番大変な窯木降ろしをやっと終えた

 
 この夏に邪魔な雑木や枝を伐って紅葉が映えるように手入れをした公園への登り口。そこの「イロハモミジ」のトンネルが、それは鮮やかに色づいた。来園者も口をそろえて感嘆してくれる。そんな光景を見ると何か我々の活動が報われたような気がしてうれしくなる。 

 さて、炭焼きの準備で一番大変な「窯木降ろし」をやっと終えた。太いものから細い窯木まで、降ろした窯木は千本は超えるだろうか。降ろしの作業を始めてから延べ6日間の作業。今年は、「やっと ・・・」という感が特に強い。しかし、斜面にゴロゴロと転がっていた玉木がすべてなくなり、平地に整然と積まれているのを見ると、達成感と共に、ある種の爽快感と、美しささえ感じるのである。さて、これで12月から始まる炭焼き本番を迎える準備が大方整ったのである。さて、来週は窯や道具の点検をせねば ・・・。

 ところで、我々が焼く炭は、「白炭」と呼ばれる「備長炭」などと違って、「黒炭」である。この地方は昔は炭焼きが大変盛んだったところで、この地方で産した炭は池田に集積されたことから「池田炭」と呼ばれた。クヌギを材料とする炭で、その切り口が菊の花に似た美しい断面をもつことから「菊炭」とも呼ばれている。薫りも火持ちもよく、煙も出ず爆ぜないことから、太閤秀吉のころから今に至るまで、お茶席でも重宝されているという。我が遊びの山は、かってこのクヌギの林があった里山で、いまではもうすっかり炭焼きを生業とする農家は少なくなってしまったが、炭焼き技術を伝承するために、冬の時期になると我々は炭を焼いているのである。講釈はこのぐらいにしておきますが、私はもう10数回炭を焼いていますが、窯を開いてみるまではその出来が分からないので、何回焼いても、上手く焼けるだろうかと緊張します。まっ、その緊張感も楽しみなんですが ・・・。

 窯木降ろしの作業を終え、帰りがけに見えるダム湖に映る一面紅葉の遊びの山。夕暮れ近い午後の日差しに輝いていた。
 

  

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