2017年6月2日金曜日

小さな花びらを敷きつめて



 ちょっとムシムシとする空気の中を、いつものように山頂へむかう。先週に引き続き、作業は、ナラ枯れの原因となる「カシノナガキクイムシ」の対策である。木漏れ日が美しい木立の中に入ると、ちょっとひんやりして、すっと気持ちが落ち着く。

 尾根筋にあるウッド・デッキ一面に、絨毯のように散らばる小さな花びら。「ソヨゴ(冬青)」の花である。その名前のとおり寒さに強い常緑樹であり、我々にとっては、「ヒサカキ(非榊)」、「アセビ(馬酔木)」、「アラカシ(粗樫)」などと並んで間伐の対象木である。


  「ソヨゴ」は、縁が波打つ美しい緑色の葉っぱをしており、この時期、5月~6月に5mmほどの小さな白い花を咲かせ、それが散るとあたり一面が絨毯を敷き詰めたようになる。「ソヨゴ」の名前は、風に揺れて周囲の葉っぱ同士がこすれると、「ソヨソヨ」と音を立てることから付けられたと言われ、そろばんの珠にも使われる木である。そして、秋には赤い果実をつけ、その実を野鳥が好む。冬の餌のない時期、この木に野鳥が群れ、啄んでいるのを見かけることがある。この公園では、あちらこちらに生えている馴染みの深い木である。

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