森林ボランティアや炭焼きを楽しみたい方ならどなたでも結構です。
自然に親しみながら楽しく活動してみませんか。
公園管理事務所(072-794-4970)まで
兵庫県が小学校4年生を対象に行っているカリキュラム、「里山体験学習」が、長い間の緊急事態宣言が解除され、久しぶりに復活した。やって来たのは、市内の小学4年生、50名ほど。我々もウォークラリーのサポートをして、久しぶりに、子供たちの笑顔や歓声に接した。里山も少しづつ日常に戻り始めつつある。
ウォークラリー、今日一番の難問は、「下の写真の植物を探し、名前を書きなさい」 私たちでもわかりませんでした。答えは「ヤブソテツ(藪蘇鉄)」。そんなん難しすぎますわ!。
10月16朝放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」の「ナッツはなぜ美味しい?」という問題。答えは、「土に埋めてもらいたいから(進化を遂げた)」だという。なぜその答えなのかについての説明は、省略しますが、そもそも「ナッツ」とは何かという定義について解説した森林総合研究所の主任研究員である「直江将司」氏によると、定義は結構「曖昧」で、「ナッツ=硬い殻で覆われていて種を食用とする木の実」というのが一つの定義だそうだ。
この定義に従えば、栗、ドングリ、松の実などもナッツの一種である。「ドングリ」は、縄文時代から貴重な食料だったそうで、縄文時代の遺跡からも「ドングリ」や「ドングリ」の為の調理器具などが多く見つかっているという。現在でも、「マテバシイ(馬刀葉椎)」の「ドングリ」は、食べられる「ドングリ」の代表。
私が興味を持ったのは、土に埋めてもらいたいからした「ドングリ」の進化は、「まずい果実をつける」、「種を巨大化」など、いくつかあるが、その一つが、「豊作・凶作を繰り返す」ことだという。たしかに経験上「ドングリ」にも、豊作・凶作の年があり、今年は凶作とまではいかないが、去年に比べてやや少なめであるのは事実。こういう年は過去度々あったが、「クヌギ(椚、橡)」の「ドングリ」は、2年かけて育つので、そのためかと思っていた。しかし、「コナラ(小楢)」の「ドングリ」は1年で成長するのに、たくさん実る年と、全然ぜんぜん実らない年があり、その差が大きいので、かねてから不思議に思っていた。直江氏の解説によると、ナッツは、種が出来る数を自らコントロールしているという。
理由は豊作の年ばかりだと、天敵の虫が大量発生してしまうので、種の数をわざと減らす年を作る事で虫の数を減らすという。初めて聞いたこの説、ちょっと「目からうろこ」である。
台場クヌギも、延ばす枝とそうでない枝とを自ら選別するし、夏の猛暑の際、本体を守るため、必要でない葉を木は自ら落してしまうことはよく知られている。
一庫公園でもいろんな沢山のドングリを見つけることができる。ぜひ、どうぞ。
「SDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)」とやらで喧しい。ちょっと前は、「生物の多様性」のキャンペーンで喧しかったが、それに代わってのキャンペーンのようだ。
「SDGs」は、2015年9月の国連サミットで全会一致で採択され、世界が合意した「持続可能な開発目標」。2030年までを期限とする世界共通の「17のゴール(目標)」と、「169のターゲット(具体目標)」から構成され、貧困や飢餓や暴力を撲滅し、地球環境を壊さずに経済を持続可能な形で発展させ、人権が守られている世界を実現することを目指している。キーワードは、「Leave No One Behind(誰一人取り残さない)」。
我々の活動拠点の公園でも、17のゴールのうちいくつかを、目標に掲げ、「SDGs」に関するセミナーも開かれた。聞いてみると何のことはない、我々がずっと前から、「SDGs」など意識せず行ってきた活動そのものである。我々の活動を「17のゴール」に当てはめてみると、こんな感じになるのかな。
SDGs15 陸の豊かさも守ろう
我々、森林ボランティアの活動の一丁目一番地である。里山の生態系を守り、持続可能な方法で炭材を得ることや、森林をきちんと管理し、里山を維持管理している。また生物多様性が失われることを防ぐため、絶滅危惧種を一刻も早く保護したり、外来種を駆除するための活動を行っている。
森の手入れをするということは、保水力のアップ、地盤強化など、気候変動がもたらす自然災害に対する備えを強くし、災害から回復する力を高めることにつながる。
そしてもう一つは、気候変動の原因となる温室効果ガス排出の減少につながるということである。たしかに我々が地域文化の伝承として焼いている「菊炭」。燃やせば確かに"co2"は発生する。しかしクヌギには再生能力があり、炭材として利用するために、一定のサイクルで切っても新芽を出し、台場クヌギとして再び成長する。燃焼によって排出された"co2"は、「光合成」ともいう「炭酸同化作用」によって吸収され、光のエネルギーを使って葉緑素の働きで、有機物が植物体内で合成される。すなわち、排出される"co2"の量は固定化されるということになる。
SDGs11 住み続けられるまちづくりを
間伐材を使った子供たちのための「木工教室」、地域住民のための「里山ツアー」、「炭焼き体験塾」など、森づくり活動への参加や理解を得る活動も続けている。
ことさら「SDGs」などと言わなくても、我々の日ごろの活動が「SDGs」そのものなのだが、「ゴール(目標)」と、「ターゲット(具体目標)」を明確に認識しているかと問われれば、正直、心もとない面もある。これを契機に我々のを「SDGs」の視点で体系づけ、「ゴール(目標)」と、「ターゲット(具体目標)」を明確化してみようと思う。
そしてさらに大事なことは、この「SDGs」のキャンペーンによって、一般の方が少しでも活動の関心を持ち、できる範囲で参加してもらうことである。我々のクラブも高齢化で体力がおぼつかなくなってきているし、退会をカバーするだけの新規入会がない状態がずっと続いている。また一人退会届が出された。