2016年10月24日月曜日
どんぐり大豊作、子供たち大喜び
今年は、「どんぐり(団栗)」が大豊作である。近年まれに見る大豊作。「リス(栗鼠)」を始め、山の動物たちは、今年の冬は食料の心配がなく、幸せな秋を迎えている。
「森の幼稚園」で公園を訪れた子供たち。袋いっぱいに、いろいろな「どんぐり」、「ヤマグリ(山栗)」、山で一番大きな葉っぱ、「ホウノキ(朴の木)」の葉っぱなどを拾って、こちらも大喜び。
一方、雑食の代表格である「イノシシ(猪)」は、冬に備えて食べ溜めでしょうか、ミミズや虫を探すため、苔の生えた地面や湿った地面のあちこちを掘りまくっている。その痕跡を見ると、毎年のことながら、「ああまた冬が来るんだな」と思う。
秋晴れの空の下、園児たちは、この山に住んでいる動物たちのことを学んで、竈で炊いたご飯と豚汁をいっぱい食べて帰っていった。
2016年10月21日金曜日
秋のコントラスト、鮮やか
「コブシ(辛夷)」の実の果皮が割れ、鮮やかなオレンジ色の種が出てきている。遠くからでもそのオレンジ色はよく目立つ。
この公園でも、3月中旬から下旬の早春に、他の木々に先駆けて白い花を梢いっぱいに咲かせる。「田打ち」の頃に咲くから、別名「田打ち桜」。
その果実は「さや」に入った集合果であり、そのデコボコの形状が、子どもの拳に似ているところから、「コブシ」の名前がついたといわれている。それが、秋になるとあざやかな紅色に染まり、さらに秋の深まりとともに、割れてきたのである。「さや」の紅色、「種」のオレンジ色、おなじひとつの木で、空の青さも加えて、鮮やかなコントラストである。
2016年10月20日木曜日
鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき
私の所属するボランティア・グループは、公園で行う近隣の小学校3、4年生の自然体験学習をサポートしている。今日、そのカリキュラムの準備をするために、森へ入っていった時のことである。小学生がウォーク・ラリーを行う予定の散策路のすぐ近くで、その角をロープに絡め、取れなくなってもがいている一頭の牡鹿を見つけた。鹿は母系社会で、普通、牡(オス)と牝(メス)は別々の群れで生活するが、多分9月~11月の繁殖期を迎え、牡が牝鹿の生活圏に入り込んできて、災難にあったと思われる。われわれにとっては、鹿はクヌギの葉や芽を食べてしまう天敵ではあるが、放置すれば、間違いなく死んでしまうので、そのままにするわけにもいかず、ロープを切ると一目散に山の中へと消えていった。
『 奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき 』
猿丸太夫(5番) 『古今集』秋上・215
静かである。ウォーク・ラリーをする小学生がやってくるまでは、森の中は本当に静かである。しかし、耳を澄ませると、時折、野鳥の囀り、虫の鳴き声が聞こえてくる。それに混じって、「コン」という音も。団栗(どんぐり)が落ちてきて、ウッドデッキに当たる音である。目を上げると、「ガマズミ(莢蒾)」の真っ赤な実が ・・・。そんな静けさを、ゆっくりと味わいたいと思ったのも束の間、地響きを立てて、小学生の一団がやってきた。
2016年10月19日水曜日
頑張れ! ど根性クヌギ
つい先日、クヌギの再生林をチェックしているとき、うれしい発見をした。ずっと芽が出る気配がなかったから、根も露出し、もう朽ち果てて枯れてしまったと思っていたクヌギの株(台場)より新しい芽が出ているのである。しかも、周遊路のすぐ脇の斜面にあって、鹿の食害からクヌギを保護するために張ったネットの区域外の場所。おもわず、「ど根性クヌギ」と名付けてしまった。いや、クヌギの萌芽力は強いと聞いてはいたが、これほど強靭だとは思っていなかった。うれしい発見、無事「台場クヌギ」として大きく育ってほしい。頑張れ! 育ったら、「天晴れ」あげましょう。(下の写真は、鹿除けネットを貼った結果、萌芽し、順調に生育している台場クヌギ)
2016年9月9日金曜日
雨水を貯める
鹿の食害により、台場クヌギの新芽が食べられ、炭焼きの材料となるクヌギ林が危機に瀕している。クヌギ林を再生させるため、クヌギの苗を植え、鹿との神経戦をしながら、造林を図っていることは前に取り上げた。
プラスチックの筒をかぶせる「ツリー・シェルター」を導入して、苗木を保護しているのだが、何本かの苗木は中で順調に生育し、シェルターの頭から葉が顔をのぞかせるまでになった。その一方で、この日照りのため、枯れかけている苗木もある。そこで、弱った苗に水を補給するために、雨水を貯める設備を設置した。いたってシンプルな設備で、大きな三角形の雨をうける「雨水簡易集水ネット」と、その端に付けられた雨水誘導ワイヤ、貯水タンク、支柱などで構成されている。
上手く貯まるのかと半信半疑でもあったが、設置して1週間、台風10号による雨で、200リットルタンクには、70~80リットルほど溜まっていた。結果は上々である。クヌギだけでなく、エドヒガン桜も実生苗を育苗し、山に戻している。そちらにも、「ツリー・シェルター」とあわせて使えそうである。どうやらクヌギ苗の育苗、鹿対策、日照り対策に目処はついたようだ。
