2014年9月13日土曜日
これが話題の毒キノコでしょうか?
雨上がりの遊びの山。今日もいろいろなキノコが顔を出している。まるでゴルフ・ボールのような、このキノコは、「シロオニタケ(白鬼茸)」でしょうか。その怖い名前の通り、強い毒性があるという。そして、TVニュースで放映されていた話題の最強毒キノコ、「カエンタケ(火炎茸・火焔茸)」でしょうか、堆積した木の葉の中から、ちらっと顔を出しているキノコ。傘を持たない手指状の独特の形状を持ち、その鮮やかな赤色が、「火炎茸」と呼ばれる所以である。毒キノコの中で、最も少量(3g)で死亡する猛毒を持ち、触るだけでも皮膚がただれて危険な、「最凶キノコ」だという。ああ!怖~~。もちろん、「触らぬ神に祟りなし」である。
2014年9月10日水曜日
色づき始めたヤマボウシの実
「ヤマボウシ(山法師、山帽子)」の実が赤く色づき始めた。普通の木の実は下向きになるのが多いが、「ヤマボウシ」は、上向きにポツンと成り、飴玉みたいでちょっと滑稽な感じである。果実は集合果なので、種子はこの中に何個か入っている。山仕事の合間に、ちょっと口に入れてみる。果肉はやわらかくオレンジ色で、マンゴーのような甘さがある。果皮も熟したものはとても甘く、シャリシャリして砂糖粒のような食感がある。秋の山の味覚のひとつ。もちろん野鳥も大好物である。
2014年8月29日金曜日
雨が上がったら、きのこの山に
家を出るときは雨が降っていたが、遊びの山に着くと、ほとんど雨は上がっていた。山のあちこちから立ち登る水蒸気が、山や森を幻想的に見せてくれる。「こんな雨だから ・・・」と思っていたが、なんと14人の仲間の内、11人もが集まってきた。みんな暇なんだろうか? いやいや、仲間たちと山に入りたい思いが強いのだ。
ゆっくり登り出すと、雨上がりの森のいたるところに、いろいろな種類のきのこ(茸)が顔を出している。まるで「きのこの山」のようだ。「きのこ」のことはほとんどわからないので、もちろん手も出さないし、実際のところ多分ほとんどが「毒きのこ」であろう。しかし、こんなところに、秋の訪れと自然の豊かさを感じる。いつものように、山頂まであがると、一気に視界が開け、まだ8月だというのに、ひんやりとした風が吹きあがってきて心地よく、爽快な気分になる。天気予報では、10月上旬の気候とか ・・・・。
2014年8月23日土曜日
続・秋が少し見えた ~ カシナガの活動も始まる ~
秋は虫にとって子孫を残す活動期である。遊びの山では、前回の「チョッキリ虫」に続いて、「カシナガ」の活動も始まった。「カシナガ」、正確には、「カシノナガキクイムシ」といい、ミズナラ、ブナ、コナラ、クヌギなどのナラ類、シイ、アラカシ、シラカシなどのカシ類など身近な森林を形成している馴染のある広葉樹に、「ナラ枯れ」と呼ばれる被害を与える害虫である。「ナラ枯れ」は、「ナラ菌」というカビの仲間の病原菌が原因で、その病原菌を媒介するのが、写真にある体長5mm程度の「カシノナガキクイムシ」である。
「カシナガ」は、病原菌を体内に入れて運び、夏から秋に樹木に無数の穴をあけ、卵を産み付け、翌年の6月にその幼虫が羽化し、また新しい樹木に卵を産み付け ・・・といったことを繰り返すのである。ナラ菌は孔道を伝わって蔓延するため、ひどい場合は、水分が上がらなくなり、真夏から晩夏にかけ急速に葉が萎れ、茶色や赤茶色に枯れてしまう。樹木の周囲には、「フロス」と呼ばれる穿孔した木の粉が散乱することも特徴である。樹齢の長い、大径木が被害を受けやすく、また被害を受けても、全て枯れるわけでもないので、山が丸裸になるというようなことはないようだ。