台風が過ぎて山には秋の気配が漂いだした
朝方までは台風の影響で、雷鳴とはげしい雨。9時頃には台風一過、青空が見えだした。雨に濡れ、すっかり涼しくなり登りやすくなった山道を、今日の山仕事へと向かう。もうセミの鳴き声は聞こえず、夜半の雨で落ちた「ドングリ(団栗)」が道に散らばっている。自生する「山栗(柴栗)」の実も大きく膨らんで、秋の気配が少しづつ漂いだした遊びの山。
2016年8月21日日曜日
役者やのう ・・・
私の住んでいる住宅地あたりでは、「クマゼミ(熊蝉)」と「ミンミンゼミ(ミンミン蝉)」の覇権争いが激しい。「クマゼミ」が勝利を収めているように思うが、遊びの山では、まだ「クマゼミ」の鳴き声は殆ど聞こえず、まだ圧倒的に「ミンミンゼミ」の天下である。「ミ~~ン、ミ~~ン」と、ひときわ大きな合唱が、森に響き渡っている。それに加えて、「ツクツクボウシ(つくつく法師、寒蝉)」の独特の鳴き声も始まった。
山遊びの途中で見かけた「ミンミンゼミ」。羽化したばかりであろうか、まだ緑色の頭から胸部にかけての紋様が、まるで惚れ惚れとする歌舞伎役者の隈取のように美しい。しかし、近年の急速な温暖化とあいまって、「クマゼミ」の北上・東進が目立っているというから、「クマゼミ」の天下になるのも時間の問題か ・・・。
森に響き渡るセミの鳴き声。一斉に鳴き止んだときに訪れる束の間の静寂。そんな間に音楽に似たものを感じる。
2016年8月20日土曜日
剣豪チョッキリ虫の試し斬り
お盆休み明けの猛暑の中、頂上付近の眺望を妨げているため、写真奥の先々週伐採したが、懸りになっていた「アラカシ(粗樫)」の大木をチルホールで倒す。枝を伐って処理をして今日の作業を終わる。長袖、長ズボン。汗ビッショリであるが、日差しはすこし柔らかく、ふもとのダム湖から上がってくる風がここちよい。お互いにニュースでも話題になっている「マダニ(真蜱)」の点検をして下山。
途中、「アラカシ」や「コナラ(小楢)」の枝が切り落とされいるのに気がついた。周りを見ても、他には切り落とされた枝も見当たらないし、卵を産み付けるどんぐりもまだまだ小さい。さすれば、「ハイイロチョッキリ」、剣豪チョッキリ虫の試し斬りというところか ・・・。
2016年8月7日日曜日
この風景が定着しなければいいが ・・・
遊びの山の尾根からの眺望。近隣の山で、かなり目立つのは、緑の中の茶色。「ナラ枯れ」である。妻も車の中から見つけては、私に聞くくらいだから、かなり目立つのであろう。京都ルートといわれる京都地方より、3、4年前にこの地域まで広がり、去年あたりがピークだと言われ、その影響が今年出ているようだ。
「ナラ枯れ」とは、「ナラ菌」というカビの仲間の病原菌と、その病原菌を媒介する「カシノナガキクイムシ」という体長5㎜ほどの昆虫によって、ナラ類、シイ、カシ類の樹木を枯らす「樹木の伝染病」である。「カシノナガキクイムシ」は、病原菌を体内に入れて運び、夏から秋に樹木に無数の穴をあけ、卵を産み付け、翌年の6、7月にその幼虫が羽化し、また新しい樹木に卵を産み付け ・・・といったことを繰り返すのである。ナラ菌は孔道を伝わって蔓延するため、水分が上がらなくなり、木が最も水を必要とするこの時期、真夏から晩夏にかけ、水が上がらないので、急速に葉が萎れ、茶色や赤茶色になって枯れてしまう
被害に遭っても、全部が枯れるまでには至らないのであるが、「ナラ枯れ」までになった「コナラ(小楢)」の被害木が、先日の山作業でも何本か見つかった。近隣の山に比べると数は少ないので、対策はそれなりに効果があったと見るべきだろう。しかし、昨年対策漏れの被害木から羽化し、新たに被害を受けた木もいくつか見つかっている。孔を開けられた樹皮から樹液が流れ出し、根元にはフロスと呼ばれる木の粉が堆積している。
これが定着し、見たくない夏の風景にならないことを願うばかり ・・・。
今年から、8月11日は「山の日」である。
2016年8月6日土曜日
アラカシを伐った途端、森は明るくなった
暑い。この日集まった9人でゆっくりと山頂へと向かう。今日の作業は、この山の森一帯に多く生育しているが、山頂付近の森を暗くし、眺望を妨げている樹齢数十年の「アラカシ(粗樫)」の伐採である。「アラカシ」は、照葉樹林の構成種で、ブナ科コナラ属の常緑広葉樹。人里近くの雑木林に多く見られ、人為的攪乱にも強いという。
樹齢数十年ともなると、もちろん手では伐れないので、チェーンソーを使う。写真でも明暗がわかるように、伐った途端、夏の強い日差しが地表まで差し込んで、周りがパッと明るくなる。まだまだ伐らねばならない「アラカシ」は多いので、しばらくはこの作業が続きそうだ。
伐った「アラカシ」の枝先にはもう小さな「ドングリ(団栗)」がびっしりと実っている。この様子では今年はドングリは豊作。猪、鹿、リスなども餌に困ることはなさそう。
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