しかし、いずれにしても山にとっても木にとっても好ましいことではないのである。しかも、遊びの山は炭材用のクヌギやコナラが多い、かっての里山である。冬に見つけた被害木には対策を打ったが、産卵の季節を迎え新たな被害木が見つかった。写真のように、根に近いところにいくつもの穴があけられ、フロスが散乱しているのがよく見てとれる。来年の羽化する時期までには、調査をして対策を打たねばならないだろう。山で遊ぶにも、結構、やらねばならないことは多いのである。
2014年8月22日金曜日
秋がすこし見えた ~ チョッキリ虫の活動始まる ~
我が住宅地の近辺に比べ、遊びの山ではちょっぴり早めに秋の気配が濃厚に。いつもながらの仕事師、「チョッキリ虫」の活動が始まった。、「チョッキリ虫」が見せる職人芸は、「クヌギの枝の切り落とし」。正確には、「ハイイロチョッキリ」である。体長(口吻を含まない)が、8㎜前後のオトシブミ科の甲虫である。9月ごろに、クヌギ、コナラなどの実(ドングリ)に卵を産み、その後、枝ごと切ってドングリを地表に落としてしまう。そうやって産みつけた卵は、翌年の初夏に羽化する。
まるで剣豪が切ったような、その枝の切り口の見事さと、どんぐりの真ん中に正確に穴を開けるその技には、いつもながら感心する。秋がすこし見えた ・・・。
2014年8月15日金曜日
嵐が去った後の森を片付ける
嵐が去った後の「遊びの山」に入る。台風が直撃に近かったためか、あの強風で、いたるところで、枯れ木が倒れたり、枝が折れたりしている。自然観察林を訪れる来園者の散策の邪魔になるし、なにより安全のために、台風後には、いつも散策路をふさぐ折れた木の伐採や、垂れ下がったり、散らばったりしている枝の片付けという作業を行っている。いまはお盆休みなので、朝から家族連れの来園者で一杯である。早く片付けねばと、今回も午前中いっぱいかかって、3コースある散策路の片付けを行った。もう汗びっしょりであるが、斜面を吹き上がってくる風が心地よい。
台風後、いつもより森の薫りがきつく感じるのは気のせいか ・・・。猪がいたるところで、餌を求めて枯葉の堆積している地面を掘り返した跡がある。この猛暑と台風、彼らも生き延びるのに必死なのだ。片付けを終えて下ってくると、仲間の一人が丹精込めて作った西瓜が待っていた。
2014年8月1日金曜日
鹿から守る ・・・
前回、「鹿の食害」のことについて少し触れた。そして、鹿の被害は、古くからこの地域に伝わる「炭焼き」技術の伝承をしようとしている我々の活動に必要な「菊炭」の原木を育てているクヌギの再生林にまでも及んでいることを書いた。若芽や若枝を食べられてしまった「台場クヌギ」は成長しないのである。
現実には鹿の捕獲や駆除は難しい。そこで、いろいろの案の中から、自衛手段として検討を始めたのが、ネット状のフェンスを再生林に張り巡らして、鹿の侵入を防ごうという試みである。昨年から、一部に実施をしてみた。やはり、効果があるもので、写真の様に、昨年11月に伐採した切り株から新芽が出て、成長している。これが鹿に食べられなければ、台場クヌギとして順調に成長して、8~10年後には、炭材として手頃な太さまで成長するのである。うん、鹿から見ればおいしそうに見えるんでしょうね。
2014年7月30日水曜日
無残にも ・・・
木漏れ日の林の中で一際目立つ異様な木。樹皮が剥げ、露出した木肌が真っ黒になっている。この山に住む野生の鹿の仕業である。被害木は、自生している柿の木。樹皮が剥がされたあと、自分を守るため、柿が樹液(タンニン?)を出し、こんな色になったのである。柿の栽培農家では、樹皮の下は害虫の住家になるので、病害虫予防のために、敢えて樹皮を剥ぐというが、それとは全く違う。この鹿による樹皮食害、この山の柿の木だけならば、どうってことはないように思えるが、実は柿の実は冬には野鳥の大好物となっているのだ。被害は、「菊炭」の原木となるクヌギの再生林にまでも及んでいる。そして、スギ(杉)、ヒノキ(檜)など近隣の林業の現場でも深刻な問題となっている。若芽や若枝を食べられてしまった台場クヌギは成長しないし、幹の全周を剥皮されたスギ、ヒノキはやがて枯死してしまう。また、一部を剥かれただけでも菌が侵入、材質が低下し商品価値が全くなくなってしまうという。
この近辺の多くの里山林では、鹿が背伸びして樹木の約1.5m以下の枝葉を全て食べ尽くしてしまうため、 枝の下の線が揃い、林の奥まで見通すことができる。これを「ディア・ライン/deer line (鹿摂食線)」と呼び、「奈良公園」などで最も顕著に見られる。(写真は奈良公園、NETより拝借)
適応力の強い種だけが生き残っていく、それが自然の摂理には違いないのだが、一方で「生物の多様化が必要」ということが言われてから久しい。しかし、森に関して言えば、この鹿の食害問題を解決しないことには、多様化した植生を持つ森林など再生できないことも事実。
2014年7月9日水曜日
子供達とヤマモモを採る
子供達と「ヤマモモ(山桃)」を採取した。同じ公園で活動している別の団体が予定しているジャムやジュース作りの「食育」のイベントのためのお手伝いである。この週末にでもと予定をしていたが、台風8号の接近のため、早めに採取しておこうと、8分程度の熟し方で、「ちょっと早いかな」とも思ったが、台風が来れば皆落ちてしまうので、早めの採取をした。この公園には多くの「ヤマモモ」があるが、大粒で、甘味の強い木は数本に限られていて、完熟すると、そのことをちゃんと知っている多くの野鳥や虫が集まってくる。
ビニールシートを敷き、枝を揺すると、バラバラとまるで雨霰(あられ)のように落ちてくる。私の子供の頃は、おやつは自分たちで採取したものだが、自分たちで実などを採取したことがない子供たちは、「キャア!キャア!」と言って喜ぶ。短時間の間にたくさん取れた。あとは野鳥や虫のために残しておこう。
何回か「ヤマモモ・ジュース」を作ったことがあるが、結構たいへんな作業だし、砂糖も多く使う。 今回は食後のデザートにあの甘酸っぱい味をつまんで楽しもうと、少し家に持って帰った。
2014年7月7日月曜日
野生の痕跡
先日の山作業で見かけた光景。写真ではちょっとわかりにくいが、猪が枯葉の堆積した地面を掘り返して、虫や虫の幼虫、ミミズなどを探した痕である。基本的に猪は、森に生えている植物の地下茎・果実・タケノコなどを食べるという草食に非常に偏った雑食性であるが、季節の変化に応じて、昆虫類、ミミズ、サワガニ、ヘビなども食べるという。そんな餌漁りの痕の写真である。また、遊びの山には、猪が、ダニ等の外部寄生虫を落としたりするための、泥浴を行う「沼田場(ヌタバ)」と呼ばれる場所もある。猪が横になり、転がりながら全身に泥を塗る様子から、「苦しみあがく」という意味の「ぬたうちまわる(のたうちまわる)」という言葉が生まれたといわれてる。
この地域は、上方落語の「池田の猪買い」などにあるように、猪が昔から有名である。鹿と並んで食害も結構多いため、山沿いの田畑では電柵などが必ず設置されている。地域の肉屋には冬の季節になると、「牡丹鍋」用の猪肉、「牡丹肉」が、ごく普通に販売されている。そして我が住宅地ではないが、神戸の方では、「餌付け」などによって人間の食物の味を覚えてしまった猪が、住宅地付近にまで出没し、民家の庭や路上のゴミを荒らしたり、住民などに噛み付くなどの人的被害も頻繁に報じられている。元来は非常に神経質で、警戒心の強い動物である。そのため、我が遊びの山では、餌探しや泥浴の痕跡はよく見かけるが、鹿などのように遭遇したことはまだ一度もない。棲み分けをするためには、やはり「餌付け」が良くないことがよくわかるのだ。
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